水道水のにおいや色が気になる?トラブルの原因と対策を解説 | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

水道水のにおいや色が気になる?トラブルの原因と対策を解説

日本の水道水は世界的に見ても水質が良いことで知られています。水道水に含まれる物質については基準値が設けられており、そのまま飲んでも健康上の問題が出ないよう安全性が確保されています。

しかし、水道水へのさまざまなリスクは存在しており、気温が上昇する夏場などで水道水のにおいや色に異変を感じたことがある方もいらっしゃるかもしれません。ほとんどは心配ないと思われますが、せっかくならより安心して水道水を使いたいですよね。

そこで今回は、水道水のにおいや色がおかしいときの原因や対策についてご紹介します。

水道水のにおいがおかしいときの原因と対策

蛇口をひねったときや水道水を飲むときに、においがおかしいと感じたことはありませんか?水道水のにおいは味にも大きく影響しますから、嫌なにおいはできる限り取り除きたいものです。

ここでは、よくある水道水のにおいのトラブルについて対策も交えて説明していきます。

カルキ臭(塩素のにおい)が強い

塩素は、水道水を殺菌消毒するために用いられています。塩素があるからこそ私たちは水道水を安心して使用できるのであり、水道法でも蛇口において0.1mg/L以上の塩素濃度が保たれるよう定められています。この量は摂取しても人体に影響のないものです。

しかし、水道水の塩素は鼻にツンとくるような独特のカルキ臭をもたらすことで知られています。そのまま飲むときはもちろん、飲み物や料理に使う場合にも、カルキ臭が味に影響を与えることがあります。一般的に、朝起きたばかりのときはにおいに対する感度が高いため、カルキ臭を感じやすいと言われています。また、衛生管理にとくに注意が必要な夏場は、投入される塩素の量が増えることからにおいも強くなる傾向があります。

<対策>
水道水中の塩素を減少させる方法としては、汲み置きや煮沸、レモン汁を入れるなどといったものが知られています。汲み置きする場合には、なるべく日光に当てて塩素を揮発させることが大切です。沸騰させるときは、やかんの蓋を開けて10分程度グラグラと沸かし続けましょう。なお、塩素を除去した水は菌が繁殖しやすいため、冷蔵庫で保管し、なるべく早く使い切るようにしてください。

カビ臭や墨汁のようなにおいがする

水道水の水源となる河川やダム湖で植物プランクトンや菌類が繁殖することにより、カビや墨汁のようなにおいが生じることがあります。とくに水温の上がる夏場にこうしたにおいが感じられることが多いと言われます。また、台風や大雨によって河川が増水した際には、水道水に土のにおいがつくこともあります。

<対策>
カビ臭や土臭があっても安全性に問題はないと言われていますが、しっかりと沸騰させた後よく冷やすことでにおいが気にならなくなります。

藻のようなにおい(青臭いにおい)がする

集合住宅のなかには、水道水を一度高置水槽(受水槽)に貯留してから各家庭へと配水しているところもあります。受水槽内の清掃が十分に行われていない場合、タンク内に藻が繁殖して独特のにおいを生じさせることがあると言われています。

<対策>
受水槽以降の設備や水質の管理は建物の所有者や管理者に任されています。もしお住まいの集合住宅で受水槽方式の給水が行われている場合には、管理会社ににおいの件について相談するようにしましょう。

金属臭(鉄や銅などのにおい)がする

水道管に鋼管などの金属が使用されている場合、長時間滞留した水道水へにおいが移ることがあります。とくに朝一番に使うときや長期間留守にした後にはこのような金属臭が感じられることが多いようです。また、受水槽の清掃が不十分であったり水道管の老朽化なども原因として考えられます。

<対策>
使い始めに2~3分ほど水を流し続けることでにおいが気にならなくなります。しばらく通水しても改善しないときはお住まいの地域の水道局に問い合わせてください。

油のような臭いがする

給水管の工事の際には少量の油やグリスが使われるため、工事後もまれにこれらのにおいが残っていることがあります。集合住宅の場合には、受水槽に油が混入していたり、近くで流された油が排水管を通じてにおうケースもあります。

<対策>
工事に伴うものであれば、時間の経過によって油のにおいはなくなります。長期間続く場合には給水管や受水槽が汚染されている可能性がありますので、水道局や管理会社に連絡をしてください。

シンナーや薬品のにおいがする

給水管の工事で使われる接着剤が原因で、水道水に薬品のようなにおいがつくことがあります。また、水道管が塩化ビニル管の場合、近くの土壌にまかれた農薬やシンナーのにおいが水道管に染み込んで水道水に影響を与えることもあると言われています。

<対策>
新築や改築に伴う工事が原因の場合には、時間の経過とともににおいはなくなります。改善しない場合にはその他の原因が考えられますので、水道局あるいは専門業者に問い合わせてください。

