冷え性の人必見!冷えの原因と改善法について | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

冷え性の人必見!冷えの原因と改善法について

「手足の先端がいつも冷えていて、体全体もなかなか温まりにくい──」
「就寝時には、靴下をはかないと眠れない──」

冷え性によって、女性の多くがこのような症状に悩まされています。

しかし、長期にわたってこのような症状に悩まされていても「重篤な病気ではない」という理由から、放置している人も多いようです。
確かに、冷え性は熱いお風呂に入ったりヒーターなどで体を温めると一時的に症状が治まることもあるため、ついつい放置しがちです。

しかし、医療の分野ではガンや心疾患、脳血管障害といった大病の根源には、冷え性があるのではないかという見方もあり、ないがしろにすることはできません。
冷え性を大病の予兆(サイン)として捉えるならば、なるべく早くに改善した方が良いと言えます。

この記事では、冷え性の原因と改善方法を解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

冷え性の原因とは?

冷え性の原因として、よく知られているのは「冬の寒さ」や「夏の冷房」ではないでしょうか。
確かに、これらが原因となって冷え性が引き起こされるケースはよくあります。

しかし、必ずしもこの2つだけが冷え性の原因になるわけではありません。
これらの他には、どのようなものが冷え性の原因になるのでしょうか。
それぞれ見ていきましょう。

原因①:ストレス

私たちの体は、ストレス過多の状態が長く続くと、自律神経のバランスが崩れて体温調整が上手くできなくなります。
自律神経とは、意識と関係なく自律的(自動的)に体の機能をコントロールしている神経系のことで、内臓の働きや代謝、体温調整などは、この神経系によって24時間(寝ている間も)コントロールされているのです。
また、自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つに分かれ、通常はこれらの神経系が互いにバランスをとり合いながら、体の状態を調節しています。

交感神経
・体を活発に動かしているときや緊張状態にあるときに働く神経系
・血管を収縮させ、心拍数を上げ、血圧を上昇させる

副交感神経
・体を休めているときや、リラックス状態にあるときに働く神経系
・血管を拡張させ、心拍数を下げ、血圧を下降させる

例えば、会社で受けたストレスを自宅に帰ってもずっと引きずっていると、体は常に緊張状態にあり、交感神経が働き続けることになります。
そうなると、血管はずっと収縮したままになりますので、それによって温かい血液が体の末端にまで行き渡らず、手足などに冷えを感じることになるのです。

原因②:ホルモンバランスの乱れ

女性はライフステージによって「月経・出産・閉経」といった大きな体の変化があり、それによってホルモンバランスが乱れやすい傾向にあります。
ホルモンバランスの乱れは、自律神経にも影響を及ぼし、それによって血行不良が生じて、体に冷えを感じることがあります。

また、男性であっても更年期になれば、ホルモン量が減少[※]しますので、それによってホルモンバランスが乱れて、冷えを感じることがあります。

※. 女性は、女性ホルモン「エストロゲン」の減少。男性は、男性ホルモン「テストステロン」の減少

原因③:少ない筋肉量と運動量

筋肉は運動することでたくさんの熱を産生しますが、実はじっとしていても基礎代謝によってそれなりの熱を産生しています。
つまり筋肉量が多ければ多いほど、そして運動量が多ければ多いほど、熱の産生量も多くなるというわけです。
また、筋肉には血液を体内に循環させるポンプの役割もあるため、収縮させることにより、血行が良くなって体は温められます。

しかし、加齢によって筋肉量が減少したり、リモートワークやデスクワークなどによって運動量が不足すると、熱の産生量が少なくなり血行も悪くなるため、体に冷えを感じやすくなります。
特に女性は男性よりも筋肉量が少なく、ポンプの力も弱いため、体が冷えやすい傾向にあります。
さらには、ダイエットによる食事制限(偏食や欠食)が原因で、十分なタンパク質を摂取できずに筋肉量を減少させてしまっているケースもよくありますので、注意する必要があります。

原因④:乱れた生活習慣

夜遊びや深夜残業などによる睡眠リズムの乱れ、そして偏食や欠食、不規則な食事の時間帯といった食生活の乱れ。   
このような生活習慣全般の乱れは自律神経のバランスを崩しますので、冷え性の原因になります。

