トリム・ミズラボ サウナの効果的な入り方 心掛けたいマナーや時間・回数も解説 | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム
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皆さんは「ととのう」という言葉を聞いて何を連想しますか?

実はこの言葉、いまや業界用語にもなりつつある言葉で「サウナでリフレッシュした状態」のことを指しています。サウナの上級者にもなってくると「サウナに行く」ことを「ととのえに行く」と表現することもあるのだとか。

しかし、この「ととのう」という状態は、ある一定の入浴手順を踏まなければ体験することができないようです。サウナによる真のリフレッシュを体験するためには、一体どのような入り方をする必要があるのでしょうか。

今回はサウナの効果的な入り方とあわせて、基本的なマナーなどについても解説をしていきたいと思います。

サウナの効果

この記事でいう「サウナに入る」とは、サウナ室で汗を流すことだけを指しているのではありません。後の項でも説明しますが、前提として「サウナ室で発汗・水風呂でクールダウン・外気にあたって休憩」、この3つが1セットです(サウナ室で発汗するだけでは、以下の効果は実感できない場合もあります)。では、このセットで入浴した場合、どのような効果が期待できるのか、それぞれ見ていきましょう。

①疲労回復効果

運動によって筋肉に乳酸が蓄積されると体は疲労を感じます。蓄積された乳酸は酸素によって分解され、汗と共に排出されますが、サウナ室では血流が安静時の2倍にもなり、酸素の摂取量も増えます。酸素をより多く摂取することによって、効率よく乳酸が分解され、疲労が回復しやすくなります。

②メンタルの安定効果

ストレス社会での自律神経の乱れや、交感神経と副交感神経のバランスの崩れは「うつ病」などの大きな誘因となります。サウナに入ることで、交感神経と副交感神経のスイッチを短時間で自動的に切り替えてくれるので、自律神経が鍛えられ、メンタルが安定しやすくなります。また、サウナに入ることで、脳内ホルモンのβエンドルフィンが分泌され、オキシトシンやセロトニン(通称:幸せホルモン)が上昇することが化学的に証明されています。  

③免疫力の向上効果

体を温めると、傷ついた細胞を修復する働きをもつタンパク質「ヒートショックプロテイン(HSP)」が増加して、免疫力がアップします。ウィーン大学の研究チームが発表した論文によると、週に2回以上サウナに入るグループとサウナに入らないグループの風邪の罹患率を6か月間調査した結果、サウナに入る人は入らない人よりも約50%も風邪にかかる割合が低いことが報告されています。

④美肌効果

サウナに入って発汗すると、体にたまった皮脂・老廃物・メラニンなどが排出され、血流も良くなるため、サウナ後の顔色はとても良くなります。また、サウナの後にほてった肌を水風呂で冷やすことによって、肌の引き締め効果も期待できます。さらに前述にもあるとおり、サウナには自律神経の乱れを改善する働きがあります。継続的に入浴することで、この働きが肌のバリア機能(免疫力)を正常に維持し、肌荒れやニキビなども防いでくれるのです。肌荒れやニキビができてしまった後でも、ヒートショックプロテインの作用によって、肌の修復がなされるなど、肌にとってはまさにいいことずくめです。

⑤安眠効果

現代社会において、睡眠不足や不眠症は大きな問題となっています。しかし、そのような問題に対してもサウナは効果的です。サウナの本場フィンランドでは「サウナに入れば睡眠薬は必要ない」とも言われています。日本サウナ学会の代表理事でもある加藤容崇医師は、「サウナに入った日と入らなかった日の【深い睡眠】の割合」を自身の睡眠状態を計測して調査したところ、前者が約28%、後者が14%という割合になったそうです。寝つきが悪い、または眠りが浅い人などは、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

効果的なサウナの入り方

サウナの入り方は人それぞれです。マナーさえ守れば、時間や回数や手順を気にする必要はありません。しかし、上記の効果を得るため、また「ととのう」感覚を得るためには、下記の方法で入浴すると良いでしょう。

①水を飲む

脱水を予防します。たとえのどが渇いていなくても、コップ一杯ほどはあらかじめ飲んでおいて下さい。のどが渇いたと感じた時には、すでに脱水が起きてしまっています。入浴中に体調を悪くしないためにも、入浴前には必ず水分補給を行って下さい。入浴前の水分補給は、脱水予防の他に「汗をかきやすくする」という目的もあります。

②全身を洗う

入浴前にシャワーで体を温め、発汗しやすくするという目的もありますが、何よりもそのまま入浴するのは不衛生ですし、悪臭の原因になることもあります。サウナをよく利用する人は、マナーを重視して室内の衛生状態や雰囲気をとても大切にしています。きちんと汚れを落とさないまま入室すると、場合によっては注意されてしまうこともありますので、気をつけましょう。

