トリム・ミズラボ 鉱水とは何? 硬水・軟水との違いや意味について | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム
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スーパーやコンビニなどに並ぶミネラルウォーター。商品のラベルには「鉱水・硬水・軟水」など、なにやら見慣れない言葉が載っています。

商品を購入される方の中には、このような表記を特に気にせず購入される方も沢山おられるかもしれません。しかし、これらの言葉を知っておけば毎日の料理にも役立ちますし、ご自身にあった「美味しい水選び」をする際にも役立ちます。

特に、鉱水と硬水は読み方が同じ「こうすい」ですので、よく同じものだと間違われます。このような誤解をなくし、商品選びをよりスムーズにするためにも、これらの違いについてしっかり学んでいきましょう。

鉱水とは?

鉱水とは水の種類名です。正確には地下に存在する水、「地下水(原水)」の一種です。

地下水というと、一般的には「地下にある、ただの水」と捉えられることが多いようですが、実はいくつかの種類に分類されます。

農林水産省の所管する「農林物資の規格化等に関する法律(通称:JAS法)」。この法律の中にある「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」によりますと、「地下水(原水)」の種類には主に次のようなものがあるとされています。

【地下水(原水)の種類】

①温泉水:自噴する地下水のうち水温が25℃以上の地下水、または、温泉法第2条に規定される溶存鉱物質などにより特徴付けられる地下水のうち飲用適のもの

②鉱泉水:自噴する地下水のうち水温が25℃未満の地下水であり、かつ溶存鉱物質などにより特徴付けられる地下水

③鉱水:ポンプなどにより取水した地下水のうち溶存鉱物質(※)などにより特徴付けられる地下水

④湧水:不圧(自由面)地下水、被圧地下水の区分によることなく、自噴している地下水

⑤深井戸水:深井戸からポンプなどにより取水した地下水

⑥浅井戸水:浅井戸からポンプなどにより取水した地下水

⑦伏流水:上下を不透水層にはさまれた透水層が河川と交わるとき透水層内に生じる流水

(※)溶存鉱物質=水に溶け込んでいるミネラル

鉱水はこのように分類された地下水(原水)の一種になるわけです。そしてこのように分類された水の種類は、上記ガイドラインの規定により、ミネラルウォーター類の容器又は包装の見やすい箇所に「原材料名」として表示しなければならないことになっています(例──原材料名:水(鉱水))。

この鉱水という言葉は、他にどのような意味を持っているのでしょうか。いくつかの辞典などでこの言葉の定義を調べてみると、上記のガイドラインによる定義とは少し異なる定義がされています。

広辞苑(第七版) ①鉱物質を多量に含んでいる水。鉱泉の水。
②鉱山の坑内または製錬所から排出する水で、鉱毒を有するもの。
大辞林(第四版) ①鉱物質を特に多く含む湧泉(ゆうせん)からの水。鉱泉水。
②鉱山の坑内や製錬所から排出される鉱毒をもつ水。鉱毒水。
明鏡国語辞典(第三版) ①鉱物質を多く含む天然の水。鉱泉の水。ミネラルウォーター。
②鉱山の坑内や製錬所から排出される有害物質を含んだ水。

これらの辞典によれば、鉱水は鉱泉水やミネラルウォーターと同義であると定義づけている部分も見受けられますが、商品ラベルに表示されている「鉱水」という言葉の意味に関しては、先のガイドラインによる定義を基本的な定義として捉えておいて問題はありません。

また、上記の辞典で使用されている「鉱毒」や「有害物質」といった言葉に対して、不審を抱かれる方もおられるかもしれませんが、これらは「鉱山の坑内や製錬所から排出される水」に対する説明として使用されている言葉であって、「地下から取水した水」の説明として使用されているものではないという点に注意して下さい。市販のミネラルウォーターに関しては飲用適の水、つまり「飲用に適した地下水(鉱水)」が使用されています。

硬水・軟水とは?

