研究開発

Kidney International(キドニーインターナショナル)vol.70(2006),pp.391-391

電解水は末期腎疾患患者の血液透析誘発性の赤血球機能低下を抑制する

長期血液透析を受けている患者は、血液透析に対する赤血球の感受性が高まり、細胞生存を弱めてしまう。我々は、電解還元水が血液透析による赤血球機能障害と貧血を抑制するかどうかを調査した。長期血液透析を受けている43人の患者に対して6ヶ月間電解還元水(ERW)透析を施した。我々は、これら患者の透析期間中の血液および血漿中の酸化ストレス、赤血球メトヘモグロビン/フェリシアン化物(ヘキサシアノ鉄(III)酸塩)還元酵素活性、血漿メトヘモグロビン、前期炎症性サイトカインを未処理群(n=15)、ビタミンC処理群(n=15)、ビタミンEコート透析器群(n=15)、電解還元水透析群(n=15)間において評価した。未処理群においては、血液透析後に血液中の活性酸素種(ROS)、主にH2O2の顕著な上昇(15倍)が認められた。また、血漿ビタミンC、全抗酸化活性、赤血球メトヘモグロビン/フェリシアン化物還元酵素活性が低下し、赤血球中のフォスファチジルコリン過酸化物(PCOOH)レベルとメトヘモグロビンレベルが上昇した。抗酸化物処理により、ビタミンC>ERW>ビタミンEコート透析器の順番で、血液透析1回処理により誘発される酸化ストレス、血漿中及び赤血球中のPCOOHレベル、血漿中のメトヘモグロビンレベルを緩和し、赤血球メトヘモグロビン/フェリシアン化物還元酵素活性を保持した。しかしながら、ERWはビタミンCによって容易に引起されるシュウ酸集積といった副作用を示さなかった。6ヶ月に及ぶERW透析により、血液透析患者のヘマトクリットが増加しまた前期炎症性サイトカイン類が減少した。結論として、ERW透析は、血液透析患者における脂質過酸化、溶血反応、前期炎症性サイトカイン過剰発現に示される血液透析誘発性酸化ストレスを緩和することにおいて効果的である。

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