ストレッチで痩せる?効果的なストレッチ方法とは | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

ストレッチで痩せる?効果的なストレッチ方法とは

食事制限によるダイエット、有酸素運動によるダイエット、筋トレによるダイエット──。
「どれも自分には合わなかった…」と嘆いている人は、ストレッチを試してみてはいかがでしょうか。
一般的にウォーミングアップやケガの予防策として知られているストレッチは、上記のようなダイエットとは異なるアプローチからあなたを痩身に導きます。

ストレッチを行うにあたっては「低カロリー食品」や「運動用シューズ」「ダンベル」などは必要ありません。
また、ジム通いをする必要もありませんので、お金を節約したい人や忙しくて時間のない人にもオススメです。

今回は、いますぐ自宅でカンタンに始められるストレッチを、ダイエットとして上手に活用する方法を解説していきたいと思います。

ストレッチの効果とは

ストレッチには多くの方法とメリットがあります。
反動を使わず、ゆっくり関節を動かしながら筋肉を伸ばす「スタティックストレッチング(静的ストレッチ)」。
関節を大きく動かすことで筋肉の伸長と収縮を繰り返す「ダイナミックストレッチング(動的ストレッチ)」。
他にも少し変わったものを挙げれば、パートナーや特殊な器具を使ったストレッチなどもあります。

どの種類のストレッチをどの部分に行うのかによって、それぞれ効果は異なってきます。
ストレッチには大きなポテンシャルが秘められているわけですが、私たちの多くはそれらについて、あまり知らないのではないでしょうか。
私たちがストレッチに対して期待している主な効果は、およそ以下の3点になるかと思われます。

ケガの予防

ストレッチを行うと、体の柔軟性が向上し関節の可動域が広がります。また、自分の体をいろいろな角度からストレッチングすることで、筋肉を正しく動かせるようにもなってきます。
関節の可動域を広げ、正しく筋肉を使うことができれば、思いがけない転倒の回数も減らせるため、捻挫や靭帯損傷といった大きな外傷を負うリスクも下げることができます。

普段あまり運動をしていない人が運動をはじめるような場合には、自分がイメージする動きやポーズができるようになるまで、入念にストレッチを行う必要があるでしょう。

疲労の回復

運動後の疲れがなかなか抜けない人にもストレッチはオススメです。
運動直後にクールダウンとしてストレッチを行い、その上で十分な睡眠をとると、疲労物質の排出が促進されて回復速度が早まります。さらに翌日も続けてストレッチを行えば、より高い回復が期待できます。

また、逆に運動不足による血行不良が原因で、体が疲れやすくなっている人にもストレッチは有効です。

肩コリ・首コリの改善

ストレッチを行うと、肩まわりや首まわりの筋肉(主にインナーマッスル)がほぐれて血行がよくなりますので、肩コリや首コリの改善が期待できます。
もちろん、悪い姿勢や生活習慣などの改善をしなければ根本的な解決には至りませんが、それらと並行して行うことで、慢性的な肩コリや首コリから早期に解放される可能性が高まります。

「マッサージ」による改善も考えられますが、マッサージではコリの原因解消に関与するインナーマッスルへのアプローチが弱いという点や、筋肉を伸ばすという動作が少ない点において、ストレッチの方がより改善効果を得やすいとも言われています。

ストレッチで痩せる?

ストレッチには多くの効果があり、あまり知られてはいませんが「ダイエット」にも効果が期待できると言われています。

とはいっても、大幅に体脂肪を減少させるようなものではなく、むくみを抑えてスッキリさせたり、筋肉の張りをやわらげてサイズダウンを図るようなアプローチで痩身を目指すものになります。
また、ストレッチは体脂肪の減少に対する直接的な働きこそ持っていませんが、間接的にはとても重要な働きをもっていると言えます。

では、「ストレッチによって体が痩せる」というメカニズムは一体どのようなものなのでしょうか。
それぞれ見ていきましょう。

むくみの改善

むくみとは皮下組織に余分な水分が溜まっている状態ですので、溜まっている水分が多ければ多いほど、顔や脚などが膨れ、体重も重くなります。
ストレッチによってむくみ状態を改善し、溜まっている水を減らすことができれば、その減らした分だけサイズダウンや体重減少が見込めるというわけです。

