トリム・ミズラボ 寝起きの頭痛は水分不足が原因?タイプ別の原因と対処法を解説 | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム
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「頭が痛いので会社を休みます」。上司にこのセリフを言える日本のサラリーマンは、一体どれくらいいるのでしょうか。大抵の場合、頭を抱えながらも頑張って出勤し、頭痛薬と根性でその日を乗り切るのが、日本社会の通例ではないでしょうか。

こういった努力を否定するわけではありませんが、頭痛は時として、危険な病気の前ぶれや症状をあらわしていることがあります。無理に耐えたり、自己流の治療を施したりするのは危険です。特に、今まで感じたことのない頭の痛みに見舞われた人は、できるだけ早い段階で、ご自身の頭痛についてしっかりと調べておいた方がよいでしょう。

国際頭痛学会の「国際頭痛分類(第3版)」には、数百種類の頭痛が記載されています。これら全ての頭痛を調べて、ご自身の頭痛と照らし合わせるのは非現実的なことですが、大まかな分類だけでも知っておけば、診察を受ける際にも役立ちます。

今回は頭痛の大まかな分類と、「寝起きの頭痛(起床時頭痛)」の種類について、代表的なものをいくつか解説していきたいと思います。

頭痛は大きく2つに分類される

国際頭痛学会の「国際頭痛分類(第3版)」では、頭痛は367種類あるとされています。そして、これら367種類の頭痛を大きく分類した場合、「一次性頭痛」と「二次性頭痛」とに分けられます。

まずは、この2つの分類を押さえておくことで、頭痛に対する大まかな理解が得られると思います。それでは、さっそく見ていきましょう。

一次性頭痛(機能性頭痛・非器質性頭痛)

一次性頭痛とは、頭痛の原因となる疾患が特定できない頭痛の総称です。一次性頭痛の代表例としては「片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛」などが挙げられます。

これらの頭痛の見極めは、CT、MRI、レントゲン、採血などの検査によって、二次性頭痛の可能性が否定された後になされることになります。つまり、まずは二次性頭痛かどうかを確認し、その可能性がない場合に一次性頭痛のいずれかの頭痛の可能性を探るという流れです。

片頭痛

月に1~2回、多いときには週に1~2回の割合で、繰り返し起こる発作性の頭痛。誘因は人それぞれで、遺伝・食品・ストレス・ホルモンバランスなどが考えられます。

10~20代の若い女性に多くみられる頭痛(男性の3倍以上)で、主に頭の片側に脈打つような痛みがあります。痛みの程度はまちまちで、吐き気を催したり、音や光に敏感になることもあります。

前ぶれとして「閃輝暗点(せんきあんてん)」という、視野の中心にチカチカした光の点やギザギザした線がみえることもあります。

緊張型頭痛

毎日連続的に起こる持続性の頭痛。誘因は対人関係などの精神的ストレスや、同じ姿勢を続けるなどの身体的ストレスが考えられます。それらのストレスによって、首周りの筋肉が収縮して「こり」が起こり、それが神経を圧迫することで引き起こされると考えられています。

発症の比率に性別的な差異はありませんが、比較的中高年に多く、慢性頭痛の約70%が緊張型頭痛という報告もあります。

頭全体をきつく締めつけられるような痛みがあり、それに伴って、肩や首筋のこり・目の疲れなども感じることが多いようです。 

群発頭痛

群発地震のように、ある一定期間(群発期)に集中して起こる頭痛。頭部の血管の拡張と炎症に関係があるとされていますが、はっきりとした原因はまだ解明されていません。

男性に多くみられる頭痛(女性の4~5倍)で、発症すると「半年から2~3年に一度」の頻度で繰り返され、いつも決まった時間に痛みます。

主に頭の片側部分(眼・眉・こめかみ)に、えぐられるような激しい痛みがあり、「じっとしていられないほどの痛み」または「のたうち回るほどの痛み」と表現されることもあります。

二次性頭痛(症候性頭痛・器質性頭痛)