水道水の色がおかしいときの原因と対策

水道水は通常無色透明ですが、何らかの原因によって色が付いてしまうケースがあります。においの異常がある場合と同様、原因を見極めて適切に対処することが大切です。

赤茶色の水が出る

薄い赤色や濁った赤茶色の水(赤水)が出る場合には、老朽化した水道管のサビが原因と考えられます。とくに朝一番に使う水や長時間留守をしていたあとの水道水が赤っぽくなるのは、居宅内の給水管のサビによるものです。一方近隣の住宅でも同じような現象が見られる場合には、配水管の老朽化のほか、工事や消火活動に伴って一時的に水圧が変化したことなどが原因であると言われます。

<対策>
居宅内の給水管のサビが原因の赤水であれば、しばらく水を通していれば透明に戻ります。ただし長期間に渡って赤水が出る場合には給水管の交換を検討したほうがよいかもしれません。近隣でも赤水が続く場合には、念のため水道局に問い合わせましょう。

水が白く濁っている

水道水をコップや鍋に汲み入れる際、水が白く濁って見えることがしばしばあります。これは、水道水を勢いよく出したときに蛇口の上部から混入した空気が、細かな気泡となったものです。また、給湯器で水道水が急激に温められると、そこに溶けている空気が気泡となり、白く見えることがあります。容器に汲み入れた水が底の方から透明になっていくようであれば、空気によるものですので心配はいりません。

一方時間が経っても濁りが消えない場合には、亜鉛メッキ鋼管の給水管から亜鉛が溶け出している可能性も考えられます。この現象は給水管内に水道水が滞留したときに起こりやすく、朝や長期間留守にした後などに多く見られます。また、お湯を沸かしたときに一層白濁することもあります。

<対策>
亜鉛自体は過剰摂取しても体外へ排出されることから、ただちに人体に影響があるものではありません。ただし念のため使い始めの水が白く濁っているときには捨て水を行うようにしてください。また、濁りが続く場合や悪化する場合には、給水管の交換を検討したほうがよいかもしれません。

水が青く見える

浴槽や容器に溜めた水が青色に見えることがあるかもしれませんが、これは光の加減によるものであり、心配ありません。アイボリー系の色の容器に入れたときに青く見えることが多いため、新築や改装によって浴槽の色が変わった際には以前より青く見えることもあるようです。

<対策>
白いコップに水道水を入れ、明るい場所で観察したときに色が付いていなければ、水道水に異常はありません。

浴槽やタイルの目地が青くなる

給湯設備に使用されている銅管の銅が溶け出すことで水が青くなることもありますが、それほど多くの銅が溶出した事例というのはほとんどありません。ただし、石鹸や皮膚に含まれる脂肪酸と銅が反応することにより、タイルや浴槽の内側などに「銅石鹸」と呼ばれる青色の物質が付着することがあります。

<対策>
浴室や洗面所に付着した銅石鹸は、お風呂用性洗剤を少量つけてスポンジでこすると落とせます。

より安心でおいしい水道水を使うには

ここまで、水道水のにおいや色に関するトラブルの原因と対策について詳しく見てきました。問題のないケースや捨て水をすることによって対策できるものも多いですが、そのまま使うのは心配にもなるかと思います。せっかくなら、よりおいしく、安心して水道水を利用したいですよね。

そんな方には、浄水器や整水器の活用がおすすめです。浄水器や整水器には活性炭や中空糸膜といったろ材が搭載されており、水道水に含まれる塩素や濁り、においの原因になる不純物をブロックします。ご家庭の水道に設置するだけで、そのまま飲むときはもちろん、料理を作るときなど全てに安心しておいしい水道水が使えます。

なお、浄水器や整水器で除去できる不純物については、製品や使われているろ材によって異なるため、導入する際にはよく確認しましょう。

まとめ

日本の水道水は安全とされていますが、何らかのトラブルによってにおいや色に異変が生じることもあります。「おかしい」と思ったときには、原因を調べて適切に対処しましょう。また、浄水器や整水器を活用すれば、においや色の原因となる不純物を除去することも可能です。毎日使う水道水ですから、異変があればしっかりと対策して快適に過ごしましょう。


参考文献

「『水安全計画策定ガイドライン』について」厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/anzen/index.html

「よくあるお問い合わせ(水質編)」神奈川県

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/w6a/wqa/que.html

「水道水がおかしいとき」広島市水道局

http://www.water.city.hiroshima.jp/user/suido_qa/qa8_2.html

「水道水でよくある相談事例」鹿児島市

https://www.city.kagoshima.lg.jp/suido/suido/haisuikanri/faq/suidousuisoudan.html

「水道水に異常があったときの対応」長門市

https://www.city.nagato.yamaguchi.jp/soshiki/18/1309.html

「水道水の異常に関するQ&A」鳥取県伯耆町

https://www.houki-town.jp/new1/10/13/1/2/

「水道水の水質に関するQ&A」静岡市

https://www.city.shizuoka.lg.jp/000806290.pdf