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~注目の集まる「透析後疲労」の改善を目指して~ 透析患者のQOL向上を目指す「電解水透析Ⓡシステム」 東京都江戸川区・新小岩クリニック船堀で新規導入

当社が販売する「電解水透析®システム」が慢性腎不全患者の人工透析を専門に行う新小岩クリニック船堀(所在地:東京都江戸川区)に導入され、7月21日(月・祝)から治療が開始されました。
2023年にNIH(アメリカ国立衛生研究所)から「透析後疲労の治療法の開発が必要である」とのコメントが出され、米国腎臓学会誌*でも取り上げられたことから、透析後疲労の改善が期待できる電解水透析にはこれからますます注目が集まると考えられます。
* Reddy N.V. Y et al. Defining, Understanding, and Addressing Postdialysis Fatigue. JASN 35: 1130-1133, 2024.

多人数用電解水透析システム

多人数用電解水透析®システム


 
■「電解水透析®」の特長
血液透析治療に水素が含まれた透析液を使用することで、透析患者の血中酸化ストレスや炎症の低減、血圧の安定化、また降圧薬の低減および透析疲労感の低減等の症状緩和を観察しており、透析患者のQOL向上が期待されます。
2018年に、東北大学との5年間の多施設共同前向き観察研究結果として「電解水透析®」により透析患者の死亡および心脳血管病の発生リスクが通常透析と比べ41%抑制されたことを、2022年には、聖路加国際病院、日鋼記念病院との共同研究で、「電解水透析®」により重度疲労感低減作用を確認し、且つその作用を高める要因を発見したことなどについて、英国の専門誌に論文発表し、「電解水透析®」への認知、関心、期待がさらに高まってきています。

■新小岩クリニック紹介文
新小岩クリニックは慢性腎不全患者の人工透析を行う医療機関で、内科と人工透析を専門としています。本院では75床の透析ベッドを備え、50名以上のスタッフが対応しています。自立支援医療(更生・育成医療)指定機関でもあり、約40年の歴史のあるクリニックです。2001年には新小岩クリニックの分院として新小岩クリニック船堀を開設しました。
 

透析室

透析室

 

■新小岩クリニック 概要
医院名:新小岩クリニック
所在地:東京都葛飾区東新小岩5-20-22
電話番号:03-3694-5621
開設年:1982年
診療科目:内科、人工透析 【自立支援医療(更生・育成医療)指定機関】
透析ベッド数:75床
ホームページ:https://www.shinkoiwa-clinic.jp/

■新小岩クリニック船堀 概要
医院名:新小岩クリニック船堀
所在地:東京都江戸川区船堀4-4-24
電話番号:03-3688-9901
開設年:2001年
診療科目:内科、人工透析 【自立支援医療(更生医療)指定機関】
透析ベッド数:76床
ホームページ:https://www.shinkoiwa-clinic.jp/funabori/

■新小岩クリニック 西尾信一郎副院長プロフィール
 

西尾信一郎副院長

 
2006年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業
     東京慈恵会医科大学青戸病院 前期研修医
2008年 東京慈恵会医科大学 後期研修医
2011年 東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科助教
2013年 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター
     腎臓・高血圧内科診療医員
2018年 東京慈恵会医科大学博士号取得
2019年 新小岩クリニック副院長(現職)
     東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 腎臓・高血圧内科非常勤診療医員

(所属学会・資格)
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析医学会 透析専門医
厚生労働省臨床研修指導医
日本医師会認定産業医

西尾副院長からのコメント
この度新小岩クリニック船堀における透析機器の入れ替えに際し、念願の電解水透析システムを導入する方針としました。電解水透析は10年以上の歴史を有し、酸化ストレスの軽減を通して透析患者さんのQOLの改善をはじめ、多くの素晴らしい報告がなされております。一回ごとの透析の質の向上を通して患者さんの予後改善に貢献できましたら幸いです。
 

■「電解水透析®」開発ストーリー
腎不全患者の治療に用いられる血液透析は、水を大量に使用する治療法で1回あたり約120リットルの水を使用します。日本トリムは、この“水”に、1997年に九州大学との共同研究で抗酸化作用を確認した “電解水素水”を応用することを世界で初めて着想し、「電解水透析®」の取り組みを開始しました。そして2005年からの東北大学をはじめとした研究機関との産学共同研究により、「電解水透析®」において水素分子(H2)が作用因子として抗酸化作用を発揮し、生体適合性を高めることを突き止めました。その後、臨床データの取得と共に透析システム(国内外特許取得)の開発にも取り組み、2011年に「電解水透析®システム」を発売、2020年には標準化タイプの「電解水透析用水作製装置」を発売しております。現在、日本では35施設に導入され、「電解水透析®」を受けられる病床数は1000床を超えております。(2025年7月現在)
 

電解水透析®システムフローチャート


 
■ご参考:代表的な「電解水透析®」に関する掲載論文

(1)Renal Replacement Therapy (2016) 2 23(総説論文)
「抗酸化療法としての水素分子:血液透析への臨床応用と展望」
URL:https://www.nihon-trim.co.jp/news/1554/

(2)Scientific Reports (2018) Jan 10;8(1):254 (5年間の前向き観察調査)
「電解水透析は血液透析患者の死亡・心脳血管合併症発症リスクを41%低減」
URL:https://www.nihon-trim.co.jp/research/1048/
 
(3)Renal Replacement Therapy(2021)7:37
「電解水透析は透析関連疲労の原因酸化ストレスを低減」
URL:https://rrtjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41100-021-00353-9

(4) Renal Replacement Therapy (2021) 7:58
「電解水透析で重度の透析関連疲労感をほぼ消失」
URL:https://www.nihon-trim.co.jp/research/3829/

図:透析実施翌日の透析疲労感の推移


 
※実質的疲労感有り無しのカットオフ値はオリジナル質問票のROC曲線から求め、VAS値4以上を実質的疲労感有りとした。
*:P<0.05, **:P<0.01(変更前に比べ有意差あり)

(5) Renal Replacement Therapy (2022) 8:32
「電解水透析により重度疲労感低減作用を確認、且つその作用を高める要因を発見」
URL:https://www.nihon-trim.co.jp/research/4257/

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