飲料水ってどんな水? 身の回りの飲料水を知る

飲料水は、私たちの生活になくてはならないものです。

体の水分量を保つためには、1日に1およそ1.2ℓの水分補給が必要だと言われています。水道水やミネラルウォーターなど、現代ではさまざまな種類の飲料水があり、選択肢も広がっています。

では、具体的に飲料水とはどのようなもので、どのような種類があるのでしょうか。ここでは、飲料水の具体的な定義や種類について見ていきます。

飲料水とは

飲料水とは、簡単に言うと「飲用に適した水」ということです。

飲料水の第一条件としては、長期的に飲用しても健康に障害とならないことが挙げられます。具体的には、病原微生物や有毒物質などを含まないということです。

しかし飲料水の条件はそれだけではありません。私たちが快適においしく水を飲むためには、異臭がないこと、適温であること、美味であること、外観が清涼であることといった要素も重要になります。

その指標の一つとして、昭和59年に厚生省(当時)によって設立された「おいしい水研究会」が定めた「おいしい水の要件」というものがあります。

  • 蒸発残留物 30~200mg/L
  • 硬度 10~100mg/L
  • 遊離炭酸 3~30mg/L
  • 過マンガン酸カリウム消費量 3mg/L
  • 臭気強度 3以下
  • 残留塩素 0.4mg/L以下
  • 水温 最高20℃以下

また、水道水やミネラルウォーターなど、それぞれの水について独自に水質基準などが設けられている場合もあります。

<参考>

「おいしい水ってどんな水?」一般社団法人浄水器協会 http://www.jwpa.or.jp/mi_oishii.htm

飲料水できるまで

では、飲料水はどのように作られるのでしょうか。「水の惑星」と呼ばれるように、地球はその表面の3分の2を水で覆われていますしかし、そのすべてが飲料水として用いられるわけではありません。

地球に存在する水のうち、約97.5%が海水です。海水を飲むことができれば飲料水の確保には困らないのですが、海水は飲むことができません。

海水には、生体の塩分濃度(約1%)よりも高い約3%の塩分が含まれています。これを飲むことによって体内の塩分濃度が高くなり、バランスを保つために体はさらなる水分を求めるようになってしまうのです。

残り2.5%は淡水ですが、その大部分は氷河等で占められており、河川の水や地下水として存在する水は0.8%ほどです。さらにこの中でも地表水(河川や湖沼)は全体の0.01%ほどだと言われています。

もちろんこれらも、そのまま飲料水になるわけではありません。飲料水として利用できるようになるまでには、ろ過や殺菌といったさまざまな処理を行う必要があります。

私たちが普段当たり前のように利用している飲料水は、限られた資源を元にし、さまざまな工程を経た上で、ようやく私たちの手元に届いているのです。

<参考>

「世界の水資源」国土交通省 http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk2_000020.html

飲料水いろいろ

私たちが利用できる飲料水としては、次のようなものがあります。

水道水

水道水は、私たちにとってもっとも身近な飲料水と言えます。

日本は非常に水道事情のよい国として知られており、蛇口をひねるだけでいつでも水道水を利用することができます。さらに日本の水道水は水道法により水質基準51項目に適合することが求められており、飲料水としての安全性が確保されています。

水道水は河川やダム湖の水などといった地表水のほか、伏流水、地下水などを原水としています。その後浄水処理場にて沈殿やろ過、塩素注入などの処理が行われ、私たちの手元に運ばれてきます。

近年ではオゾン処理や活性炭処理といった高度浄水処理を行うことにより、より清浄でおいしい水道水を届けようという取り組みも盛んになってきました。一方で、消毒のために使われている塩素によるカルキ臭などを軽減するために、浄水器を設置する家庭もあります。

ミネラルウォーター

市販の飲料水としてお馴染みなのが、ミネラルウォーターです。

ミネラルウォーターとは、地下水をくみ上げてろ過、沈殿、加熱殺菌などの処理を施したものです。地下を移動する間に土壌中のミネラル成分が溶け込みやすいことから「ミネラルウォーター」の名がつけられていますが、実際のミネラル含有量は製品によって大きく異なります。

一般的に日本のミネラルウォーターにはミネラルの少ない軟水が多く、飲料水としても活用しやすいと言われます。ヨーロッパなどのミネラルウォーターには硬水が多く、ややクセがあります。そのほか、炭酸ガスの有無などといった違いもあります。

海洋深層水

海水はそのままでは飲料水として適さないと言いましたが、飲用化したものとして「海洋深層水」があります。

海洋深層水は、水深200メートル以深の海水をくみ上げて、脱塩等の処理を行ったものです。地表水と比べて、工場排水等の影響を受けにくく清浄であること、光合成が行われないため無機栄養塩類に富んでいること、低温で安定していることなどが特性として挙げられています。

飲料水のほか、食料品や化粧品などにも用いられています。また、海洋深層水から抽出した「塩」も商品化されています。

RO水

RO水とは、水道水や地下水などを原水とし、RO膜と呼ばれる特殊な膜を使ってほとんどすべての不純物を除去したものです。ミネラル成分も取り除かれるため、飲料水として用いた場合には味わいがほとんどありません。

ただし清浄性が高いことから、調理用や調乳用の水として用いられています。

<参考>

「水道水質基準について」厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/index.html

まとめ

それでは最後に、飲料水の定義や種類についてまとめておきます。

  • 飲料水とは飲用に適した水のこと
  • 地球上に存在する水の中でもごくわずかなものだけが、さまざまな処理を経てようやく飲料水となる
  • 飲料水には、水道水やミネラルウォーター、海洋深層水、RO水などといった種類がある

<参考文献>

一般社団法人浄水器協会 http://www.jwpa.or.jp/mi_oishii.htm

国土交通省 http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk2_000020.html

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/index.html

一般社団法人日本ミネラルウォーター協会 https://minekyo.net/