おいしいご飯の炊き方 お米を炊く手順とポイントを解説! | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

おいしいご飯の炊き方 お米を炊く手順とポイントを解説!

毎日の食事において、頻繁に登場する「ご飯」。ボリュームがあり腹持ちもいいので、食べ盛りのお子様がいるご家庭では欠かすことができない食品です。

また、おにぎりや卵かけご飯、カレーやピラフなど、アレンジの数が多いことも魅力の一つです。さまざまなお惣菜と相性も良いため、市販のお弁当には必ずといっていいほど、ご飯が添えられています。

しかし、本来ご飯はアレンジしたり添えたりしなくても、単品だけでも十分においしい食品です。「炊きたてのご飯」のおいしさを知っている人はたくさんおられると思いますが、「正しい方法で炊いたご飯」のおいしさを知っている人は少ないのかもしれません。

今回は基本的なご飯の炊き方とともに、あまり知られていない炊飯のポイントなどもあわせてご紹介していきたいと思います。

炊飯の歴史

炊飯方法についてご紹介する前に、炊飯の歴史について少しだけ触れてみましょう。

日本においてお米が栽培されはじめたのは、縄文時代後期だと言われています。当然、現代と比べると精米技術は無いに等しく、調理方法も「炊飯」ではなく「湯煮」であったため、お米はそれほどおいしいものではなかったようです。

弥生時代になると一部の地域で主食として食べられるようになり、奈良時代には「白米」として貴族階級の間で常食されるようになっていきます。

当時、白米は「はくまい」とは呼ばず「しらげのよね」と呼んでいました。お米の精白にはかなりの労力を要したため、一般庶民はこの白米をほとんど口にすることはできなかったと言われています。一般庶民がかわりに口にするものは、たいてい精白度の低い分づき米(当時はこれを「黒米」と呼んでいました)で、そこにアワやヒエを混ぜたりすることもあったようです。

古代から中世、中世から近世へと時代が移るにつれ、お米の生産量が増え、精米技術も改善されていきました。そして江戸時代になって、ようやく一般庶民の一部が白米を口にするようになったと言われています。

その頃には調理方法も炊飯に変わり、比較的に現代と近い調理方法となりました。

(原始)煮る →(古代)蒸す →(中世)茹でる →(近世)炊く

近世(江戸時代)から近代(明治時代・大正時代)までは主に釜を使って調理されていたようで、自動炊飯器が普及し始めたのは1960年頃(昭和30年代)になってからだと言われています。

縄文時代にお米が日本に伝わってから、自動炊飯器を使ってご飯を食べるようになるまでには、このような多くの変遷がありました。

炊飯器でお米を炊く手順とポイント

現代では多くの技術革新や研究などによって、お米をよりおいしく食べる方法が確立(発見)されています。

その方法は、私たちが常識的に知っているはずの「お米のとぎ方」や「お米の蒸らし方」といった基本的な調理方法の中に含まれています。

ご飯をおいしく食べるため、基本的な調理方法を今一度おさらいしておきましょう。

お米を計る

炊飯をするにあたって、正しくお米の量を計ることは重要です。

身近にある適当な容器を使って目分量で計量をしていませんか?

目分量で計量するとお米の量と水の量とが合わなくなり、炊き上がりがパサついたり、ベタついたりすることになります。また、日によって炊き上がりに差が出てしまうのも、目分量による計量が原因であることが多いようです。適度な水分量を含んだふっくらとしたご飯を毎回同じように炊き上げるには、計量の工程をおろそかにしてはいけません。

計量をするには、まず「お米用の計量カップ」を用意しましょう。一般的な計量カップは200ccですが、お米を計る際には180ccのカップを使用します。

その計量カップにお米を山盛りに入れ、テープルの上などでカップ底面を軽くコンコンと鳴らして下さい。そうすることでカップ内の余計な隙間がなくなり、より正しく計量することができます。

次に、カップからあふれている(山盛りになっている)分のお米を、割り箸などを使ってそぎ落とし、正確に1合を計量します。

計量したお米は、別に用意した「お米とぎ用のボール(ただのボールで構いません)」へと移していき、任意の量になるまでこれを繰り返せばOKです。

ちなみに、ご飯は「炊く量」によっても味が異なります。もちろん、少量であっても正しい手順で炊き上げたご飯はおいしいのですが、できれば3合より4合、4合よりも5合の方がよりおいしく炊きあがります。

お米をとぐ

続いて、お米の表面についているヌカや汚れを落とすために、お米をとぎます。

最近では精白技術が発達しているため昔ほどは強くとがなくても良いと言われていますが、とぎ方があまりに弱いとヌカが十分に取り除かれずご飯の味が落ちることになります。

お米のとぎ方はご飯の味に大きな影響を及ぼしますので、必ず身につけて頂きたいところですが少しコツがいります。

お米をとぐコツについては、下記のページで詳しく説明をしています。また、どのような水を「とぎ水」に使用すべきかといった情報もあわせて掲載してありますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

≪ お米の研ぎ方 3つの手順とポイント ≫
https://www.nihon-trim.co.jp/media/2455/

お米を水にひたす(浸水)

