トリム・ミズラボ 野菜栽培の基礎知識と水の重要性について(後編) | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム
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[ 後編 ]

野菜栽培の水やりのポイント

「野菜栽培の手順」の項でも少しふれましたが、水やりは少々デリケートで、思いのほか難しい作業です。過剰に水を与えると「根腐れ」をおこしてしまいますし、逆に不足させると不作になったり、他の病気にかかることもあるからです。このような問題を予防するには、下記のポイントを押さえておくことが有用です。

ここでは代表的なポイントを4つ挙げて、ご説明をさせて頂きます。

野菜の種類

栽培する野菜によって水やりの仕方は変わってきます。多湿を好む野菜もあれば、乾燥気味に育てた方が良い野菜もありますので、野菜ごとの育て方をよく調べた上で、適量の水を与えるようにしましょう。

生育時期

水やりの仕方は、野菜の生育時期によっても違ってきます。種まき時や植えつけ時には水をたっぷりあげて馴染ませますが、基本的に小さな芽や苗のうちは、野菜を痛めないよう水やりは控えめに行います。根や葉をグングンと伸ばす生育期に入ったら、またたっぷりと水を注いであげるようにしましょう。

地植えか鉢植えか

水やりの仕方に大きく影響するのが、地植えや鉢植えなどの栽培方法です。

地植えの場合には、土が地中深くまで続いているため、野菜はそこに染みこんでいる水分を必要に応じて根から吸い上げ、成長することができます。ですから、よほど雨が降らない場合や、植え付け直後などでなければ、こまめに水やりをしなくても栽培が可能です。

しかし、鉢植えの場合には、その土台となる領域が限られていますので、意識的に水やりをしなければなりません。また、鉢植えは「土の表面は乾燥していても、底の方は水が溜まっている」という特性があります。割り箸をさして乾燥度合いを確かめるなど、気を付けて水を与る必要があります。

季節、気温、気候

野菜を栽培する「季節」やその日の「気温」も、水やりには大きく関係します。夏場の暑い時期は、人間と同じように野菜も多くの水が必要となります。ただし、日中の暑い時間帯に与えてしまうと、水温が上昇して野菜が弱ってしまうことがありますので、一日のうちでも涼しい時間帯を選んで水やりをすることが大切です。その他、降雨や乾燥といった気候条件にも対応しつつ、水やりを行うようにしましょう。

野菜にとっての水の重要性

野菜を栽培する上で大切な要素は、代表的なものでいうと「水・空気・光・温度・養分」になります。どれも欠かすことができない大切な要素ではありますが、その中でも「水」は野菜にとって、とても重要な役割をもっています。ここでは、その「水の重要性」についてご説明をしていきます。

【種を目覚めさせる水】

種の中には、葉や根を成長させて自分で光合成を行えるようになるまでの栄養分が蓄えられています。しかし、この栄養分は乾燥していて機能しない状態になっています。その状態の種に水を与えると、種の中の栄養分が溶けだして、発芽が始まります。つまり、水は「種を目覚めさせる」という役割を持っているのです。

【エネルギーをつくる水】

当然ですが、野菜も植物ですので光合成をします。葉の中に届いた水は、太陽光や二酸化炭素と反応して、栄養分を作り酸素を吐き出します。つまり水は、光合成をするときの「材料」となっているのです。

【栄養分を運ぶ水】

水は根から取り入れたミネラルや、光合成によって葉で作りだされた栄養分を野菜の体のすみずみまで運んでくれます。人間で例えると、「血液」と同じような役割を持っています。

【野菜の温度を調節する水】

水は身近にある様々な物質の中で、特に温度が変わりにくい物質です。野菜は、そのような性質を持った水をたくさん含んでいるため、温度が大きく変化することがありません。

また、光合成によって野菜の葉が酸素を吐き出すとき、余分に吸い上げた水も水蒸気として吐き出しています。この働きを蒸散といいますが、この蒸散の働きには動物の汗と同じように「野菜の温度を下げる」という役割もあります。

【野菜の見た目や食感を良くする水】

野菜は水を与えないとしおれます。これは、野菜の細胞内にある水分量が少なくなるためです。細胞内にたくさん水分があるときは、細胞は膨らんではりつめるため固くなります。逆に細胞内の水分が減少すると、細胞はしぼんで柔らかくなり、ハリのある状態を保っていられなくなるのです。つまり水は、野菜のイキイキとした「見た目」や、シャキシャキとした「食感」に大きく貢献しているのです。

【実の栄養価を高め、ジューシーにする水】

水によって運ばれる栄養分は、当然、野菜の実にもたくさん届けられます。私たちが野菜を食べた時に、ジューシーで美味しく感じられるのは、実の中に「栄養分が溶け込んだ水分」がたっぷりと入っているからなのです。

水やりの際の水の選び方

野菜の品質に大きな影響を与えるものの一つとして「土の種類」が挙げられますが、実は「水の種類」も「土の種類」同様に大きな影響を与えます。ここでは一般的に使用されることが多い「水道水」と比較して、より栽培に適した水をご紹介していきます。