二次性頭痛とは、頭痛の原因となる疾患が特定できる頭痛の総称です。原因となる疾患の数はかなり多くありますが、代表的なものとしては次のようなものが挙げられます。

【代表的な原因疾患】
・くも膜下出血
・脳出血
・脳梗塞
・脳腫瘍
・髄膜炎
・モヤモヤ病
・頸動脈海綿静脈洞瘻

二次性頭痛の場合、命に関わる原因疾患が隠れている可能性が多くあります。次のような頭痛や随伴症状がみられる場合には、できるだけ早く受診するようにしましょう。

【すぐに受診すべき頭痛】
・突然の激しい頭痛
・これまで経験したことのない頭痛(痛みの強さ、パターン)
・慢性化し、悪化傾向にある頭痛
・目まいや嘔吐を伴う頭痛
・高熱を伴う頭痛
・視覚になんらかの異常を伴う頭痛
・意識障害や手足のマヒ、ボケの症状を伴う頭痛
・平衡感覚の異常を伴う頭痛
・言語障害や記憶障害を伴う頭痛
・頭を揺らしたり、いきんだ時にひどくなる頭痛

寝起きの頭痛には、どのようなものがあるか?

一日の始まりである朝、できれば健やかに目覚めたいものです。しかし人によっては、朝に限って頭が痛む場合もあるようです。寝起きの頭痛にはどのようなタイプがあるのでしょうか?それぞれ見ていきましょう。

低髄液圧性頭痛

低髄液圧性頭痛は、脳や脊髄を浸している「髄液」の圧が低下することによって発症する頭痛です。髄液圧が低下する理由は分かっていませんが、低血圧の人に多く見られる頭痛であることから、血圧と深い関係があると推測されています。

症状は起き上がってしばらくすると痛みはじめ、それと同時に目まいを伴う場合があります。起床後5~30分で痛みがピークに達し、その後は若干おさまるものの、午前中はずっと痛みが続きます。そして午後から夜にかけて、だんだんと痛みがおさまっていきます。

治療法は「薬物療法・点滴療法・外科的療法」がありますが、普段の生活における改善や工夫によって、頭痛を軽減できるケースも多いようです(診察が不要ということではありません)。

「生活療法」としては、水分や塩分を通常よりも少し多く摂取して血圧を上げたり、血液の循環量を増やすと髄液圧も上昇します。また、ベルトを少しきつめに締め、腹圧を高めることも有効的だと言われています。

脳腫瘍による頭痛

脳腫瘍は、いわゆるガンの一種です。他の部位にできたガンが転移して脳腫瘍となる場合と、最初から脳にできる場合があります。

早朝の頭痛が特徴とされ、吐き気や嘔吐をともないます。ただし、この頭痛は寝起きに痛くなるというよりも、早朝に「痛くて目が覚める」タイプの頭痛です(群発頭痛も同タイプ)。頭痛は発症から一か月以内にどんどん悪くなっていき、頭痛のほかにもマヒや複視、痙攣などをともないます。

この頭痛が現れた時には、すでに腫瘍がかなりの大きさになっていることが多いようですので、初期症状として捉えていると大変なことになります(まれに頭痛が初期症状として起こることもあります)。

脳腫瘍の場合、頭痛が起きる前に「体のふらつき・意識障害・聴覚や視覚の異常・判断力の低下」などの症状が現れることが多いので、そういった症状が現れた時点で、脳腫瘍の可能性を考慮する必要があります。

治療としては、腫瘍を切除することが望ましいのですが、腫瘍の大きさやどこにできているかによって、外科手術の能否が決定します(外科手術ができない場合には、レーザー治療などもあります)。

睡眠時無呼吸症候群による頭痛

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、呼吸が浅くなることで、体が低酸素状態に陥る病気です。睡眠中に十分に呼吸ができないと、体内に炭酸ガスがたまり、血管が拡張して頭痛を起こします。睡眠中にいびきをかき、早朝に頭痛が起こる場合は、睡眠時無呼吸症候群になっている可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群には大きく2種類あります。口や鼻から肺に続く空気の通り道が、細くなるために発生する「閉塞型」と、脳の呼吸調整機能が低下するために発生する「中枢型」です。

ほとんどの場合は「閉塞型」であることが多いようですが、この閉塞型の原因としては、副鼻腔炎(蓄膿症)や太り過ぎが挙げられます。

無呼吸時には眠りが浅くなりますので、睡眠不足で昼間に居眠りをするようになります。放置すれば「不整脈・高血圧・心不全・脳血管障害・突然死」の原因にもなりかねません。「いびきをかいている」または「呼吸が止まるときがある」と他人から指摘された人は、できるだけ早く、耳鼻咽喉科または呼吸器科の診察を受け、ダイエットにも取り組みましょう。

