デトックススープでダイエットするには?効果ややり方を紹介

デトックスとダイエット、その両方に役立つおいしい料理があるのをご存知ですか?
その料理の名前は「デトックススープ」です。
野菜ベースのヘルシーなスープで、食物繊維をはじめ、さまざまな栄養を効率よく摂ることができます。
野菜不足で体調がすぐれない人や、野菜をたくさん食べるのが面倒だと感じている人は、ぜひ一度試してみてください。
今回は、「手軽・おいしい・健康的」の三拍子がそろったデトックススープについてご紹介します。
目次
デトックススープとは
デトックススープとは、体内に溜まった不要な物質や余分な成分(以下「不要物質」)の排出をサポートするスープのことです。材料は主に野菜ですが、他にキノコや海藻なども加えられたりと、栄養豊富でダイエットや体調管理のサポートに役立ちます。
デトックススープを飲むことで得られる効果
デトックススープを飲み続けると、どのような効果が得られるのでしょうか?
代表的な効果について見ていきましょう。
便秘の改善
「水溶性食物繊維」は腸内で水分を含んで便をやわらかくし、排便をスムーズにします。さらに善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果が期待できます。
また、「不溶性食物繊維」は便のカサを増し、腸のぜん動運動[※]を促すことで排便を助けます。
※. 便を肛門に向かって、押し出そうとする腸の運動
むくみの改善
ホウレンソウ、ワカメ、しいたけなどの食材には、カリウムが豊富に含まれています。
カリウムには利尿作用があり、体内にある余分なナトリウム(塩分)の排出を促進します。これによって体内の水分バランスが整い、細胞間にたまった余分な水分が減り、むくみが軽減されます。
代謝がアップ
温かいスープを摂取することで体温が上がり、血流が促進され、消費エネルギーがやや増加します。この食事を継続することで、温熱による代謝のアップが期待できるでしょう。
また、食材によっては、代謝に関与するビタミンB群やマグネシウムなどを豊富に含むものもあります。それらを摂ることで、脂質や糖質の利用効率が高まります。
満足感を得やすい
食材中の不溶性食物繊維は、水分を含んで胃の中でふくらみ、物理的にお腹が満たされるため、満腹感を得やすくなります。一方で、水溶性食物繊維は食後の糖質吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。
その結果、満腹感が長く続きやすくなり、インスリンの過剰分泌も抑えられるため、脂肪が蓄積しにくくなるのです。
デトックススープを飲むメリット・デメリット
デトックススープの大きなメリットは、デトックス効果とダイエット効果が得られる点にあります。しかし、別の切り口で見た場合、他にどのようなメリット、あるいはデメリットがあるのでしょうか。それぞれについて見ていきましょう。
デトックススープのメリットとは
野菜は大量に摂ろうとしても、未調理の状態ではやや硬く、またカサも多いため、摂るのが大変です。しかし、温かいスープにすることで、野菜はやわらかくなり、カサも少なくなるため、摂りやすさが向上します。
高栄養で摂りやすいという点において、デトックススープは、高齢者の方や病気で食欲が低下している人にも適しているかもしれません。
また、比較的短時間で飲めるという点では、食事休憩の時間がとりにくいビジネスパーソンにもオススメです。
デトックススープのデメリットとは
デトックススープの主な原料は野菜ですので、それだけの摂取では、ややタンパク質が不足する傾向があります。
また、基本的な味付けは「うす味」ですので、インスタント食品やファストフードなどの、強烈な味付けに慣れている人にとっては、物足りなさを感じることもあるでしょう。
デトックススープダイエットのスケジュール例
デトックススープを本格的なダイエットに活用する場合、朝昼晩の食事の中心はデトックススープになります。
1日のメニュー例
朝:スープ
昼:スープ
晩:スープ + じゃがいも + さつまいも[※1]
スープ以外の「補助的に摂ってよい食べ物」については、以下のものが挙げられます。
【補助的に摂ってよい食べ物】
・じゃがいも
・さつまいも
・ゆで野菜
・果物(バナナは控えめにする)
・脂身の少ない肉
・玄米ごはん
これらを織り交ぜながら、一週間のメニューを組み立ててください[※2]。
※1. マヨネーズやバターなどを使わないようにしてください。
※2. 一週間以上続けると、たんぱく質不足で体調を崩すおそれがあります。また、実施の可否および使用する食材の種類や量は、かかりつけ医に相談した上で決めましょう。
