サウナの消費カロリーはどれくらい?ダイエットに効果はある?
サウナに入ると、驚くほどの汗が一気に流れ出ます。その感覚から、「かなりカロリーを消費しているのでは」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、実際の消費量は、私たちの印象とは少し異なるようです。汗の量と脂肪燃焼は、必ずしも比例するものではありません。
では、サウナでは実際にどれくらいのカロリーが使われているのでしょうか。また、ダイエットに活かすとしたら、どのような考え方が必要なのでしょう。
この記事では、サウナの利用時間やセット数ごとの消費カロリーを具体的な数値で整理しながら、運動との違いや、上手な付き合い方について解説していきます。
目次
サウナで消費できるカロリーはどれくらい?

サウナに入ると大量の汗が流れるため、「かなりのカロリーを消費しているはず」と期待する方も多いでしょう。
しかし、実際の消費カロリーは想像より控えめな数値です。
ここでは、サウナの利用時間別に、実際に消費される具体的なカロリーを明らかにしていきます。1セットあたりの消費量から、セット数を重ねた場合の数値まで、身近な食べ物と比較しながら解説します。
10分で消費できるカロリー
サウナ室に入る時間は、一般的に1回あたり10分程度が目安とされています。この10分間で消費されるカロリーは、体格や体調による個人差はあるものの、15〜30kcal程度と考えられます。これは、日常生活で安静に過ごしている状態よりはやや多いものの、運動と呼べるほど大きな消費量ではありません。サウナでは体温の上昇にともなって心拍数が上がり、身体が熱を逃がそうと働くため、じっと座っているよりはエネルギーを使いますが、筋肉を動かすわけではないため、消費カロリーは控えめにとどまります。
この数値を身近な食べ物に置き換えると、以下のようになります。
飴玉(約20kcal)・・・1個程度
みかん(約40kcal)・・・半個程度
ご飯[※](約234kcal)・・・1/10杯程度
大量の汗をかくことで「かなり消費した」という感覚を覚えやすいものの、10分のサウナ浴だけで消費できるエネルギーは、この程度が現実です。まずは、この数値感覚を押さえておくことが、サウナをダイエットに活かすうえでの出発点になります。
[※]お茶碗に「普通盛り(150g)」をしたご飯として計算20分で消費できるカロリー【10分×2セット】
サウナに「10分入る→休憩→もう一度10分入る」、いわゆる「2セット」を行った場合、サウナ室に滞在する合計時間は20分になります。このときの消費カロリーは、単純計算で30〜60kcal程度が目安です。1セットのみと比べれば増えますが、それでも運動による消費量と比べると控えめな数値です。
この数値を身近な食べ物に置き換えると、以下のようになります。
みかん(約40kcal)・・・1個程度
クッキー(約50kcal)・・・1枚程度
ご飯(約234kcal)・・・1/5杯程度
サウナ後に甘い飲み物や軽食を何気なく口にすると、この2セット分の消費カロリーは簡単に相殺されてしまいます。体感としては十分に汗をかき、達成感も得られますが、エネルギー収支の面では「小さなおやつ1つ分程度」であることを理解しておくことが大切です。
30分で消費できるカロリー【10分×3セット】
サウナに10分ずつ、合計3回入った場合、サウナ室に滞在する時間は30分になります。10分、20分と積み上げてきた流れから考えると、この30分は「かなり消費できていそう」と感じやすい時間です。実際の消費カロリーは、10分あたりの目安をもとにすると、45〜90kcal程度が目安になります。
この数値を身近な食べ物に置き換えると、以下のようになります。
Mサイズの卵(約80kcal)・・・1個程度
8枚切りの食パン(約120kcal)・・・半枚程度
ご飯(約234kcal)・・・1/3杯程度
3セットまで行うと、「ととのった」「今日はよく汗をかいた」という満足感が強くなり、ダイエットに役立った気分になりやすいでしょう。しかし、数字だけを見ると、消費できているのは軽食1品分程度にとどまります。30分という区切りは、サウナの“頑張った感”と、実際のカロリー消費の差を、最も実感しやすいラインでもあります。この差を理解したうえで行動できるかどうかが、ダイエットとしての明暗を分けるでしょう。
サウナとウォーキングの消費カロリーの差は?
