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Scientific Reports

東京大学未来ビジョン研究センターとの共同研究が自然科学誌「Scientific Reports」の2020年トップ100に選ばれました

株式会社日本トリム(本社:大阪市、代表取締役社長:森澤紳勝)は、東京大学未来ビジョン研究センターと共同で研究した電解水素水(※1)の潜在的効果の根源に関する論文を英国のNature Research(ネイチャー・リサーチ)社が発行する自然科学誌「Scientific Reports」に投稿し、2020年6月23日に掲載されました。
今回、この論文が2020年「Scientific Reports」化学論文のトップ100ダウンロードを獲得しました。

この論文は、2020年中に1,941回のダウンロードを記録しました。これは2020年に発表されたScientific Reports誌の化学論文(550以上)の中で67番目となりトップ100に入りました。Scientific Reports誌では、「並外れたダウンロード数であり、この研究分野では真の価値がある」としてWebサイトに掲載したほか、同誌ソーシャルメディアでも紹介します。
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本研究に参加した東京大学未来ビジョン研究センターの古月文志特任教授は、「開発した単層白金ナノ粒子コート電極は、水の電気分解に要する白金の使用量を大幅に削減し、また、耐久性を上げることで、水素エネルギーの社会実装に対しても貢献する」とコメントしています。
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 <研究内容>
本研究は東京大学と日本トリムで、水の電気分解を行う整水器に搭載されている電解層内の白金コート電極に着目し、その性能解析を行いました。
結果、電解水素水の生成において、白金コート電極に関する以下の事象が確認できました。
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■研究目的
整水器が生成する電解水素水の潜在的効果の根源を特定するため
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■結果
(1)白金コート電極で水素水を生成した場合、非常に高い水素分子(H2)生成効率を有した。
特に白金ナノ粒子が覆われている単層(約100nm)(図1)の電極が最も生成効率が高く、一定電流あたりの水素分子(H2)生成効率は92%であった。この効率は近年報告されている金属/カーボン基材の電解触媒と比べてトップクラスである。

図1:白金ナノ粒子が単層にコートされた電極表面(電子顕微鏡写真)

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(2)白金ナノ粒子内に保持された水素は反応性の高い水素(H・)である
水の電気分解の過程において、水分子、ヒドロニウムイオン(H3O+)、ヒドロキシルイオン(OH-)の水の3要素は白金ナノ粒子のPt(111)面に規則的に吸着し、ヒドロニウムイオンは電子を受け取り、反応性の高い水素(H・)と水に分解される。反応性の高い水素(H・)の多くは水素分子(H2)を形成するが、白金ナノ粒子内部までに拡散し保持されるものもある。(図2b)。反応性の高い水素(H・)を内包した白金ナノ粒子の一部は電極から離脱し、電解水素水中に放出される。よって電解水素水中には少なくとも2.2ppbの白金ナノ粒子が存在する(表1)。

図2:白金ナノ粒子単層コート電極による電解水素水の生成
H3O+ヒドロニウムイオン H・反応性

サンプル 水道水 電解水素水 電解水素水
+5%HCI
フィルター
※通過後の電解水素水
Pt (ppb) 検出限界以下 3.3 ± 0.2 5.1 ± 0.1 1.1± 0.1

 表1:電解水素水中の白金の定量結果
※フィルターは20nm孔サイズのアルミナフィルターを使用。通過後の白金濃度低下により、20nm以上の白金ナノ粒子が電解水素水中に存在していることを示唆している。
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■結論
電解水素水の抗酸化作用や胃腸機能改善効果や様々な潜在的効果等は、一部は水素分子(H2)の関与もあるが、白金ナノ粒子内に保持されている反応性の高い水素(H・)に由来するものではと推察される。
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■研究方法
白金コート電極(※2)は、白金ナノ粒子のコート厚が単層(約100nm)、二層(200nm)、多層(750nm)の3タイプを作成し、電解水素水生成における水中の①水素濃度②水素生成効率を測定した。
①水素濃度・・・密閉容器空隙中に水素分子を移行させ、ガスクロマトグラフィーにて測定。
②水素生成効率・・・実験機器にて電気化学的手法で実施し、電荷量と発生水素量から算出。

電解水素水中の白金量はICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析)で測定。白金ナノ粒子の存在に関しては20nm孔サイズのアルミナフィルターを使用し、トラップによる白金濃度減少により確認した。電極表面は電子顕微鏡等にて解析。

※1・・・胃腸症状改善の効果が認められた家庭用管理医療機器から生成される飲用の水。水の電気分解によってアルカリ性で抗酸化性を持つとされる水素分子(H2)を含む水。
※2・・・チタン板の表面に白金ナノ粒子が覆われている電極。
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■論文概要
タイトル
「Monolayered Platinum Nanoparticles as Efficient Electrocatalysts for the Mass Production of Electrolyzed Hydrogen Water」

(和訳:電解水素水大量生成のための効率的電解触媒としての単層化白金ナノ粒子)

共同研究関係者
・東京大学未来ビジョン研究センター・教授 坂田一郎 博士(工学)
・東京大学未来ビジョン研究センター・特任教授 古月文志 博士(工学)
・(現在)四川大学高分子科学与工程学院・教授 王延青 博士(工学)
・東京大学大学院工学系研究科 藤末智夏 博士課程(工学)
・株式会社日本トリム MD室・室長 樺山繁 博士(農学)
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掲載先
Scientific Reports誌:
▼オープンアクセス論文のため下記よりご覧いただけます(英語サイト)
https:www.nature.com/articles/s41598-020-67107-1
Scientific Reports誌は、ネイチャー・リサーチ社によって刊行されているオンラインオープンアクセスの査読付き学術雑誌である。自然科学のすべての分野を網羅している。
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<潜在的効果に関する論文>
(1):Trends in Food Science & Technology 23 (2012) 124-131(九州大学-日本トリム共同論文)
和訳タイトル「還元水の健康効果に関する先端研究」
試験管内試験、細胞試験、動物試験等の結果から示唆された多様な潜在的効果として、抗酸化、抗糖尿病、抗老化、抗腫瘍、抗動脈硬化、抗神経障害等が紹介されている。また、白金ナノ粒子が微量含まれていることと白金ナノ粒子が活性酸素除去効果を示したことも記載されている。
▼詳しくはこちら
https://www.nihon-trim.co.jp/research/966/
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(2):PLoS ONE (2017) 12 2  e0171192(九州大学-東京大学-日本トリム共同論文)
和訳タイトル「電解水素水は同水素濃度の水素水に比べ HT1080 細胞の細胞内活性酸素消去能力が強い」
電解水素水の抗酸化効果は、水素分子だけでなく他の活性成分があることが示唆されている。その候補としては、電解強度に依存して増える白金である。
▼詳しくはこちら
https://www.nihon-trim.co.jp/research/971/
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▼プレスリリースはこちら
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