活性酸素ってなに?(後編) | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

活性酸素ってなに?(後編)

体内に備わる抗酸化機構

私たちの体には、活性酸素を無毒化する「スカベンジャー(抗酸化物質)」と呼ばれる酵素を作る仕組みが備わっており[※1]、この仕組みは「抗酸化機構」などと呼ばれています[※2]。

抗酸化機構で作られる代表的なスカベンジャーは、以下のとおりです。
① SOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)
② カタラーゼ
③ グルタチオンペルオキシダーゼ

①のSODは、活性酸素の一つである「スーパーオキサイドラジカル」を二分子変換して、過酸化水素と酸素に変えます。そして、カタラーゼとグルタチオンペルオキシダーゼは、この過酸化水素を分解し、水と酸素に変換します(無毒化する)。これによって、高い反応性を持つ活性酸素であるヒドロキシルラジカルの生成を阻止しています。

残念ながら、活性酸素(前編で既述した4種類)のうち、一番毒性の強い「ヒドロキシルラジカル」と、その次に毒性の強い「一重項酸素」に効く体内酵素は、存在しないと言われています。

さらに困ったこととしては、スカベンジャーを作る能力は、20~25歳をピークに下降し始め、40歳を過ぎると急速に低下するとも言われています。

SODに関しては、すでに注射剤のSOD製剤が開発され効果をあげています。しかし、毎日注射を打つわけにもいきませんので、体外からファイトケミカルやビタミン、ミネラルなどの抗酸化物質を摂取することが、現実的な対抗策として有効と考えられています。

※1. スカベンジャーとは「掃除をする人」という意味があります。
※2. 「抗酸化防御機構」や「抗酸化酵素システム」などと呼ばれることもあります。広義には、スカベンジャーを作るだけではなく、傷を修復したり、失ったものを再生したり、スカベンジャーを必要な時、必要な場所に運ぶ機能などを含んでいることもあります。

摂取できるスカベンジャー(抗酸化物質)

上記でも説明した通り、体内で作られるスカベンジャーには「活性酸素除去能の限界」や「加齢による産生能力の低下」といった問題点があります。また、現代環境の悪化(環境汚染など)が体内の活性酸素の産生を促進しているという背景も考慮すれば、プラスアルファのスカベンジャーを体外から摂取(補充)していくことは、もはや必須といってもよいでしょう。

体外から摂取すべき有用なスカベンジャーには、下記のようなものが挙げられます。

・ビタミンA
・ビタミンC[※] 
・ビタミンE
・ユビキリン(コエンザイムQ10)
・ビリルビン
・フェリチン
・メタロチオネイン
・トランスフェリン
・尿素
・血清蛋白質(セルロプラスミンなど) など

上記の他に、一般的な食事から摂取できるスカベンジャーとして知られているものには「ファイトケミカル」が挙げられます。ファイトケミカルとは、植物が紫外線や害虫などから自らを守るために作り出す機能性成分の総称で、植物の色素や香りなどを構成している成分です。

代表的なファイトケミカルとそれを含む食品は、以下の通りです。

【ポリフェノール】
・アントシアニン [赤ワイン、ブルーベリー] 
・イソフラボン [大豆] 
・セサミン [ゴマ] 
・カテキン [お茶] 

【含硫化合物(イオウ化合物)】
・アリルイソチオサシアネート [わさび、からし] 
・アリイン [ニンニク] 
・スルフォラファン [ブロッコリー] 

【カロテノイド】
・β-カロテン [ブロッコリー、ほうれん草、ニンジン] 
・リコピン [スイカ、トマト] 
・アスタキサンチン [鮭] 

【糖関連物質】
・グルカン [キノコ類] 
・フコイダン [海藻類] 
・ペクチン [リンゴ] 

【アミノ酸関連物質】
・グルタチオン [アスパラガス] 

【香気成分】
・オイゲノール [バナナ] 
・リモネン [柑橘類] 
・ジンゲオール [しょうが] 

また、SODを体内で作るための材料となるものにはミネラルが挙げられます。とりわけ次の4つはSODを作るために不可欠なミネラルと言われています。
・マンガン
・銅
・鉄
・亜鉛

※. 加工食品の原料として使用されているビタミンCの多くは化学薬品である「アスコルビン酸」です。活性酸素を除去しないどころか、逆に活性酸素を発生させてしまうことになります。