週末頭痛

平日は猛烈に働き、休日は昼過ぎまでたっぷり睡眠。これで体は回復しているとおもいきや、逆に頭がガンガンして起きられない。このような経験をした覚えはありませんか?週末になると決まって起こるこのような頭痛を「週末頭痛」といいます。

平日に続いていた緊張感が休日で解放されたとたん、それまで収縮していた血管が一気に拡張して痛みを引き起こしているのです。

週末頭痛は、平日と休日の生活リズムにギャップがあるほど起こりやすくなります。緊張とリラックスの差をできるだけなめらかにすることが大切ですので、休日であってもあまりノンビリしすぎるのはよくありません。特に睡眠や食事の時間は、休日も平日と同じ時間量やタイミングで揃えておくようにしましょう。

寝具による緊張型頭痛

枕が高すぎると睡眠中ずっと首の筋肉に負担がかかり、それが「こり」となって、緊張型頭痛を引き起こすことがあります。

今までずっと同じ枕を使っていて問題がなかったとしても、体力の低下や疲労の蓄積などによって負担に耐えられなくなり、頭痛を発症する場合があります。また、もともと首が細い人や猫背気味の人なども枕の影響で頭痛が起こる場合があります。

バスタオルなどを枕代わりにして高さを調整することで、首の負担がだいぶ緩和されるはずです。また、それによって自分の首に適した枕の高さが分かりますので、枕を新調する際にも役立ちます。

枕の他に、ベッドのマットレスも緊張性頭痛の誘因となる場合があります。自分の体に合っていない、または何年も使用してヘタれてしまっているような場合には、新たに購入する必要があるかもしれません。

睡眠中の脱水(熱中症)による頭痛

「脱水」や「熱中症」への注意喚起は、夏場の日中によく耳にします。しかし、これらへの注意は日中だけではなく、夜間においても必要です。なぜなら人は、睡眠中にも汗や呼気などからかなりの水分を失っているからです(ある研究結果によれば、29℃前後の環境下で約8時間の睡眠をとった場合、約500mLの水分が失われると言われています)。

脱水が進み、熱中症になると「頭痛・めまい・意識障害・けいれん」といった症状が、重症度に応じて現れるようになり、最悪の場合には死に至る可能性もあると言われています。もちろん、日中に比べて夜間の気温はいくらか低いため、熱中症のリスクや重症度は、比較的低いと言えるかもしれません。

しかし幼い子供や高齢者の方は、体温調節機能が未発達または低下していることが考えられる為、夜間であっても特に注意が必要です。睡眠前にはしっかりと水分補給を行って、脱水や熱中症から身を守り、健やかな朝を迎えましょう。

その他の「寝起きの頭痛」

寝起きのタイミングで起きる頭痛には、上記の他に次のようなものが挙げられます。不摂生が原因で発症している頭痛に関しては、生活習慣の改善が必要です。

・高血圧による頭痛(モーニングサージ)
・群発頭痛
・二日酔いによる頭痛
・スマホやPCのブルーライトによる頭痛
・寝不足による頭痛 等

さいごに

頭痛のタイプを見極めるには「痛みの性質・痛む部位・痛みの現れ方・痛みの時間経過・随伴症状など」を分析することが重要です。こういった分析をサポートするツールとして「頭痛ダイアリー」というアプリやフォーマットが有名です。これは、ご自身が頭痛の経過や傾向を把握しやすくする為だけのものではなく、医療機関(神経内科や脳神経外科など)での問診票の記入や、情報提供などにも大いに役立ちます。ぜひ活用してみて下さい。

                                                    <参考文献>
日本頭痛学会「国際頭痛分類第3版(ICHD-3)日本語版」
(https://www.jhsnet.net/kokusai_new_2019.html)
桑名眼科脳神経クリニック「片頭痛 -診断- – 脳疾患を知る -」
(https://kuwana-sc.com/brain/159/)
独立行政法人国立病院機構 近畿中央呼吸器センター「睡眠時無呼吸症候群」
(https://kcmc.hosp.go.jp/cnt0_000236.html)
昭和西川株式会社「要注意!睡眠時の熱中症」
(https://www.showanishikawa.co.jp/nemurinoohanashi/2020/07/000158.html)
書籍「健康百科 読む人間ドック 危ない現代病30 5頭痛」集英社 出版
書籍「「頭痛くらい」で病院へ行こう」清水俊彦&水沢アキ 共著
書籍「慢性頭痛とつきあう法」寺本純 監修
書籍「やさしい頭痛の自己管理」間中信也 著