③体についた水分を拭きとる

「どうせ汗でびしょ濡れになるのだから、拭きとらずに入ってもいいでしょ?」と思う人もいるようです。しかし、水分をきちんと拭きとらずに濡れたまま入浴すると、サウナ室でその水分が蒸発する際に「気化熱」によって体の熱が奪われてしまいます。つまり、体が温まり始めるのがその分だけ遅くなり、なかなか汗が出てこなくなってしまうのです。

④髪をタオルで覆う

室内の温度は80℃前後とかなり高温です。この高温から髪や頭皮を守りたい場合には、タオルや手ぬぐいを頭に巻いてガードしておくと良いでしょう。こうすることによって、髪や頭皮の保護だけではなく「のぼせ」も同時に防いでくれるので一石二鳥です。施設によっては「サウナハット」をかぶることが許可されている場合もあります。

⑤サウナ室に入る

準備が整ったらサウナ室に入室します。室内では座席が階段状につくられていることが多く、上段にいくほど温度が高くなっています。大まかには「下段70℃・中段80℃・上段90℃」といった具合に分かれます。入浴時間に関しては意見が分かれるところですが、感覚としては「脊椎がしっかり温まった感じ」を得られれば十分です。目安は10分ほどですが、施設の設定温度によって調節する必要があります。また、体調や体質にもよりますので、10分という目安時間はあくまでも参考程度に捉えておくとよいでしょう(無理は禁物です)。

⑥汗を流す

サウナ室から出たら、かけ水かシャワーできれいに汗を流しましょう。水風呂の冷たい水をかけて汗を流してもかまいませんし、熱いシャワーで汗を流してもかまいません。前者の場合、手先や足先から徐々にかけていくことで、水風呂に入る前の「慣らし」になり、入浴時の心臓負担が軽減できます。後者の場合は、汗を素早く洗い流すことができます。また、好みの話にはなりますが、入水前に冷たい水をかけることによって、入水時の爽快感がそがれてしまうと感じる人もいるようです。そのようなタイプの人は熱いシャワーで汗を流すのが良いかもしれません。

⑦水風呂に入る

汗を流し終えたら水風呂に入ります。水風呂は冷たさがネックで、なかなか入ることができない人もいるかもしれません。しかし、全身の力を抜いて息を吐きながら入水すれば、歯を食いしばることもなく意外とカンタンに入れてしまいます。入水を躊躇している人を横目に、スマートに入水して密かな優越感にひたりましょう。水風呂の入浴時間は1分が目安ですが、体の温まり具合などに応じて調節するようにして下さい。

⑧休憩する

水風呂から出たら、おまちかねの「ととのいタイム(休憩時間)」です。外気にあたれる場所があればそこへ行き、イスやベンチに座りましょう。目をとじ全身の力を抜くことで、ふわふわとした気持ちのいい感覚を味わうことができます。これがいわゆる「ととのう」という状態で、人によっては「恍惚感」や「トランス状態」と表現する人もいます。多くの人が、この体験によって小さな悩みやイライラから解放されているようです。こうなってくると、もはやサウナはセラピーの一種と呼べるのかもしれません。休憩の目安時間は10分ほどです。水分補給も忘れずに。

⑨くり返す

⑤~⑧を1セットとして、これを数セットくり返します。くり返すことによって前述の「ととのう体験」を何度も味わうことができます。また、このくり返しによって血管が広がったり縮んだりすることになります。このような血管のストレッチが「血管内皮(血管の内側の膜)」を鍛え、血管を柔らかくしてくれるのです。柔軟性のある血管は「高血圧・心筋梗塞・脳梗塞・脳出血」などを防ぐといわれています。くり返しの目安回数は3セットですが、無理は禁物です。個人の体質や体調などに合わせて、適宜調整して下さい。

⑩水を飲む

任意のセット数を終えて退室した後には、今一度、水分補給をしておきましょう。退室時には、ある程度体温が元の状態に落ち着いていると思われますが、それでも発汗はしばらくのあいだ続くことになります。ビールなどでのどを潤したい気持ちは分かりますが、アルコールやカフェインを含んだ飲料は利尿作用がありますので、体のかわきは癒せません。まずは水や経口補水液でしっかり水分補給をして、そこから30分ほど経ったあとにビールなどを満喫してはいかがでしょうか。

知っておくべきサウナのマナー

サウナの本場フィンランドでは「サウナは神聖な場所」という認識があり、まるで教会の中にいるような厳かな雰囲気を大切にしているそうです。日本においてはそこまでの認識はありませんが、狭い空間で複数の人が快適にいられるための気づかいはとても大切です。サウナでのマナーにはどのようなものがあるのでしょうか、それぞれ見ていきましょう。

おしゃべりは控えめに

サウナ室内でのちょっとした会話は、利用者同士の親睦を深めるには良いことかもしれません。しかし、サウナは雑談などを楽しむ「集会所」ではないということを覚えておかなければいけません。人によっては、そういった会話や雑談から離れて、一人の世界を楽しむために利用していることもあります。挨拶程度の会話はいいかもしれませんが、長話や談笑をするのは控えるようにしましょう。