筋肉太りの改善

有酸素運動や筋トレによるダイエットで体脂肪が落とせても、かわりにガチガチの筋肉が、太ももやふくらはぎにたくさんついてしまっては、シャープというよりマッスルな印象を与えてしまいます。
ストレッチによって筋肉を柔らかくほぐせば、ガチガチの「筋肉太り」の状態から、しなやかでシャープなレッグラインを目指すことができます。

代謝の改善

ご存知の通り、ダイエットを行う上で「代謝」が良いことはとても重要です。
代謝が良いと消費されるエネルギー量が多くなり、消費されるエネルギー量が多くなると、その分だけ体は痩せていきます。

ストレッチを行うと筋肉の温度が上がり、体全体も温かくなってきます。
一説では「体温が1度上がると、代謝量は13%上がる」と言われていますので、ストレッチを行って体温を上げれば、それだけ代謝も改善されてダイエットに繋がるという訳です。

運動機能の改善

ストレッチを行うと「筋膜(きんまく)」と呼ばれる部分も柔らかくなるため、体をスムーズに動かすことができるようになります。筋膜とは読んで字のごとく「筋肉を包み込んでいる膜」のことですが、実際には筋繊維1本1本の中にまで入り込んでいる状態で、体全体に張り巡らされています。  

悪い姿勢の継続などによって「筋膜の癒着(筋肉などにひっついて固くなる状態)」が起こると、筋力とともに運動パフォーマンスも低下します。
ストレッチによって筋膜をゆるめると運動がしやすくなり、結果として運動量が増えてダイエットに繋がります。

食事量の改善

厚生労働省の報告によりますと、ストレッチにはリラクゼーション効果もあると言われています。
全身ストレッチを30分ほど行うと、前頭葉ではアルファ波が増加し、副交感神経も活性化するということが明らかになっているそうです。

よくダイエット中にストレスが溜まり、その発散として過食をしてしまう人を見聞きしますが、ストレッチを十分に行えば、そういった食欲の暴走もある程度はコントロールすることができるようになると考えられます。

効果的なストレッチ方法

ダイエットに効果的なストレッチ方法を3つご紹介します。
これら以外にも効果的なストレッチ方法は多くありますが、まずは気になる「お腹・お尻・太もも」の3カ所から始めてみましょう。

お腹

腹部と脇下の伸長を狙います。

①ヒザをついて四つんばいになる(両手を肩幅、両脚を腰幅に開く)
②左手を右手の前に置く
③お尻を後方に引く
④この状態で左の脇下に意識を集中させ、十分に伸長させる
⑤伸長させながら息を大きく吸い込み、その後、しっかりと吐ききる
⑥これを左右3回ずつ行う

お尻

股関節の動きの改善を狙います。

①正座をする
②お尻の左半分を、左足の左側に落とす
③お尻の右半分を、右足の右側に落とす
④これを左右2回ずつ行う   

より効果を出すためには両腕も使います。

①正座をする
②両手の親指を互いにひっかけた状態で、両腕を真上に上げる
③の際、肋骨も一緒に引き上げるようなイメージで十分に上げきる
④その状態をキープしながら、上記の要領でお尻を左右に動かす
⑤これを左右5回ずつ行う

太もも

太ももの前側と内側の伸長を狙います。

①ヒザをつかずに四つんばいになる(両腕を肩幅に開き、腕立て伏せのような体勢)
②右手の右側に、右足をつく
③右太ももの前側と内側に意識を集中させ、十分に伸長させる
④反対側も同様に行う
⑤これを左右2回ずつ行う

ダイエット効果を高めるポイント

ダイエット効果を十分に引き出すには、「いつ・どのように」行うのかを意識しておくことも大切です。
これらを意識せずにストレッチを行うと、十分な効果を引き出せないだけではなく、思わぬデメリットが生じる可能性もあります。

いつ行うと効果的か

①起床後
一日の始まりにストレッチを行っておけば、日中はずっと体が動きやすくなり、その結果、消費エネルギー量を増やしやすくなります。

②運動前
筋肉の温度や体温を上げることで、運動パフォーマンスが上がり、その結果、消費エネルギー量を増やしやすくなります。

③運動後
ストレッチによって疲労回復を早めると、次に行う運動までのインターバルが短縮されることにも繋がります。その結果、消費エネルギー量を増やしやすくなります。

④就寝前
就寝前にストレッチを行うことで心身ともにリラックス状態となり、スムーズな入眠や快眠が期待できます。良質な睡眠をとることと、体が健康的に痩せることには、多くの因果関係が報告されています。

