pHとは?酸性・中性・アルカリ性の違いは?意味や基準値を徹底解説 | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム


pHとは?酸性・中性・アルカリ性の違いは?意味や基準値を徹底解説

私たちは日常生活の中で、「酸性」「中性」「アルカリ性」といった言葉を何気なく耳にしています。
例えば、肌は弱酸性がよいといわれたり、掃除にはアルカリ性の洗剤が向いていると聞いたりしたことがあるかもしれません。
しかし、それらの基準となる「pH」について、正しく理解している人は意外と多くないのではないでしょうか。

pHは、私たちの体や身の回りの製品、さらには環境とも深く関わる大切な指標です。
この記事では、その仕組みや意味を、身近な例を交えながら分かりやすく解説していきます。

pHとは?(酸性・中性・アルカリ性の違い)

pHは「ピーエイチ」または「ペーハー」と読みますが、現代では「ピーエイチ」と読むのが一般的です。これは「水素イオン濃度指数」を意味し、「potential of Hydrogen」の略に由来しています。

pHとは、水溶液が「酸性」「中性」「アルカリ性」のどの状態にあるかを、ひと目で判断するための「液性のバロメーター」です。0から14までの数値で表され、真ん中の「7」を中性とし、それより数値が小さければ酸性、数値が大きければアルカリ性となります。

pHは化学などの分野でしか扱われないと思われがちですが、実は身近なものにもよく登場します。例えば、健康な肌の表面は雑菌から守るために弱酸性に保たれており、環境問題で知られる「酸性雨」もこの数値が低下した状態です。一方で、肌を滑らかにする温泉や、掃除に使う重曹などはアルカリ性を示します。このように、pHは私たちの体や環境を理解するための、身近な「ものさし」でもあるのです。

酸性とは?

酸性とは、水溶液の性質を表す言葉で、pHの数値が7より小さい状態を指します。この数値が0に近づくほど、酸性としての性質は強くなります。

最も分かりやすい特徴は、口に含んだときに感じる「酸味」です。レモンやみかんに含まれるクエン酸、調味料のお酢に含まれる酢酸などがその代表例です。また、酸性の水溶液には、鉄やマグネシウムなどの一部の金属と反応して水素を発生させるという性質があります。

私たちの身近なところで、酸性の性質が役立っている場面が2つあります。
1つ目は「体内」です。非常に強い酸性である胃液が、食べ物の消化を助けるとともに、外から入ってきた菌の増殖を抑える働きをしています。
2つ目は「毎日の掃除」です。シンクやお風呂場につくガリガリとした水垢はアルカリ性の汚れなので、酸性の成分(クエン酸など)を合わせることで中和反応が起こり、汚れを柔らかくして落としやすくなります。

中性とは?

中性とは、酸性とアルカリ性のちょうど中間に位置する性質で、pHの数値では「7」の状態を指します。酸性とアルカリ性のどちらにも偏っていない状態です。

分かりやすい違いとしては、酸性のような強い酸味や、アルカリ性のような苦味、手で触れたときのヌルヌルとした感触がありません。

中性の代表的な例としては、不純物を含まない「純水」が挙げられます。また、塩を水に溶かした食塩水も基本的に中性です。

私たちの生活や体の中でも、中性の「刺激が少なく安定している」という特徴は重要です。例えば、血液や涙などの体液は、ほぼ中性(厳密にはわずかな弱アルカリ性)に保たれており、これによって体内の繊細な細胞が守られています。

また、日用品では、食器洗い用やデリケートな衣料用の「中性洗剤」があります。酸性やアルカリ性のように強い反応を起こさないため、素材や肌を傷めにくいという点から広く使われています。

アルカリ性とは?