また、近年の住宅は断熱性や気密性が向上しているのに加えて、備え付け冷暖房機器の性能も向上していますので、私たちは冬の寒さや夏の暑さを感じる機会が減りつつあります。
こういった「甘えた環境」に完全に順応してしまうと、もともと体に備わっている体温調節機能が低下(退化)して、それが冷え性につながることも考えられます。

原因⑤:不適切な服装

「防寒用の服はシルエットが膨らんで、見た目が悪くなる──」
このような理由から、冬であっても薄めの服を着たり、人によっては肌の一部を露出させるようなものを着ることがあるようです。
冬にそのような服を日常的に着ていると当然ながら体が冷えて、冷え性を招くことになります。
また、夏であっても「ヘソだしルック」と呼ばれるような、腹部を露出させた服装を日常的に着ていると「内臓型の冷え」を招く場合があります。

そして、意外に見落としがちなのが足元です。
たとえばサンダルなどを習慣的に履いている人も、足元から冷えを招くことになりますので、夏場であっても飲食店や映画館など、冷房の効いた場所にいく際には、シューズを履いていくことをオススメします。

冷え性を改善する方法

何かとやっかいな冷え性ですが、改善方法は意外と簡単なものばかりです。
ぜひ以下の方法を参考にして、取り組んでみて下さい。

半身浴(腰湯)を行う

半身浴とは、湯船の中に座った状態で、みぞおちから下をお湯に浸ける入浴方法です。
やや低めの温度で、20~30分間入浴します。

【お湯の温度(目安)】
夏 ── 38度くらい
冬 ── 40度くらい

ぬるいお湯に時間をかけて浸かることで、副交感神経が優位になって血行や代謝が良くなります。
冬場の半身浴は肩が冷えるので苦手だという人は、ポリエチレンのゴミ袋をかぶって首だけを出せば、肩の寒さは気になりませんし、ちょっとしたサウナ気分も楽しめます。
20~30分間入浴したら、いつものように髪や体を洗って、最後は追い炊き等をして好みの温度で入浴し直して下さい。

体から大量の汗が出ますので、しっかりと半身浴を行なった後は水分補給も忘れずに行っておきましょう。

腹式呼吸を行う

自律神経がコントロールしている機能のうち、唯一、私たちが関与できるのが「呼吸」です。
正しい呼吸を行えば、自律神経をある程度コントロールすることができますので、乱れてしまった自律神経の改善にも役立ちます。

呼吸は「吸う時は短く早く、吐く時は長く遅く」するのがポイントです。
その理由は、吸う時に交感神経が刺激され、吐く時に副交感神経が刺激されるからで、吐く時間をより長くすることで副交感神経を優位に働かせることができるのです。

日常、私たちは様々なストレスなどによって、交感神経が優位な状態に傾きやすくなっています。
しかし、深い呼吸を行って副交感神経を働かせれば、バランスの偏りが調整されて、内臓や汗腺の働きが正常化し、体も温かくなってくるのです。

こういった呼吸法は、太極拳やヨガ、気功法などで深く学ぶことができるかもしれませんが、基本的な呼吸法であれば以下のやり方でも行うことができます。

【自宅でも行える腹式呼吸】
① 正座もしくはイスに座った状態で、力を入れずに背筋を伸ばす
② 口元や眉間を脱力させる(眉間の緊張は、両目の端でモノをみるようにすれば脱力できる)
③ 背骨を伸ばすようなイメージを持ちながら鼻から息を吸い、2~3秒息を止める
④ ゆっくりと鼻または口から息を吐く(鼻や口から煙を「漏らす」ようなイメージで行う)
⑤ これを15回ほど繰り返す

インナーを重ねばきする

月経不順や月経痛、月経前緊張症などに悩まされる女性は多く、また、膣炎や膀胱炎、子宮筋腫、子宮内膜症に苦しむ人も増えつつあると言われています。
こういった病気の多くは、下半身の冷えが原因となっていることが多いようです。
女性の場合、インナーは「パンツ1枚+ストッキング1枚」の組み合せにしている人が多いようですが、下半身の冷えを予防するのであれば、次のような組み合わせがオススメです。

