水は一日にどれくらい飲めば良い?健康的な飲み方も知っておこう | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

水は一日にどれくらい飲めば良い?健康的な飲み方も知っておこう

健康でいるためには、食事だけでなく水の飲み方や量も意識する必要があります。栄養バランスを整えていても、体内の水分が足りなくなると、健康トラブルに繋がる可能性もあります。

また、飲み物の種類によっては、水分補給に適していないものもあります。嗜好品として取り入れる分には問題ありませんが、健康的な体を維持するためには、どんな飲み物を選ぶのかも大切です。

この記事では、私たちが健康を維持するために必要とされている一日あたりの水の量や、健康的な水の飲み方についてご説明します。

水を一日でどれくらい飲んでいますか? 

皆さんは、一日にどれくらいの水を飲んでいますか?一度チェックしてみると一日で摂取している水の量が適正かどうかを判断できます。

2021年4月におこなったミズラボ編集部の調査では、20代以上の男女106人のうち「一日で水を1L程度飲んでいる」という人が、全体の32%と最も多いことが分かりました。また、次に多いのは「500mL以下」という結果に。約半数の人は、一日あたりに飲む水の量が500mL~1L程度のようです。

人間が一日で必要とする水の量とは?

厚生労働省によると、一般的な成人男性の水分摂取量と水分排出のサイクルを次のようにあげています。

体に入る水の量 飲み水:1.2L
食事:1.0L
体の中でつくられる水: 0.3L
→合計:2.5L
体から出ていく水の量 尿や便:1.6L
呼吸や汗:0.9L
→合計:2.5L


人間の体は毎日約2.5Lの水を摂取・排出してバランスが取れています。「飲み水」から摂取する水の量は1.2L程度ですので、普段500mL~1Lしか摂取しない人が多いことを考えると、半数程度の人は摂取量が足りていないことが分かります。

さらに、状況によっては水を飲む量を増やすことも大切です。例えば、気温の高い日や運動をした場合には、多くの汗をかき水分が失われます。また、気温の低い冬場は空気が乾燥して自然と体から水分が失われやすいです。加えてエアコンやヒーターなどを使えば、さらに乾燥しやすくなります。汗だけでなく、呼吸や皮膚、粘膜からも水分は出ていきますので、かくれ脱水には気を付けて適切な水分量を補いましょう。

脱水によって起こりうるトラブルとは?

脱水になると、熱中症や脳梗塞などさまざまな健康トラブルを起こす可能性があり、場合によっては命に関わる事態に陥ることもあります。ここでは脱水によって起こりうるトラブルについてお伝えします。

熱中症

汗をかくと血液中の水分が減少します。そういった状態で、水分補給をせずに脱水状態になることで、熱中症が起こるといわれています。脱水によって血液が濃縮され循環不全を起こし、酸素や栄養素の運搬、体温調節にも重篤な障害を引き起こしてしまうのです。

熱中症になると、最初は体のだるさやめまい、脱力感や吐き気、めまいといった「熱疲労」の症状が見受けられます。さらに重症化すると、「熱けいれん」や臓器障害をも引き起こす「熱射病」に発展します。熱射病になると、死亡率も高まるそうです。

脳梗塞

脳梗塞とは脳血管が閉塞または狭くなることで、脳への酸素や栄養を運ぶ血流が一時的に悪くなり、脳組織が壊死、またはそれに近い状態になってしまうことです。これも、脱水が関係しているといわれる疾患のひとつです。特に発症することが多いのは、夜間や早朝にかけての時間とされています。これは、寝ているときには水分を摂取できないためだと考えられています。

脳梗塞は、命に関わる事態に発展するだけでなく、後遺症が残り介護が必要な状態になるケースもあります。たとえ日中に意識して水を飲んでいたとしても、就寝前の体が水分不足だと脳梗塞を起こすリスクが高まります。脳梗塞を予防するには、就寝前にも水を飲むよう意識しておきたいですね。

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の冠動脈の血流量が下がることで、心筋が虚血状態になって壊死、または壊死に近い状態になる疾患です。

心筋梗塞は、命に関わる事態に発展しかねません。実際、急性心筋梗塞による死亡者数は日本人の死亡原因の中でも多くを占めているとされています。

エコノミークラス症候群

飛行機やバスなどに長時間乗ることで起こりやすくなる、エコノミークラス症候群。

エコノミークラス症候群は、「旅行者血栓症」とも呼ばれており、特に飛行機内で足が動かせるスペースの限られた「エコノミークラス」で起こりやすいことから、この名前が付けられています。

エコノミークラス症候群は、食事や水分を十分に取らず、狭い座席で長時間足を動かさないことで、血行不良が起こり発症します。血流が滞ることで血栓ができ、立ち上がった際などに血流に乗って肺の静脈に詰まる「肺塞栓」などを誘発してしまいます。

思うように足が動かせない状況であれば、事務作業中や入院中などでもエコノミークラス症候群になる可能性があります。水分補給はもちろんですが、座りっぱなしを避けて立ったり動いたりする習慣もつけておきたいですね。

健康的な水の飲み方とは?

熱中症や脳梗塞などを予防しつつ健康的な生活を送るためにも、日頃から適切な水分補給ができるように意識しておきましょう。

ここからは、健康的な水の飲み方についてお伝えします。

水を飲むタイミングを決めておく 

一日に飲むべき水の量は1.2Lが目安だとお伝えしましたが、一度に飲めば良いというものではありません。飲む量を分けてバランスよく摂取することが大切です。しかし、マスクを着用している場合は喉の乾きに気づきづらく、また仕事や家事などで毎日忙しくしていると水を飲むタイミングを逃してしまうこともありますよね。

忙しい毎日でも忘れずに水分を得るには、水を飲むタイミングを決めておくのがおすすめです。

たとえば、

  • 寝る前
  • 運動の前後
  • お風呂に入る前後
  • お酒を飲んだ後

など、脱水状態に陥りがちなタイミングを考慮して飲むタイミングを決めて「先制飲水*」を習慣づけましょう。

参考:「先制飲水という習慣」東北大学病院

水分摂取に適さない飲み物を知っておく 

水分摂取しているつもりでも、それが適さない飲み物であれば逆効果になってしまうかもしれません。

たとえば、清涼飲料水には多くの糖分が含まれています。飲み過ぎは糖分過多につながり体に良いとは言えません。また、カフェインを多く含むコーヒーや緑茶、そしてビールや日本酒などのアルコール類には利尿作用があり、体外に水分を排出する作用があるので、水分摂取のつもりでもかえって体の水分を失ってしまいます。

日常の水分摂取には、水をこまめに補給することが推奨されています。また、運動によって体の水分を失ったときは、同時に塩分も失われています。塩分が不足すると、熱けいれんや熱疲労などをおこしてしまう場合があるので注意が必要です。運動をするときは、市販されているスポーツドリンクなどを取り入れるのに加えて、0.1~0.2%程度の塩分も補給するとよいでしょう。

まとめ

一日に飲むべき水の量は1.2L程度、皆さんはきちんと補給出来ていますでしょうか?

熱中症や脳梗塞などの疾患を防ぎ、健康的な生活を維持するためにも、タイミングを決めてこまめに“先制飲水”し、毎日1.2L程度の水分摂取を心がけましょう。


参考文献

厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html

大塚製薬「旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)の原因と対策」

https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/thrombosis/cause/

公益財団法人日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」

https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/supoken/doc/heatstroke/heatstroke_0531.pdf