【水道水】

日本の水道水は厳しい衛生基準をクリアした水ですので、飲み水としてはもちろんのこと、栽培用として使用しても大きな問題はありません。しかし、水道水に含まれる「カルキ」は野菜に悪い影響を与えることもあります。特に水耕栽培で「根が多い野菜」を育てる場合には、その影響を大きく受けることになります。

「根が多い野菜」は、一部の根を枯らしながら生育していきます。そして、その枯れた根は微生物などによって分解されたあとに毒性の高い亜硝酸やアンモニアに変わります。これらの元素や化合物は、野菜に深刻なダメージを与えるものですが、通常はバクテリアがこれらを硝酸塩に変えることで無害化してくれています。

しかし、カルキはこの大切なバクテリアを殺してしまうため、亜硝酸やアンモニアが無害化されない状態で水中に残り、結果として「根が多い野菜」を枯らしてしまうのです。このように、水道水は野菜に悪い影響を与える場合がありますので、理想の水とは言えないのではないでしょうか。

【ミネラルウォーター】

ミネラルウォーターは、マグネシウムやカリウムといった元素(栄養)を多く含んだ、いわゆる「硬水」です。マグネシウムやカリウムは野菜の生育にとって必須のものではありますが、それらを多量に含んだ「硬水」は、浸透圧の機構で栄養を吸収する野菜にとって、吸い上げにくい水なのです。大抵の野菜は「硬水」にもうまく対応しますが、できれば「軟水」のように染み込みやすい水を使用した方が良いでしょう。

【電解水素水】

電解水素水とは、水を電気分解した際に生成される「水素を含んだアルカリ性の水」のことです。この電解水素水の「抽出力(引き出す力)」と「還元力(酸化を防ぐ力)」は、他の水と比べて群を抜いています。

野菜との親和性が高く、土の中の養分を効果的に引き出す力も持っています(抽出力)。また、この水に含まれる「水素」が、野菜の体内にある酸素に対して抗酸化作用を発揮し、野菜の活動を活性化させていると考えられています(還元力)。この電解水素水は本来、飲用として世間に認知されている水ですが、近年では農業分野でも有良な検証結果が示されています。

電解水素水栽培による研究結果

 電解水素水を用いて栽培した農作物は、次のような特徴が挙げられています。

  ・根の張り方が変わり、成長スピードが早くなる

  ・実が大きく重くなり、味も良くなる

  ・βカロテンやビタミンCなどの栄養分が高くなる

  ・果皮の黒変が抑制され、見た目がよくなる

これらの特徴が出現するメカニズムは、いくつかの研究によって解明されており、今もなお様々な野菜を用いて研究が続けられています。

農業用整水器AGを活用した「還元野菜プロジェクト」とは?

還元野菜プロジェクトとは、「電解水素水の農業分野への応用を推進する」という目的のもと発足された産官学の5機関連携プロジェクトです(2015年7月3日)。

【5機関:南国市・JA南国市・高知県・高知大学・株式会社日本トリム】

日本の農業を「水」から変えようという取り組みで、高齢化・低収益にあえぐ日本の農業に対し、「農業用整水器(TRIM-AGシリーズ)」を用いた「次世代型農業」を高知県南国市から発信・展開しています。

「農業用整水器(TRIM-AGシリーズ)」から生成される「電解水素水」を野菜や果物の栽培に使用することで、省力多収と高品質化の両方が実現されています。これによって生まれた新ブランド、「還元野菜」は視覚的、味覚的そして栄養価的にも優位で、市場からも多くの注目を集めています。

さいごに

野菜の栽培方法は「作る場所」や「作る時期」、「野菜の種類」や「使う道具」などによって実に様々です。しかし、どのような栽培方法であっても、水なしで野菜を育てることはできません。

水と野菜は切っても切れない関係であり、水について学ぶことが野菜を栽培する上でとても有用になります。まずは「水のやり方」から、掘り下げて学んでみてはいかがでしょうか。きっと「野菜をよりおいしく育てるコツ」が、たくさん見つかることでしょう。

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                                                   <参考文献>
NHKテキストView「本当は難しい植物の『水やり』」
(http://textview.jp/post/hobby/3873)
室内園芸Flora Farm「水道水またはミネラルウォーターで栽培しても大丈夫?」
(https://www.flora2020.com/diary-detail/1)
株式会社日本トリム スタッフブログ「コロナ禍での日本の未来~次世代農業の先駆者インタビュー(南国スタイル様 編)~新規農業者必見!電解水素水のすべて」
(https://www.trimstaff-blog.jp/2021/01/post-29.html)
高知大学「地域連携推進センター ニュースレター <第50号>」
(http://www.ckkc.kochi-u.ac.jp/newsletter/150803_50.pdf)
高知の元気の源 こうち農業ネット「(株)日本トリムと「電解水素水を活用した還元野菜プロジェクト」推進について連携協定を締結」
(https://www.nogyo.tosa.pref.kochi.lg.jp/info/dtl.php?ID=6974)
書籍「水の総合学習 水といのち 生命をはぐくむ水」七尾純 著
書籍「「水」に価値がついた日」森澤紳勝 著