デトックススープを飲んでるのに太った場合
デトックススープは、野菜ベースで作られる比較的ローカロリーな料理です。しかし、野菜の中には、それなりにカロリー(糖質)を含むものも多くあります。また、デトックススープには、野菜以外にもさまざまな食材や調味料を使用するため、ゼロカロリーではありません。
そのため、運動などを行わずにたくさん飲みつづけると、当然太ります。この状態は「摂取カロリーが消費カロリーを上回った状態」で、典型的な肥満路線です。
デトックススープは、やせやすい体をつくるための「サポート料理」です。運動とのコラボレーションで、はじめて真価を発揮するということを覚えておきましょう。
デトックススープを飲む際に気を付けたいこと
デトックススープのせっかくの効果を台無しにするような飲み方をしていては意味がありません。
デトックススープを飲む際には、以下の点に注意しましょう。
最初にスープを飲む
スープと一緒に他の食べ物も摂る場合、摂る順番はスープを一番はじめにしてください。
スープを最初に飲むことで、早期に満腹感が得られ、血糖値の急上昇も抑えられます。
完全食だと勘違いしないこと
デトックススープは使用する食材の種類に応じて、さまざまな栄養を摂ることができます。しかし、完全食ではないので、「これさえ飲んでおけば大丈夫」といった過信は禁物です。特に、たんぱく質は不足しがちなので要注意です。
他の料理や間食に注意する
せっかくデトックススープを飲んでいても、一緒に摂る料理や間食の質が粗悪だと、逆に不要物質を体内に蓄積させてしまうことがあります。酒やジュース、甘いお菓子、インスタント食品などは、避けるようにしましょう。
デトックススープに必ず入れたい野菜
デトックススープに使われる食材には、キノコ類や海藻類などがありますが、主原料は「野菜類」です。その中でも、特にオススメの野菜として3つ選ぶとすると、以下のものが挙げられます。
キャベツ
キャベツには不溶性の食物繊維が豊富に含まれており、それが便のカサを増して腸を刺激し、便通を促します。またキャベツには、胃腸の健康維持に役立つ「ビタミンU」も豊富に含まれています。
たまねぎ
たまねぎには水溶性食物繊維が含まれており、それが便をやわらかくし、腸内の善玉菌のエサとなり、快便をサポートします。また、オリゴ糖も豊富に含まれており、それが善玉菌の数を増やして、腸内環境を整えてくれます。
トマト
トマトは低カロリーで、抗酸化作用を持つファイトケミカル「リコピン」が含まれています。
リコピンは、活性酸素による酸化ストレスから血管を守り、血流を良好に保つことで、エネルギー代謝を円滑にしてくれます。
デトックススープにおすすめの野菜
デトックススープに使用できる野菜は、上記の野菜以外にもたくさんあります。
使用する野菜を変えることで、デトックススープの味に変化を持たすことができ、別の栄養も摂取できます。
にんじん
にんじんはβ-カロテンが豊富で、体内で抗酸化力を発揮し、細胞の老化や代謝の停滞を防ぎます。また、水溶性・不溶性の食物繊維をバランスよく含むため、腸内の老廃物を排出しやすくし、デトックスとダイエットの両面をサポートします。
ほうれんそう
ほうれんそうは鉄分とマグネシウムが豊富で、血液循環を促して代謝を高めます。さらに食物繊維とカリウムの働きで便通を整え、余分な水分や塩分を体外へ排出するため、むくみ改善やダイエットに役立ちます。
セロリ
セロリに含まれる香り成分(アピインなど)には利尿作用があり、体内の余分な水分や毒素を流し出す効果があります。加えてカリウムも多く、むくみを防いで体をすっきりさせるので、デトックスと同時にダイエットにもつながります。
デトックススープの野菜選びのコツ
食材にこだわることで、おいしさも健康作用もアップします。
野菜選びのポイントは、以下の三つです。
・安全であること
・新鮮であること
・旬であること
スーパーや自然食品店で購入してもよいですが、最近では野菜宅配サービスなども人気があります。野菜宅配サービスを提供する会社の中には、注文を受けてから野菜を収穫するところがあったり、「有機農産物・無農薬栽培・減農薬栽培」を強みにしているところもあるようです。
デトックススープを作る手順
デトックススープは簡単に作ることができます。
大まかな手順は、以下の通りです。
①食材をカットして、大きめの鍋に入れる
②鍋に食材が完全に浸るくらいの水を入れ、沸騰させる
③コンソメやチキンスープの素などを入れて、煮込む
④天然塩や黒コショウ、生姜パウダーなどで味を整えたら完成
野菜のカットサイズは、小さくすると火の通りがよくなって時短で作れます。
