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Antioxidants

高知大学医学部と須崎市との共同研究「メタボリックシンドロームとその予備群への電解水素水の日常的飲用が 内臓脂肪の目安となる腹囲を減少させることを発見」(専門誌「Antioxidants」で発表)

高知大学医学部、高知県須崎市、日本トリムらの共同研究グループは電解水素水*の日常飲用が、日常的に高強度の身体活動習慣のあるメタボリックシンドロームとその予備群の内臓脂肪の目安となる腹囲を減少させることを発見しました。それに関する論文を学術誌出版社MDPI(本社:スイス)の専門誌「Antioxidants」に投稿し、2024年1月24日に掲載されました。

*:管理医療機器の整水器から生成される弱アルカリ性で溶存水素(H2)を含む飲料水。
  
  
■概要
高知県須崎市の「健康をキーワードとした地方創生事業」の一環として、須崎市市民の中のメタボリックシンドロームとその予備群の方で、承諾を得た方のお宅に試験用整水器を設置し、ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(※1)として1日あたり1,050mlを目標に毎日電解水素水または浄水を3か月間飲用いただき、その前後で血液検査や生活習慣アンケート等を行いました。
本研究では、メタボリックシンドロームまたはその予備群計181名を対象としました。
全体的な結果としては電解水素水または浄水の2群の差は認められませんでした。しかし、サブグループ解析では、電解水素水飲用群かつ高強度身体活動量群で、同身体活動量群の浄水飲用群に比べウエスト周囲径の減少に統計学的有意差が認められました。
また、有意な差は認められませんでしたが、高強度身体活動量群では、いくつかの良好な結果が認められました。
尿中8-OHdG(※2)、尿中ニトロチロシン(※3)、HbA1c(※4)、血糖値は浄水を飲用した群で上昇しましたが、電解水素水飲用群では低下しました。高感度CRP(※5)の増加は電解水素水飲用群で少なかったです。8-イソプロスタン(※6)は電解水素水飲用群でより減少しました。
これらの結果から、健康な人に比べて活性酸素が多いとされるメタボリックシンドロームやその予備群の中で、電解水素水を摂取し、かつ高強度身体活動量群では、活性酸素の増加が抑制または減少していることが示唆されました。

※1:ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験:
コンピュータの乱数を使い参加者を2群に無作為に分け、試験参加者も研究者も本物か偽物かどちらを摂取しているか分からない状態で行う試験。作為的に一定条件の被験者が特定の群に偏らないようにするためと暗示効果を取り除き真の効果を評価するためと研究者による評価バイアス(偏見や先入観)を排除するために行われます。最も科学的な臨床試験デザインでエビデンスレベルが高いと認識されています。
※2:尿中8-OHdG:体内DNA酸化指標
※3:尿中ニトロチロシン:体内タンパク質酸化指標
※4:HbA1c:体内糖化ストレス指標
※5:高感度CRP:体内炎症指標
※6:8-イソプロスタン:体内脂質酸化指標
 
 
■主な結果
(1)高強度身体活動量群における腹囲の変化
参加者の中で身体活動量を高強度:3,000以上、中強度:3,000未満600以上、低強度:600未満(単位はMETS-min/week(※7))の3つに層別し、統計解析を行いました。高強度身体活動量群で電解水素水を飲用した群(15人)は、高強度身体活動量群で浄水を飲用した群(14人)に比べ、腹囲の変化量の平均値が統計学的に有意に減少しました。 
(図、p=0.01 p:有意確率 ※論文情報を基に作成)

具体的には、電解水素水飲用群は飲用前に比べ腹囲が平均1.87cm減少、一方、浄水飲用群は平均0.96cm増加しました。

※7:METS(メッツ):
身体活動の単位で、安静時を1とした時の倍数。例としてやや強めのランニング(8.3METS,速度134m/分)を30分、週6日行うと8.3×30×6=1,494 METS-min/weekになる。3,000 METS-min/weekの例としては、ランニング(8.3METS速度134m/分)30分を週6日+階段の上り下り(7.5METS)15分を週6日+普通歩行(3METS)50分を週6日。
  
   
■参考情報
メタボリックシンドロームと予備群の基準について:


 

腹囲と内臓脂肪の関係:
腹囲の1cm減少は内臓脂肪1kg減少に相当します。
参考文献:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/07/dl/s0712-4b08.pdf

内臓脂肪と生活習慣病リスクの参考論文:
スウェーデンのウプサラ大学のT.Karlsson 氏らは、英国の大規模コホート研究 UK Biobank の参加者約 32 万 5,000 例のデータを、彼らが開発した内臓脂肪量を推定するモデルで研究し、内臓脂肪量が 1kg 増加すると 2 型糖尿病リスクは男性で 2.5 倍に上昇し〔オッズ比 2.50 、 95 % CI 1.98 ~ 3.14 〕、女性では 7 倍超に上昇した(オッズ比 7.34 、 4.48 ~ 12.0 )ことを発表しました。
*参考論文:Nat Med. 2019 Sep;25(9):1390-1395. doi: 10.1038/s41591-019-0563-7. Epub 2019 Sep 9.
  
  
■結論
本研究では、メタボリックシンドロームおよび予備群に対する電解水素水飲用群の健康効果として、運動量の多い集団でのみ腹囲の減少が観察されました。健康な人に比べて酸化的損傷のレベルが高いといわれるメタボリックシンドロームやその予備群にとって、身体活動は酸化的損傷を増加させますが、電解水素水の摂取はこれらの影響を抑制または軽減させる可能性が示唆されました。
 
 
■論文概要
タイトル
「Health Effects of Electrolyzed Hydrogen Water for the Metabolic Syndrome and Pre-Metabolic Syndrome: A 3-Month Randomized Controlled Trial and Subsequent Analyses」 
(和訳:メタボリックシンドロームとその予備群に対する電解水素水の効果:3か月無作為化比較試験とその後の解析)
 
 
■掲載先
Antioxidants誌:
▼オープンアクセス論文のため下記よりご覧いただけます(英語サイト)
https://www.mdpi.com/2076-3921/13/2/145
 
 
共同研究代表者(敬称略)

氏名 所属 URL
菅沼成文 高知大学医学部 
環境医学教室
http://www.kochi-u.ac.jp/kms/ff_evrnm/member/show/?id=1HLvIcEjPI0bTObxS8nJR7
樺山繁 (株)日本トリム、
神戸大学大学院
https://www.nihon-trim.co.jp/research/

 
 
■高知大学医学部について
高知大学医学部では「敬天愛人・真理の探求」の信条に基づく教育姿勢を貫きながら、様々な特色ある学生教育に取り組んでいます。中でも先端医学と地域医療に力をいれており、先端医学は全国的に注目を浴びている教育プログラム「先端医療学コース」で先端医療を学び、また地域医療は、「家庭医道場」で地域医療を担う医師を育成しております。 http://www.kochi-u.ac.jp/kms/
 
 
■高知県須崎市について
高知県のほぼ中央に位置し、海・山・川の豊かな自然に囲まれた市。健康をキーワードとした地方創生事業を推進しており、“日本一の健康長寿のまち”を目指しています。
https://www.city.susaki.lg.jp/
 
 
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