むくみとは何か?むくみの症状や原因を知ろう | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

むくみとは何か?むくみの症状や原因を知ろう

「むくみ」に悩んでいるという方、多いのではないでしょうか?

夕方になると脚がむくむ…。朝起きたら顔がむくんでいた…。むくみは、美容にとってはもちろん、健康にとっても大敵。むくみが体の内側の状態を表す重要なサインでもあるのです。

むくみとは何か?どうして起こるのか?むくみを防ぐ、正しい水分補給の仕方は?むくみについての基礎知識をまとめました。

むくみとは?

「むくみ」とは、そもそもどのような状態を言うのでしょうか?

むくみは、肥満とは違います。肥満が体の脂肪の割合が増加した状態を指すのに対し、むくみは体の水分の割合が増加して皮膚の下に溜まっている状態を言います。

「むくみ」の症状は、夕方になると靴がきつくなる、朝に比べて脚がパンパンになるなど、下半身に現れることが多いです。そのほか、朝起きたときにまぶたが腫れている、顔がふくらんで見えるなどといったものもあります。

むくみかどうかを確認する方法として、該当する箇所を10~20秒指で押さえてみてください。指をはなしたときに指の形にくぼみができるようであれば、それはむくみの可能性が高いです。

そのほかの症状として、だるい、重い、疲れを感じるなどといったものもあります。

むくみが起こる仕組み

では、むくみはどのようにして起こるのでしょうか?

私たちの体の中の水分は、細胞内にあるもの(細胞内液)と、細胞外にあるもの(細胞外液)とに分けることができます。体内の水分のうち3分の2ほどが細胞内液、残りが細胞外液であると言われています。

細胞外液には、血しょう(血液のうち血球と血小板を除いたもの)、リンパ液、そして細胞間液の3つがあります。心臓から送り出された血液は動脈を通って酸素や栄養素を体のすみずみまで届け、代わりに不要となった老廃物や二酸化炭素を回収し静脈を通って心臓に戻るという仕組みになっています。

このとき、血管と細胞の間で栄養素や酸素、老廃物や二酸化炭素の受け渡しを行っているのが細胞間液です。

リンパ液は、老廃物などを含んだ細胞間液を静脈へ戻すという働きを担っています。

この一連のメカニズムに何らかの狂いが生じたときに起こるのが、むくみ。具体的には、

  • 動脈から細胞間への水分の流入が多くなる
  • 細胞間からリンパ液、静脈への水分の回収が鈍る

などといった場合に、むくみが生じることになるのです。

このようにむくみには血液循環のトラブルが関係していることから、疲れやだるさといった症状を伴うことが多いと言われています。

むくみの原因

むくみが起こる原因は、病気によるものと、一過性のものとの大きく2つに分けることができます。

病気が原因となって起こるむくみ

むくみの原因となる病気としてもっとも多く挙げられるのが、腎臓に関係するものです。

腎臓は体内の水分が過剰になれば尿の量を多くし、体内の水分が減少すれば尿の量を少なくして、水分量を一定に調整する役割を担っています。しかし腎臓の障害によってこの機能が正常に働かなくなると、体内の水分量のバランスが崩れ、むくみが生じやすくなるのです。

具体的には、腎不全やネフローゼ症候群などの病気があります。

そのほかにも、肝硬変、心不全、甲状腺機能低下などといった病気がむくみの原因になっていることもあります。

むくみが数日間経っても治らない、下半身や顔だけではなく全身に生じているなどといった場合には、念のため医療機関を受診するなどした方が良いかもしれません。

一過性の原因によるむくみ

一方多くの人が悩まされる脚や顔のむくみは、一晩寝れば治ってしまうような一過性のものがほとんどです。その原因としては次のようなものが挙げられます。

長時間にわたる同じ姿勢

立ち仕事やデスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっていると、血液の循環が悪くなり、血管から細胞間への水分の流入が多くなったり、細胞間から血管への水分の回収が悪くなったりして、細胞間液が過剰になってしまうのです。

また、重力の関係で水分が下半身に溜まりやすく、脚にむくみが生じやすくなります。

下着などによる締め付け

下着などによって体が締め付けられている場合にも同様に、血行不良によるむくみが起こりやすくなります。

塩分過多

塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、体はナトリウム濃度を下げるために水分を多く取り込もうとします。そして体内の水分量が増加し、むくみとなって表れることがあります。

女性

男性に比べ、一般的に女性の方がむくみやすいと言われます。

女性は月経前になるとホルモンの関係で水分を体内に溜め込もうとするほか、血液(静脈)を心臓に向かって押し上げる筋肉の力が弱いため、血液の循環が滞りやすいということがあります。

冷え

冷えもまた、血液の循環を悪くし、むくみを引き起こす原因となります。夏場にエアコンなどで体を冷やしすぎたり、冷たい飲み物を摂りすぎたりすると、体が冷えてむくみが生じやすくなります。

このほかにも、ストレスや飲酒、運動不足、ダイエットによる食事制限などもむくみの原因になると言われています。

水分の摂り方

むくみには水分の摂り方が大きく影響します。むくみを気にして水分補給を控える方も多いかもしれませんが、これは逆効果です。体内の水分が不足すると、体が水分をため込もうとして余計にむくんでしまうことがあると言われています。

とは言え、一度に大量の水分を飲めば当然むくみやすくなります。むくみを予防するためには、少量ずつこまめに水分補給を行うことが大切です。

まとめ

では最後に、むくみと水分の関係についてまとめておきたいと思います。

  • むくみとは体内の水分量が増加し、脚や顔の腫れなどとなって表れるものを指す
  • 血液循環の低下などにより、細胞間に水分が蓄積することでむくみが生じる
  • むくみの原因には、長時間の同じ姿勢、下着などの締め付け、塩分過多、冷えなどがある
  • むくみを防ぐためには、適量、適時、適温、適した種類の飲み物で水分補給を行う必要がある

<参考文献>
藤田紘一郎監修 『ミネラルウォーターの処方箋』 日東書院本社
「足元スッキリ、むくみ対策!」全国健康保険協会
(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h27/270401)
「『健康のため水を飲もう』推進運動」厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html)