サウナ(3セット)と30分間のウォーキングを比較すると、消費カロリーにははっきりとした差があります。
数値を整理すると、目安は次のとおりです。
| サウナを3セット(サウナ室に合計30分滞在)行なった場合の消費カロリー | 45〜90kcal程度 |
| ウォーキングを30分間行なった場合の消費カロリー | 95〜135kcal程度 |
数値だけを見れば、ウォーキングの方がサウナより多くのエネルギーを消費していることが分かります。この結果だけを見ると、「やはりサウナはダイエットに向いていないのではないか」と感じる方もいるかもしれません。しかし、ここで注意したいのは、両者が同じ土俵で比較できるものではないという点です。
ウォーキングは、身体を動かすことで脂肪そのものを燃焼させる行為であり、消費カロリーが大きくなりやすい特徴があります。一方、サウナは直接的に脂肪を燃やすというより、身体を温めて血流を促し、コンディションを整える役割を担います。つまり、サウナとウォーキングは、どちらが優れているかを競う関係ではありません。ウォーキングでしっかりとエネルギーを消費しつつ、サウナを体調管理やリフレッシュの手段として取り入れる。このように役割を分けて考えることで、両者を無理なくダイエットに活かすことができるでしょう。
サウナでカロリー消費を意識する際のポイント

前述の通り、サウナのダイエット効果は、単に「入れば痩せる」という魔法のようなものではありません。ウォーキングのような直接的な脂肪燃焼とは異なり、基礎代謝を高めて太りにくい体質へと変化させるためには、無計画に利用するのではなく、戦略的なアプローチが必要です。特に、「どのくらいのペースで通うべきか」という継続の視点と、吸収率が高まっている「サウナ後の食事」の管理は、成功の鍵を握る重要な要素と言えるでしょう。
ここでは、サウナをダイエットの確実な味方にするために押さえておくべき、具体的な頻度や食事の選び方について解説します。
頻度
代謝アップの観点から目安とされるサウナの頻度は、HSP(ヒートショックプロテイン)のサイクルに基づき、週2〜3回程度と考えられます。HSPとは、細胞が熱などのストレスにさらされた際に作り出される、いわば「細胞の修復役」ともいえるタンパク質のことです。日々の疲れや加齢で低下した細胞機能をHSPが修復・メンテナンスすることで、結果としてカロリー消費が増えやすい状態へ導かれます。
ただし、サウナによって増加したHSPが、いつまでも体内に留まるわけではありません。その活動のピークは、サウナ利用後2日~3日目頃までといわれています。つまり、「HSPによる代謝の高い期間」が終了する前に、再びサウナでHSPの産生を促すのが効率的です。
ただし、無理は禁物です。以下の点も考慮して、頻度を調整しましょう。
年齢と体力:負担が大きい場合は回数を減らす
疲労の蓄積:疲れが激しい日は、逆に代謝が落ちるため休息を優先する
サウナ後の食事
頻度と並んで重要なのが、サウナから出た直後の食事選びです。サウナ利用後の身体は、大量の発汗によってデトックスされている一方で、栄養の吸収効率が非常に高まった「スポンジのような状態」になっています。さらに、エネルギーを消費して軽い低血糖状態にあるため、脳が糖質や脂質を強く欲し、いつも以上に食事が美味しく感じられるはずです。
しかし、ここで本能のままに揚げ物やラーメンといった高カロリーな食事を摂ってしまうと、普段以上に脂肪として蓄積されやすく、せっかくのダイエット効果が台無しになりかねません。
効果を無駄にしないためにも、以下の食材を中心にメニューを選びましょう。
ビタミン・ミネラルが豊富なもの:発汗で失われた栄養素を補給するため、野菜や海藻類を積極的に摂る
高タンパク・低脂質なもの:代謝の維持に必要な筋肉を守るため、鶏むね肉や豆腐、魚料理などを選ぶ
「吸収が良い」という特性を逆手に取り、身体に良い栄養素を効率よく送り届ける意識を持つことが大切です。
サウナで効果的にカロリー消費ダイエットを行う際の注意点

サウナは正しく利用すればダイエットの強力なサポーターになりますが、方法を誤ると脱水症状や予期せぬ体調不良を引き起こす危険性があります。特に、「我慢して長く入れば、その分痩せる」という考えは大きな間違いであり、身体に過度な負担をかけて、かえって代謝を下げる原因にもなりかねません。
健康を損なわず、かつ最大限のダイエット効果を引き出すために、これだけは守っていただきたい「3つの鉄則(水分・食事・時間)」について解説します。
①水分補給
サウナダイエットにおいて、生命線とも言えるのが「こまめな水分補給」です。水を飲むと体重が戻ってしまうと考えて水分を控える方がいますが、これは絶対に避けてください。