どのように行うと効果的か

①ポーズが完成してから30秒キープ
一つのストレッチを5~6秒で終えていませんか?
また、ポーズ(筋肉が伸長した状態の姿勢)が決まらないうちに時間のカウントを始めていませんか?
しっかりと筋肉を伸長させるには「ポーズをきめてから」30秒間ほどキープすることが大切です。

②呼吸を止めて行わない
ストレッチはリキんだ状態ではうまく行うことができません。
息を止めると気づかぬうちに体はリキみ、おまけに血圧も上がってしまいます。
極力、息を吐く時間を長くとるように意識することで副交感神経が優位になり、リキみもとれて楽にストレッチを行うことができます。

③「少し痛いけど気持ちいい」がベストポーズ
柔軟性を上げるには、いつも動かしている範囲よりも、もう少しだけ動かす範囲を広くとる必要があります。
つまり、ストレッチは「少し痛いけど気持ちいい」と感じられるようなポーズで行うのがベストです。
ただし、痛みを強くすればいいというものではありません。強い痛みに耐えながら無理にストレッチを行うと、筋肉を傷めることになりますので十分注意しましょう。

④伸ばしている部分に意識を向ける
筋トレなどでもよく言われることですが、狙っている部分に意識を向けることがとても大切です。
同じようなポーズをとったり、手順通りにストレッチを行っても、その部分に意識が向いていないと効果が薄れたり、別の部分のストレッチングになってしまうことがあります。

⑤徐々に有酸素運動や筋トレをプラスする
ストレッチを行うと、筋肉の柔軟性が向上して可動範囲も広くなります。
また、代謝も上がって健康な状態に近づきますので、自然と体を動かしたくなるでしょう。
そのタイミングが訪れたら、少しずつ有酸素運動や筋トレを取り入れてみて下さい。
ストレッチとそれらの運動の相乗効果によって、きっとダイエットがより一層加速していくのを感じることができるでしょう。

さいごに

近年、私たちの社会はPCやスマートホンなどのテクノロジーの進化によって効率的なものになりました。生活面においても「IoT家電」と呼ばれるものが誕生し、ますます暮らしが便利になりつつあります。

しかしこういった恩恵とは裏腹に、私たちは体を動かす機会が徐々に減っていき、身体的には様々な弊害が生まれるようになりました。
このような傾向は今後も続くことが予想され、ともすると強まる気配さえ感じられます。私たちはそういった変化や傾向をきちんと自覚して、自分たちの体をしっかり守り、メンテナンスをしていく必要があるのではないでしょうか。

今回ご紹介した「ストレッチ」には、まだまだ紹介しきれないほどの種類やメリットがあります。
ぜひ、そういったものも参考にしながら、ボディーメンテナンスの一環として活用してみてはいかがでしょうか。

▼おすすめ動画


参考文献

ストレッチ専門店 Dr.stretch「ストレッチの重要性と効果について」

https://doctorstretch.com/magazine_11

EPARKリラク&エステ「【悩み別】疲労回復ストレッチ3選|慢性疲労・ストレス・運動後に」

https://mitsuraku.jp/kiji/recovery-from-fatigue-stretch

株式会社ゼネラル「クオーツコンディショニング|ストレッチで得られる効果は?効果が出るまでの期間や実施すべき時間帯も紹介」

https://www.tokushinkai.or.jp/quartz-conditioning/media/beauty-lifestyle/stretch/stretch-effect/

バリード・ジャパン「STRETCHEX|ストレッチのメリット コリ、痛み、冷え性、むくみの根本的改善に効果的」

https://stretchex.jp/merit.html

みんチャレブログ「ストレッチダイエットでなぜ痩せる?メカニズムと効果的なやり方を解説」

https://minchalle.com/blog/stretching-diet

グリコ「POWER PRODUCTION MAGAZINE:エネルギー消費の大半を占めるのは基礎代謝。効果的に上げるには?」

https://cp.glico.jp/powerpro/training/entry28/

健康長寿ネット「筋膜リリースの効果と方法」

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/kimmakuririsu.html

厚生労働省「e-ヘルスネット|ストレッチングの効果」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-006.html

BODY ARCHI「ダイエットの効果を出すならストレッチがおすすめ!」

https://bodyarchi.com/article/017/

B-by-C株式会社「COREFIT COMUMN|「筋膜の癒着」ってなに?【保存版】」

https://core-fit.jp/product/facepointer/column/column-1613/

書籍「世界一伸びるストレッチ」中野ジェームズ修一 著