【オススメのインナーの組合せ(①~④の順で重ねばき)】
① パンツ
② スパッツ(太ももまでの長さ)
③ ロングスパッツ(足首までの長さ)
④ 靴下

これだけ重ねばきをすると、冬であってもムレてしまいそうですが、①~④の素材を吸湿性と速乾性に優れた「絹」にすれば、ほとんどムレを感じることはありません。
もちろん、人によって体感は異なりますが、夏であっても重ねばきをしている方が爽快だと感じる人もいるようです。
冬の屋外や夏の室内冷房など、長時間冷気にさらされるような環境にいる人は、アウターだけではなくインナーにも配慮をして、下半身の冷えを予防しましょう。

ちなみに「ガードル」はスパッツと似ているため、同じように冷えを予防してくれると思われがちですが、商品によっては血流を悪くして逆に体を冷やしてしまうことがありますので、注意した方がよいでしょう。

「5分間歯磨き」を行う

副交感神経を優位にするという意味では、念入りな歯磨きもその方法の一つと言えます。
ある実験によると、歯と歯肉を5分間刺激(歯磨き)すると副交感神経が優位になり、末端の皮膚温(指先皮膚温)が上昇したという報告がされています。
また、次の5つの気分評価においても明らかな向上が見られたということから、歯ブラシがストレスケアとしても有効であることがうかがえます。

【気分評価】
・緊張 - 不安
・抑うつ - 落ち込み
・怒り - 敵意
・疲労
・(精神的)混乱

副交感神経が優位な状態で分泌される唾液はサラサラとしていて、酵素(アミラーゼ)を多く含んでいます。
このような「良い唾液」がいったん口腔内に分泌されると、さらに副交感神経が刺激されて「良い唾液」の分泌がより促進されることになるのです。
就寝前にはゆっくりと歯磨きを行って、副交感神経を優位な状態にしてから、お休みになられることをオススメします。

さいごに

冷え性は体調だけではなく、美容にも悪い影響を与えます。
冷え性(血行不良)の状態になると、ターンオーバー(お肌の新陳代謝)が遅くなり、その結果、角層が厚くなって顔色が悪くなったり、うるおい成分が不足してシワやたるみができることがあります。
また、メラニン色素が肌にたまりやすくなるため、シミができてしまうこともあります。
さらに、血管が収縮しているとリンパの流れも悪くなるため、肌がくすんだり、目の下にクマができることもあります。

つまり、冷え性を改善すれば、現在抱えている体の不調や、将来起きうる疾病リスクが軽減されるだけではなく、お肌の調子も良くなるというわけです。
冷え性の改善は「一石二鳥」ならぬ「一石三鳥」ですので、できるだけ早く改善に向けて取り組まれることをオススメします。

▼おすすめ動画


参考文献

オムロン ヘルスケア「「冷え」は万病のもと。温かい体で冬を乗り切ろう」

https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/140.html

同友会メディカルニュース「男性にもある更年期障害とは」

https://www.do-yukai.com/medical/113.html

野田市ホームページ「身体の”熱”の発生源は筋肉」

https://www.city.noda.chiba.jp/kurashi/fukushi/hoken/1017562/1018185.html

東海大学|吉川政夫教授「口腔衛生と健康―歯磨きがもたらす心身のリラクセーション効果」

http://www.med.u-tokai.ac.jp/web/kenkouclub/yosikawa.pdf

ターザンウェブ「リラックスできない夜は「3分歯磨き」| 夜の自律神経メンテ術⑤」

https://tarzanweb.jp/post-247369?heading=1

ハウス食品「老化の原因にも!? 美と健康の大敵。冷え性を改善するための温活法」

https://housefoods-group.com/activity/e-mag/magazine/89.html

オルビス株式会社「リンパの流れを図解!正しいリンパマッサージでむくみを解消」

https://www.orbis.co.jp/archives/detail/247/

書籍「新自分で治す「冷え性」」田中美津 著

書籍「健康も、きれいも、自分でつくる からだの本Vol.03」オレンジページ 出版