逆に大きくすると時間はかかりますが、食べ応えはアップします。
デトックススープを作る時の注意点
せっかくのデトックススープも、調味料や材料によっては効果が半減してしまったり、逆に老廃物を溜め込んでしまいます。
これだけは避けた方が良い注意点を抑えておきましょう。
味付けを濃くしない
化学調味料などを過度に使って濃い味付けにすると、せっかく排出しようとしていうナトリウム(塩分)や不要な食品添加物などを、逆に多くとりこむことになります。どうしても味が物足りない場合は、少量の天然塩やダシ、カレー粉、生姜パウダーなどを使って、味を調節しましょう。
加工肉を避ける
市販のポトフなどには、味の調整役としてウインナーやベーコンなどがよく使用されます。たんぱく質が摂れることは良いことですが、同時に不要な食品添加物まで摂取することになり、せっかくのデトックス効果が台無しです。
お肉を入れる場合は、なるべく生肉(精肉)を調理したものを使用するようにしましょう。
食材の種類を偏らせない
例えば、「キャベツ・レタス・白菜」など、色や形が似ているものだけを使ってデトックススープを作ると、摂取できる栄養の幅が狭くなり、栄養同士の相乗効果も生まれにくくなります。
食材の種類を偏らせない簡単な方法は、なるべく「色」の異なる食材を組み合わせることです。
デトックススープの作り置きのやり方
デトックススープは作り置きが可能です。
2~3週間に一度、休日などを利用してたくさん作っておくと、料理時間の時短になります。
【作り置きのやり方】
・通常通りにデトックススープを作る
・ただし油分は控え目にして、酸化による風味の劣化を避ける[※1]
・小さいタッパーに1食分ずつ小分けにする
・粗熱が取れたら、タッパーにフタをして保存する
・冷蔵保存は2〜3日、冷凍保存は2〜3週間を目安にする
・飲むときは、必ずしっかりと沸騰させる[※2]
※1. 飲む直前に、必要であれば少量を足すとよいでしょう。
※2. レンジでの加熱も可能ですが、鍋を使うことでよりしっかりと沸騰させることができます。
デトックススープのアレンジレシピ2選
デトックススープは、食材や調味料の組み合わせによって、異なる風味を楽しむことができます。また、アレンジを加えることで、別の料理として楽しむこともできます。
ラザニア風スープ
【材料(2人分)】
・トマト(2個)
・たまねぎ(中1/5個)
・木綿豆腐(1/4丁)
・リーフレタス(葉2枚)
・ミートソース(60g)
・とろけるチーズ(適量)
・コンソメ顆粒(小さじ1)
・乾燥パセリ(適量)
【作り方】
①トマトとたまねぎを、ひと口大に切る
②耐熱容器に入れ、電子レンジで3分加熱し、粗熱をとる
③豆腐をスプーンなどで潰す
④「コンソメ顆粒、水、粗熱をとった②」をミキサーにかける
⑤耐熱容器に④を入れ、その上にリーフレタスをひろげる
⑥さらにその上に「ミートソース、③、とろけるチーズ」を重ねてのせる
⑦電子レンジで2分加熱する
⑧乾燥パセリをかける
ごぼうのカレーポタージュ
【材料(2人分)】
・ごぼう(1本)
・カレールー(10g)
・たまねぎ(中1/5個)
・コンソメ顆粒(小さじ1)
・豆乳(200mL)
・水(100mL)
・天然塩(適量)
【作り方】
①ごぼうとたまねぎを、ひと口大に切る
②耐熱容器に入れ、電子レンジで4分加熱し、粗熱をとる
③「コンソメ顆粒、豆乳、水、粗熱をとった②」をミキサーにかける
④鍋に③を入れ、少し煮立たせてからカレールーを加えて混ぜる
⑤弱~中火で、4~5分加熱する
⑥天然塩などで味を整える
まとめ
今回の記事のまとめは、以下のとおりです。
・デトックススープには、デトックス効果とダイエット効果が期待できる
・メリットは、効率的な栄養摂取ができる点と、食材の摂りやすさの向上
・本格的なダイエットを行う場合、医師に事前確認し、きちんとスケジュールを立てること
・栄養の幅を広げるために、できるだけ色々な系統の食材を使用すること
デトックススープを毎日の食事メニューに加えて、スリムで健康的な体をめざしましょう。
- 監修者のご紹介 -
参考文献
Oisix (オイシックス)「Oisixの「定期ボックスの商品到着日」を早めることはできますか?」
https://help.oisix.com/index.php?action=faq&cat=4&id=31&artlang=ja
株式会社POSSIM「脂肪燃焼スープデトックスの効果的な方法| 入れてはいけない野菜」
https://possim.co.jp/preventive-medicine/uncategorized/1139/
書籍「身体が変わる!デトックススープダイエット」宝島社 出版
