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電解水透析に関する患者の死亡数・主な死因の原因となる合併症発症抑制に関する 東北大学との共同研究論文発表について

水素を付加した血液透析療法「電解水透析」が
透析患者の死亡数・主な死因となる合併症発症を41%抑制

日本トリム・東北大学との共同研究を論文発表

東北大学よりプレスリリースが出ておりますとおり、日本トリムは、国立大学法人東北大学 慢性腎臓病透析治療共同研究部門と共同で、水素を付加した血液透析療法「電解水透析」において患者の死亡数および主な死因となる合併症発症の抑制を示唆する論文を発表し、2018年1月10日にNature出版グループが発行する英国科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。

 
現在、国内の透析患者数は32万人を超え年々増加しており、国の医療費を増大させています。日本透析医学会発表では、透析患者の死亡率は5年で39.2%、10年で64.1%(2015年末データ)、その主な死因は心脳血管合併症とされています。本研究は国内7施設、患者309名を対象とし、水素を付加した血液透析療法「電解水透析」(161件)と通常透析(148件)の予後を比較する臨床試験を2011年から5年間実施したものです。

図1:電解水透析患者群と通常透析患者群における死亡および
心脳血管病を発症していない患者割合の推移の比較 (一部改編掲載)
 
結果、電解水透析治療を行うことで、死亡および心脳血管病(うっ血性心不全、虚血性心疾患、脳卒中、虚血による下肢切断等)の発症リスクが、通常透析と比べ41%抑制されたことを確認しました。昨年9月に米国科学誌PLOS ONEで論文発表した中間報告(*)では、重度な透析疲労やかゆみ症状の抑制が、そしてこの度の論文では、透析後の高血圧の改善、必要な1日当たりの降圧薬の投与量の減量、死亡率・重篤な合併症の抑制が示唆されました。今後ますます電解水透析の透析患者の積極的な社会復帰、そして医療費抑制への貢献が期待されます。
 
 
 
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