アルカリ性とは、水溶液の性質を表す言葉で、pHの数値が7より大きい状態を指します。この数値が14に近づくほど、アルカリ性としての性質は強くなります。高校の化学では「塩基性」と呼ぶこともあります。

分かりやすい特徴としては、なめたときに感じる少しの苦味と、触れたときのヌルヌルとした感触です。これは、アルカリ性が皮膚などのタンパク質をわずかに溶かす性質を持つためです。

私たちの生活の中でも、アルカリ性の性質は様々な場面で役立っています。

1つ目は「掃除や洗濯」です。キッチンのしつこい油汚れや、衣類についた皮脂は酸性の汚れです。ここにアルカリ性の重曹や石けんを使うことで中和され、すっきりと落としやすくなります。

2つ目は「料理」です。例えば、こんにゃくを固めたり、中華麺に特有のコシや黄色い色合いを出したりする「かん水」など、食品の加工にもアルカリ性の性質が活用されています。

pHが示す酸性・アルカリ性の度合い

ここまで、pHとは何か、そして酸性・中性・アルカリ性の違いについて見てきましたが、これらの区分は化学の知識にとどまらず、私たちの身近な製品表示にも活用されています。

その代表例が、洗濯用・台所用・住宅用などの洗剤です。
洗剤メーカーは、家庭用品品質表示法[※1]に基づき、商品の「液性」欄にpHの区分(度合い)を表示する義務があります。

現在の区分は、以下のとおりです[※2]。

pHの範囲 表示される液性
3.0未満 酸性
3.0以上6.0未満 弱酸性
6.0以上8.0以下 中性
8.0超11.0以下 弱アルカリ性
11.0超 アルカリ性

例えば、油汚れに適した洗剤は弱アルカリ性以上、手肌への刺激を抑えたい製品は中性に設定されることが多いです。このように、表示されている液性を見ることで、洗剤の性質や使い分けの目安が分かります。

pHの度合いは、製品選びや安全に使用するための重要な指標といえるでしょう。

[※1]雑貨工業品品質表示規程(二十七 合成洗剤、洗濯用又は台所用の石けん及び住宅用又は家具用の洗浄剤)
[※2]2026年2月時点

まとめ

ここまで解説してきた、pHと酸性・中性・アルカリ性の関係について、要点を整理します。

  • pHは0〜14で表され、7を基準に酸性・中性・アルカリ性に分類される指標
  • pH7未満が酸性、7が中性、7より大きいとアルカリ性となる基本構造
  • 酸性は酸味や金属を溶かす性質、アルカリ性は油汚れを落としやすい性質を持つ
  • 血液や涙はほぼ中性に保たれ、体内環境の安定に関与している
  • 洗剤には家庭用品品質表示法により液性表示が義務づけられている
  • 用途に応じて酸性・中性・アルカリ性を使い分けることが重要

pHの性質を正しく理解し、生活用品の選択や健康管理に上手に活かしていきましょう。


- 監修者のご紹介 -

参考文献

「化学基礎 酸と塩基」NHK高校講座

https://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/tv/kagakukiso/archive/chapter025.html

消費者庁「雑貨工業品品質表示規程(二十七 合成洗剤、洗濯用又は台所用の石けん及び住宅用又は家具用の洗浄剤)」

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/law/law_07/item_027.html

公益財産法人「塩事業センター」

https://www.shiojigyo.com/siohyakka/about/data/brine.html

公益社団法人 福岡県薬剤師会「点眼薬のpHは、刺激感と関係があるか?(薬局) |質疑応答」

https://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/_1635.html?blockId=78998&dbMode=article

日穀製粉株式会社「知る・学ぶ・楽しむ|かんすい」

https://www.nikkoku.co.jp/entertainment/glossary/post-145.php

セイスイ工業株式会社「pH(Potential Hydrogen:水素イオン指数)」

https://seisui-kk.com/glossary/ph

日本ケミファ株式会社「人間のからだの「いろいろなpH(ピーエイチ)」」

https://www.chemiphar.tv/human.html

ハイスキー食品工業株式会社「コア・コンピタンス~既成概念を覆す「こんにゃく生まれの食品原料 マンナンミール」」

https://www.haisky.co.jp/technology/

株式会社石鹸百科「酸性・中性・アルカリ性って?pHって?」

https://www.live-science.com/honkan/basic/chishiki02.html

株式会社湯ーとぴあ「温泉のぬるぬるの正体と、ラドンで有名な湯~とぴあ」

https://u-u.jp/4805

映像授業のTry IT 「【中3理科】水溶液の種類 ~酸性・中性・アルカリ性の水溶液の性質・見分け方~」

https://www.try-it.jp/keyword_articles/60/

リトル大学院「塩基性」

https://little-grad-school.com/contents/1238