とぎ終えたお米をお釜に移したら、次は「浸水」の工程です。

この浸水の工程は、お釜に水を入れるだけの工程ではありません。目的は「お米にたっぷりと水を吸わせること」にあります。

× 浸水 = お釜に必要量の水を入れること(準備すること)
○ 浸水 = お米にたっぷりと水を吸わせること

炊飯の際、お米に加えられた熱は、お米の中にある水によって内部にまで伝導されることになります。そのため、もしも浸水が不十分であれば、熱が内部にまで届きにくくなるため、芯のある硬いご飯が炊きあがってしまいます。

逆に、しっかりと水を含んだお米は、芯がなくなるだけではなく、「炊き増え」をしてふっくらとした炊き上がりになります。

こういった理由から、水を釜に入れた後は「お米の吸水タイム」として、しばらくそのまま置いておくことになります。

まずは、お釜の内側に表記されている目盛りを確認し、その目盛り通りに水を入れます。

水を入れたら、下記の時間を目安にして、しばらくそのまま置いておきます。

夏  ・・・ 30分
春秋 ・・・ 45分
冬  ・・・ 60分

ただし、これらの時間は厳密にいうと、使用するお米の鮮度(新米・古米)によっても調節する必要があります。浸水時間が長すぎるとデンプン層が流出し、べたつきの原因となってしまいますので、まずは一度炊飯してみて、炊きあがったご飯の具合に応じて時間を調節するとよいでしょう。

お米を炊く

炊飯器によってはいくつかの「炊飯モード」が選べるようになっています。

・白米急速
・白米熟成
・やわらかめ
・かため など

しかしこれらのモードは、当面は使わないようにすることをオススメします。

各工程を手順通りに行った場合に、どのような炊きあがり具合になるのかをある程度つかめるようになるまでは「ふつうモード(通常モード)」で炊飯しておいた方がよいでしょう。

「ふつうモード(通常モード)」を使った場合、40~50分ほどでご飯が炊きあがります。

炊きたてのおいしいご飯をいただくためには、食事の開始時間に合わせてスイッチを押すことも大切なポイントとなります。

ご飯を蒸らす

炊きあがったご飯は、十分に蒸らすことが重要です。

そうすることで、ご飯の味がよくなるだけではなく、お米にたっぷりと蒸気を吸いこませることができるため、見た目もふっくらとしたおいしそうなご飯ができあがります。

また、お米の中心部分にあるデンプンを消化吸収しやすい状態にするといった効果もあるため、栄養摂取の観点からも大切な工程といえます。

蒸らしを行うにあたって難しい作業は一切ありません。炊飯後、フタをとらずに保温モードで10~15分おいておくだけでOKです。

ただ、それ以上に蒸らしすぎると、ご飯がベタついてしまいますので注意して下さい。

また、炊飯器によっては、蒸らしの工程を終えた後に炊飯完了のブザーが鳴るものもありますので、このタイプの炊飯器を使用している場合は蒸らしの工程を二度行ってしまうことがないように注意しましょう。

ご飯をほぐす

蒸らしの工程が終わったら、フタを開けてご飯をほぐします。

まずはしゃもじを使って、釜の底面からご飯を「はがす」ように2~3回大きくほぐします。

次に、手首を軽くスナップさせながら、ご飯に空気を含ませるイメージで7~8回ほぐせばOKです。

くれぐれもご飯をこねて、潰してしまわないように注意しましょう。

この工程を行うことで、ご飯の味を均一化させることができ、風味を損なわずに保温することもできます。

また、ベタつきの原因となる余分な水分を飛ばすことができますし、ご飯の表面が冷やされてシャキッとした食感にすることができます。

水選びのポイント

炊飯をするにあたって、最もこだわって頂きたいのが「水選び」です。

どの水を選ぶかによって、ご飯の「味・香り・ツヤ・食感」は大きく異なります。仮に上記で紹介してきた方法で正しく炊飯を行っても、肝心の水選びで失敗すれば台無しになってしまうこともありえます。

では、具体的にどのようなポイントを意識して水選びをするべきでしょうか?

水を選ぶ際の第一のポイントは「清浄性」です。

日本の水道水は世界の水道水と比べると水質はかなり優れています。これは水道法の「水質基準」によって、清浄性や安全性が厳しく管理されているためです。

しかし、この清浄性や安全性は自宅の蛇口から吐水される水の水質までは保証されていません。つまり、自宅もしくはマンションなどの水道管がサビていたり汚れていたりする場合、水質は当然悪くなります。

また、マンションなどでは屋上に貯水槽(受水槽)を設置して、そこから各住戸に配水するシステムがとられていることも少なくありません。法律上、貯水槽の水質管理は設置者がしっかりと行わなければならないことになっていますが、必ずしもすべてのマンションにおいて適正に管理がされているとはいえないようです。

さらに、マンションの住居者たちがあまり水道水を使用していない場合は貯水槽内の水が滞留することになります。その結果、水中の残留塩素濃度が低下して、水の衛生状態が悪くなることもあります。