サウナで減る体重の正体は単なる「水分」であり、脂肪が燃えたわけではありません。むしろ、水分不足になると血液の流れが悪くなり、代謝機能が低下するため、ダイエットにとっては逆効果です。
安全かつ効果的に汗を流すために、以下のルールを徹底しましょう。
飲むタイミング:サウナに入る前、セット間の休憩中、そして終わった後の3回に分けて飲む
適切な飲み物:推奨は、水またはミネラルウォーター。大量に汗をかいた場合は、スポーツドリンクで失われた電解質を補う
なお、アルコールやカフェインを含む飲料は、利尿作用によって脱水を加速させるため、サウナ前後での摂取は控えてください。
②食事のタイミング
サウナに入るタイミングとして、「満腹」と「空腹」のどちらも避けるのが鉄則です。
まず、食後すぐの利用は消化不良の原因になります。本来、食べたものを消化するために胃腸へ集まるべき血液が、サウナの熱によって身体の表面へと分散してしまい、気分が悪くなる恐れがあるためです。
逆に、空腹すぎる状態も大変危険です。サウナはただ座っているだけでもエネルギーを消費するため、ガス欠の状態で入ると、低血糖によるめまいやふらつきを引き起こし、浴室内で倒れてしまうリスクがあります。
理想的なタイミングは、軽い食事を済ませてから1〜2時間後です。もし仕事終わりなどで空腹が我慢できない場合は、バナナやゼリー飲料など、消化が良くすぐにエネルギーになるものを少しだけお腹に入れて、極端な空腹状態を回避してから入るようにしましょう。
③サウナの利用時間
「汗をかけばかくほど痩せる」と勘違いして、我慢大会のように長時間サウナに入るのは絶対にやめましょう。無理に長く入っても、脂肪の燃焼効率が劇的に上がるわけではありません。むしろ、心拍数の急上昇や血圧の変動により、心臓への負担が大きくなり、最悪の場合は熱中症で倒れてしまう危険性があります。
安全な目安は、1セットあたり10分〜15分程度です。これを水風呂や休憩を挟みながら、2〜3セット繰り返すのが基本サイクルです。
ただし、この時間はあくまで目安に過ぎません。その日の体調やサウナ室の温度によっては、5分程度でも十分な場合があります。
「まだ10分経っていないから」と時計に縛られるのではなく、「心拍数が上がってきた」「十分に温まった」という自分の身体のサインを基準に、決して無理をせずに退室することが大切です。
まとめ

さいごに、サウナの消費カロリーとダイエットへの関わりについて、重要なポイントを簡潔にまとめておきます。
- サウナ10分の消費カロリーは15〜30kcal程度で、想像より控えめ
- 2セット(20分)でも30〜60kcal程度、3セット(30分)でも45〜90kcal程度にとどまる
- 汗の量が多くても、脂肪燃焼量が大きく増えるわけではない
- サウナ単体で痩せるのは難しく、直接的なカロリー消費は限定的
- 代謝を整える補助的な役割として捉えると、運動との相性が良い
- 水分補給・食事のタイミング・利用時間を意識することが、安全性と効果の両面で重要
消費カロリーの現実を正しく理解したうえで、運動や食事管理と組み合わせながら、サウナを無理のない範囲で活用していきましょう。
- 監修者のご紹介 -
参考文献
TTNE株式会社「SAUNA SELECT|サウナダイエットの効果を徹底解説!毎日入るだけで痩せる?」
https://sauna-select.com/blogs/sauna-study/sauna-diet
Harvia「サウナは本当に痩せる?効果的なダイエット方法と根拠を徹底解説」
https://harvia.jp/column/saunayaseru/
米穀安定供給確保支援機構:米ネット「茶わん1杯のごはん」
https://www.komenet.jp/_qa/chawanippai/chawan_ippai04.html
国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』(2012年4月11日改定)」
https://www.nibn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
HSPプロジェクト研究所「要子先生への質問Q & A -HSP入浴法に関して-」
https://www.youko-itoh-hsp.com/hspとは/hsp入浴法/hsp入浴法q-a/
My Sauna「サウナの消費カロリーはどのくらい?ウォーキングとサウナ、どちらがダイエット効果がある?」
https://my-sauna.jp/magazine/calorie