硬水や軟水も水の種類名ではありますが、正確には水の硬度の違いによって使い分けられている名称になります。硬度というのは、水1リットル中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表した数値のことで、簡単にいうと、これらのミネラルの含有量が多い水を「硬水」と呼び、少ない水を「軟水」と呼びます。

この硬度を表す計算方法は「アメリカ・ドイツ・フランス・イギリス」など国によって様々で、日本では戦後より「アメリカ硬度」が主に用いられています。

アメリカ硬度では、カルシウムとマグネシウムの量を炭酸カルシウム量に置き換えたものを硬度としており、水1リットル当たり1mgを1度としています。

【アメリカ硬度の計算式】

硬度 (mg/L) ≒ カルシウム濃度 (mg/L)×2.5 + マグネシウム濃度 (mg/L)×4.1

このようにして算出された硬度を、その値の大小によって分類したものが硬水や軟水になるわけですが、この分類方法もいくつかあり、分類方法によっては同じ水であっても、種類名が異なる場合があります。

一般的な硬度分類 軟水──0~100mg/L
中硬水──101~300mg/L
硬水──301mg/L以上
WHOの硬度分類 軟水──0~60mg/L未満
中程度の軟水──60~120mg/L未満
硬水──120~180mg/L未満
非常な硬水──180mg/L以上
理化学辞典の硬度分類 軟水──0~178mg/L未満
中間の水──178~357mg/L未満
硬水──357mg/L以上

「鉱水」と「硬水・軟水」の違い

地下水(原水)の種類

それぞれの言葉について順番に説明してまいりましたが、あらためて説明しますと、鉱水は「地下水(原水)の種類の一つとして使用される名称」で、硬水や軟水は「硬度の高低によって使い分けられている名称」となります。

ですので、同じ水に対して「鉱水かつ軟水」または「鉱水かつ硬水」と表現することもできます。また、このような表現は他の地下水(原水)に対してもいえることで、例えば「鉱泉水かつ軟水」または「鉱泉水かつ硬水」と表現することもできます。

硬水と軟水の使い分け

硬水と軟水を飲料として使用する場合、それぞれ味や口あたりに違いがあるため、好みが分かれます。一般的には、軟水の方が口あたりが良く飲みやすいため、万人受けすると言われていますが、硬水を飲み慣れた外国の方などは、軟水だと物足りなさを感じる場合もあります。

嗜好とは別の使い分けとしては、近年ではダイエット法の一つとして硬水を飲むことが推奨されていたり、スポーツ選手のミネラル補給として硬水が用いられていることもあるようです。一方、軟水は含有するミネラル量の低さが「人体に優しい水」と評価され、洗顔や洗髪、赤ちゃんの飲み水として用いられていることもあるようです。

このように硬水と軟水は人や目的によって、うまく使い分けがされているようですが、この2つの水の使い分けによって最も大きな影響を受けるのは「料理」ではないでしょうか。味のよさ、舌触りのよさ、食材の柔らかさだけではなく、出汁どりや灰汁ぬきなど、料理のしやすさにも大きく影響を及ぼします。

また、ウィスキーのチェイサーやコーヒー、緑茶や紅茶なども、どちらの水を使用するかでまったく味が異なります。皆さんも料理をする際には、食材や調理器具だけではなく、水の種類にもこだわってみてはいかがでしょうか。

さいごに

「鉱水・硬水・軟水」、これらの言葉の意味や違いが分かっていれば、お気に入りの水を見つけるのにも役立ちます。飲料水には鉱水の他にも鉱泉水や温泉水などの種類もあります。また、それぞれに硬度の違いもありますので、バリエーションはとても豊富です。海外産のミネラルウォーターにもおいしいものは沢山ありますので、ぜひ一度飲み比べをしてみてはいかがでしょうか。

                                                           <参考文献>
一般社団法人日本ミネラルウォーター協会「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」
(https://minekyo.net/files/libs/344/201809201037324902.pdf)
ショクライフ「管理栄養士・栄養士の求人や転職・スキルアップを紹介」
(https://www.shokulife.com/mame/detail.php?id=7)
サントリー「水の硬度とはなんですか? サントリーお客様センター」
(https://www.suntory.co.jp/customer/faq/001891.html)
evian「ミネラル量と水の硬度、硬水と軟水の違い」
(https://www.evian.co.jp/mineral/hardsoftwarter.html)
長野県薬剤師会「硬水と軟水」
(http://www.naganokenyaku.or.jp/modules/meisuicat/content0006.html)
書籍「広辞苑(第七版)」新村出 編
書籍「大辞林(第四版)」松村明 編
書籍「明鏡国語辞典(第三版)」北原保雄 編
書籍「トコトンやさしい水道の本」高堂彰二 著