物は持ち込まない

サウナ室内は個人部屋ではありません。いろんな物をもちこんでスペースを占有したり、雰囲気を壊したりするのはマナー違反です(新聞や雑誌は、そもそも消防法で持ち込みが禁止されています)。ボディーケアグッズについては、施設によって持ち込みOKなところもあるようですが、使い方において周囲の人に迷惑がかからないよう注意する必要はあります。

髪や体は洗ってから入る

サウナ室に入る前には髪や顔、体の汚れを落としましょう。そのまま室内に入ると不衛生ですし、場合によっては悪臭の原因にもなってしまいます。サウナに入って、垢が落ちやすくなってから洗髪や洗体をしたいと考えている人もおられるかもしれませんが、その場合であっても、入室前のシャワーは最低限行うようにするのがマナーです。

水風呂のつかり方にも注意

サウナ後の水風呂には、必ずかけ湯かシャワーで汗を流してから入りましょう。また、髪が長い人はそのまま入ると、髪の毛の大部分が水につかることになり不衛生です。広がった髪が周囲の人に触れることも考えられますので、あらかじめ結んでから水風呂に入って下さい。あと、入水時の冷たさを紛らわすために、一気に飛び込む人もいますが、しぶきが飛散して周囲に迷惑をかけることになりますのでやめましょう。

サウナに入るときの注意点は?

健康の維持や増進に役立つサウナですが、入浴にあたっては注意すべき点がいくつかあります。どのようなものがあるのか見ていきましょう。

入浴直前に食事をとらない

サウナによって皮膚が温められると、皮膚の表面付近を流れる血液量が増加します。皮膚の血液量が増加することによって、それまで胃腸などに分布していた血液量が減少してしまいます。食べ物をきちんと消化するには、十分な血液が胃腸に流れている必要があるのですが、それが皮膚に集められてしまうと、うまく消化することができず「消化不良」を起こしてしまいます。オススメはできませんが、どうしてもとりたい場合にはできるだけ消化に良いものを選ぶようにしましょう。

ヒートショックに注意する

ヒートショックとは、急激な温度変化で血圧が乱高下したり、脈拍が変動して起こる体調不良のことをいいます。サウナに入る前は、お湯で洗体することで温度変化が緩やかになりますので、リスクはいくらか軽減されます。また、サウナから水風呂へ移る際も入水前にゆっくりとかけ水をすることで、リスクをおさえることができます。もっともリスクが高いのは「水風呂から休憩へ移る」タイミングです。血圧が急激に下がりやすく、立ちくらみを起こしやすいので、水風呂から出たらできるだけ早くイスなどに座るようにしましょう。

持病がある人は入らない(医師に相談する)

動脈硬化症や心臓病などの持病を抱えている人にとって、サウナはリスクそのものです。サウナは心臓疾患などの「予防」には一定の効果が見込めますが、すでに患っている場合には大きなリスクとなります。どうしても入りたい場合には、必ず医師の確認をとるようにして下さい(血圧が高めの人も、念のため医師に相談しておいた方が良いでしょう)。

必ず水分補給をする

サウナでは想像以上に発汗しますので、体は脱水状態になりがちです。脱水状態になると体内の血液量が減少し、酸素や栄養が全身に行きわたらず、倦怠感やめまいといった熱中症のような症状を引き起こしてしまいます。これを防ぐためには、こまめな水分補給が欠かせません。入浴の「前・最中・後」に、必ず水分補給を行いましょう。一回のサウナで補給すべき水分量の目安は500mL~1Lですが、より正確な水分補給量を知るためには、入浴前後で体重を測っておくとよいでしょう。「体重減少分=汗として出た水分」ということになりますので、それを目安にする方がベターです。

さいごに

ちょっとした運動や仕事によって「汗をかく」ことはよくあります。しかし「汗を流す」ような状況は、日常生活において、なかなか作り出すことが難しいのではないでしょうか。特に社会人にもなると、体力や時間、環境などの制約がありますので、さらに難しいと思われます。しかし、今回ご紹介させて頂いたサウナを利用すれば、社会人の方であってもカンタンに汗を流すことができます。さらに「ととのう体験」によって、メンタルをリフレッシュすることもできます。日々のハードワークで疲れきった心と体を、サウナでスッキリさせてみてはいかがでしょうか。

                                                       <参考文献>
公益社団法人日本サウナ・スパ協会「サウナならではの身体効果」
(https://www.sauna.or.jp/kisochishiki/saunabook_5.html)
FINDERS「サウナでトランスする「ととのう」とはどういうことか。温泉に詳しい医学博士に聞いてみた」
(https://finders.me/articles.php?id=435)
メンズ美容塾 by BULK HOMME「サウナの4つの美肌効果を紹介!効果を高める入浴のコツを解説します」
(https://bulk.co.jp/articles/?p=929)
書籍「サウナー・ブック」松尾大 著
書籍「人生を変えるサウナ術」本田直之&松尾大 共著
書籍「女はサウナで生まれ変わる 読むサウナ美人」木村昭子&笹野美紀恵 監修