最近のマンション事情では、貯水槽方式から直結方式(貯水槽を介さない方式)へと徐々に切り替えが進む傾向にあるようですが、仮に直結方式を採用しているマンションであっても、残留塩素(次亜塩素酸ナトリウムの残留)によるカルキ臭問題が残ります。ご自宅の水道水がこれらのような状態である場合、炊飯に使用する水としてはオススメできません。

ご飯をおいしく炊くためには、まずは不純物や異臭のない水を選ぶことが大切です。清浄性や異臭が気になる場合には、浄水器や浄水機能が付いた整水器、市販の水を利用することをオススメします。

水を選ぶ際の第二のポイントは「硬度」です。

先ほど、炊飯に使用する水に「市販の水」を候補として挙げさせて頂きましたが、購入にあたっては硬度を確認する必要があります。

あまりに硬度が高い水(硬水)でお米を炊くと、水中のカルシウムがお米の繊維やペクチンと結合することで水の吸収を妨げ、ご飯がパサパサになってしまいます。市販の水を使用する場合には、軟水(硬度の低い水)もしくはピュアウォーター(純粋)を選ぶとよいでしょう。

整水器の活用

ご飯を炊く際に使用するお水は、以下のものが候補として挙げられます。

・浄水器を通した水(浄水)
・軟水(硬度の低い水)
・ピュアウォーター(純粋) など

こういった候補の中でも特にオススメなのが「電解水素水(アルカリイオン水)」というお水です。

電解水素水は、整水器(家庭用電解水生成器)と呼ばれる機器から生成されるお水です。整水器は、ご自宅に供給されている水道水を高性能濾過フィルターによってきれいに浄化してくれます(浄水にします)。さらに、その浄化された水に対して「電気分解」をすることによって、水素を含んだアルカリ性の水(電解水素水)を生成します。

この電解水素水(アルカリイオン水)は、単に「清浄性が高い水」というだけではなく、ご飯の「味・香り・ツヤ・食感」などにも良い影響を与えてくれる便利なお水です。風味や食感が悪いとされる「古米」であっても、この水を使って炊飯すれば、粘り気が増して、ご飯本来の甘味が引き出されます。

以下のサイトでは、古米がなぜおいしくなるのかを科学的な観点から詳しく解説しています。

参考|アルカリイオン整水器協議会「古米を使った炊立てごはんも、柔らかくてふっくらおいしく!」
https://www.3aaa.gr.jp/userinfo/index/14

電解水素水は「お米を炊く」段階にだけ使用するのではなく、「お米をとぐ」段階や「お米を水にひたす」段階にも使用することをオススメします。

ご存知の方もおられるかもしれませんが、お米は「最初に触れた水」を一気に吸収するといった性質があります。つまり「お米をとぐ」段階や「お米を水にひたす」段階で、お米に含まれる水の性質が決まります。

ですので、この2つの段階で電解水素水を使用しておけば、よりおいしくフンワリとしたご飯が炊けるようになるというわけです。

  • お米を電解水素水でとぐ
  • お米を電解水素水にひたす[※]
  • お米を電解水素水で炊く
[※] 電解水素水を使用する場合、浸水時間は若干短めでもOKです。

さいごに

朝昼晩の食事で出される料理が毎回同じものだと飽きがきて食べづらくなりますが、不思議なことにご飯だけは毎回の食事で出されてもウンザリした気分にはなりません。

もしも三度の食事で出てくるご飯が毎回とてもおいしければ、食事から得られる満足感はかなり高まります。

上記で説明したお米の炊き方は人によっては少し煩わしく感じる方もいるかもしれませんが、一度覚えてしまえばきっと高い満足感を得られ続けるでしょう。

料理のレパートリーを増やす前に、まずはお米の炊き方を見直してみるのも有意義ではないでしょうか。


参考文献

アルカリイオン整水器協議会「ユーザー情報/炊飯」

https://www.3aaa.gr.jp/userinfo/index/14

「とれたて大百科 お米」JAグループ

https://life.ja-group.jp/food/okome

農林水産省近畿農政局「ごはんで活き活きプロジェクト」

https://www.maff.go.jp/kinki/kikaku/jikyuritu/attach/pdf/pt_asagohan-3.pdf

マイナビ農業「白米っていつから食べられているの?玄米の歴史は意外にも浅かった?」

https://agri.mynavi.jp/2017_07_31_682/

一般財団法人 日本educe食育総合研究所「何気なく食べているお米、一体いつから食べられているの?」

https://www.educe-shokuiku.jp/news/food/okome-201910/

株式会社 米福「お米のプロが教える、お米のおいしい炊き方」

http://www.komefuku.co.jp/show/

All About「マンションは今貯水槽ではなく給水方式?水道の仕組み [マンション管理士試験] 」

https://allabout.co.jp/gm/gc/452300/

米穀安定供給確保支援機構「米ネット:4-1 奈良時代の貴族は白米を食べていた」

https://www.komenet.jp/bunkatorekishi/bunkatorekishi04/bunkatorekishi04_1/

米穀安定供給確保支援機構「米ネット:4-2 縄文人は米を煮て食べていた?」

https://www.komenet.jp/bunkatorekishi/bunkatorekishi04/bunkatorekishi04_2