活性酸素を「選択的」に除去する水素

本項の「選択的」という文字に?マークが浮かぶ人も多いと思いますが、それについての説明は先に述べた内容を復習してから詳しく話していこうと思います。

本記事(前編)の項「活性酸素の種類」では、活性酸素にはいくつかの種類があり、その中でもとりわけ「ヒドロキシルラジカル」が凶悪であるということをお話しました。また「活性酸素には良い点もある」の項では、活性酸素は「すべてが極悪人というわけではない」というお話をしました。活性酸素は種類によって、それぞれ害悪のレベルやその働きに違いがあるのです。

比較的体への害が少なく、有用な働き(血管を作ったりウイルスを殺すなど)をする活性酸素のことを「善玉活性酸素」といいます。一方、細胞や遺伝子を傷つける「ヒドロキシルラジカル」のような凶悪な活性酸素のことを「悪玉活性酸素」といいます。

【善玉活性酸素】
・スーパーオキサイドラジカル
・過酸化水素   

【悪玉活性酸素】
・ヒドロキシルラジカル
・一重項酸素

前項「体内に備わる抗酸化機構」では、悪玉活性酸素であるヒドロキシルラジカルと一重項酸素は、体内酵素では除去することができないとお話しましたが、それを可能にする物質があります。それは「水素」です。水素は、善玉活性酸素は除去せず、悪玉活性酸素だけを「選択的」に除去することができる非常に優れた物質なのです。

先に説明した通り、抗酸化除去能がある物質は水素以外にもたくさんありますが、この「選択的に悪玉活性酸素を除去する」という性質をもった物質は、水素の他にはほとんどありません。

また、ビタミンCやビタミンEと比較した場合、効果を発揮できる場所(部位)にも制限がありません。

ビタミンC
水溶性のビタミンCは、脂質で覆われる細胞膜で働くことができる。

ビタミンE
脂溶性のビタミンEは、水分が多い細胞内で働くことができる。

水素
水素のサイズは細胞内にあるミトコンドリアの約1万分の1なので、体中どこでも働くことができる(脳や卵子といった異物を受け入れない部位であっても入り込むことができる)。

さらに、良い点としては、水素を摂り過ぎても体はダメージを受けません(正確には摂り過ぎることができません)。たとえば、スカベンジャーの中には摂り過ぎると体に蓄積してダメージを与えるものもあります(ビタミンEなど)。それに対し、水素は体に蓄積することがありません。皮膚を通り抜けて体外へ放出されたり、オナラとして体外に排出されるのです。もしも体内に悪玉活性酸素がなければ、除去能を発揮しないまま体外に放出されますので、副作用の心配をしなくていいのも大きなメリットといえるでしょう。

水素を摂取する方法はいくつかありますが、しっかりと手軽に摂取したい場合には「水素水の飲用」がその一つに挙げられます。ただ、水素水といっても、スティックタイプのものや、サーバー、整水器など、様々な飲用スタイルがありますので、それらでお悩みの方はぜひ以下の記事を参考に選んでみて下さい。
【水素水を4つのポイントで比較!】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/13462/

さいごに

若さと健康を保つには、生活の中で活性酸素をいかに除去するかが大きなポイントになります。私たちは、自分自身の年齢や生活環境、生活リズム、食生活などを今一度ふりかえってみる必要があるのかもしれません。そして、願わくは一時的な健康習慣で終わらせるのではなく、毎日の当たり前の習慣として「活性酸素対策」を取り組んで頂きたいと思います。


参考文献

水素吸引屋ICHI「活性酸素の種類と水素吸引」

https://suiso-ichi.jp/blog/detail/20200923201404/

つくし座クリニック 「水素療法」

https://tsukushiza-clinic.com/hydrogen.html

Nature Medicine(volume13, pages688–694 (2007))「Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals」

https://www.nature.com/articles/nm1577

書籍「食事を変えれば病気は治る」鶴見隆史&神崎夢風 共著

書籍「水素水でキレイになる!健康になる!」学研プラス 出版

書籍「活性酸素病 治る治る有用植物の神秘」伊藤隆太 著

書籍「美しく老いるサイエンス」角川書店 出版

書籍「食と生活習慣病―予防医学に向けた最新の展開」昭和堂 出版

書籍「羅漢果シュガーレス・クッキング」千頭一生 著

書籍「この健康食品に騙されるな!!」鍵山安男 著