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Langmuir(ラングミュア)

白金ナノ粒子のスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性とヒドロキシルラジカル消去活性の動態解析

金属ナノ粒子(nps)の、特にスーパーオキシドアニオンラジカル(O2・-)とヒドロキシルラジカル(・OH)の消去能に関する生理学的効果に関する報告はほとんど無い。我々は、O2・-に関してはヒポキサンチンーキサンチンオキシダーゼ系を・OHに関してはフェントンとUV/H2O2系を用いて白金ナノ粒子の消去活性を測定した。電子スピン共鳴解析により2nmの白金ナノ粒子は、O2・-と・OHを消去する能力があることを明らかにした。O2・-消去反応の速度定数は、5.03 ±0.03 x 107 M-1sec-1であった。しかしながら、白金ナノ粒子存在下におけるフェントンとUV/H2O2系解析では、両系において・OH 消去反応の速度定数は求められなかった。1~5nmサイズのナノ粒子において、1nmの白金ナノコロイドは、最も高いO2・-消去活性を示した。50mg/Lという高濃度の白金ナノ粒子を作用させても、接着細胞(TIG-1, HeLa, HepG2, WI-38,MRC-5)に対する細胞障害性はほとんど見られなかった。白金ナノ粒子は、HeLa細胞内に内因的に発生した活性酸素種(ROS)を消去した。さらに白金ナノ粒子は、UVA照射により発生する細胞内O2・-レベルを有意に低下させ、その結果、ROSダメージによる細胞死からHeLa細胞を保護した。これらの結果から、白金ナノ粒子は、従来の抗酸化剤の逆説的効果を回避することが可能な新しいタイプの抗酸化剤であることが示唆された。

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