唇の乾燥やダメージの原因とは?カサカサ荒れた唇のケア方法 | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

唇の乾燥やダメージの原因とは?カサカサ荒れた唇のケア方法

「ふっくらとして潤いのある唇」と「乾燥してヒビ割れた唇」──。
どちらの方が好印象かは、言うまでもないでしょう。

唇はわずか数センチの顔のパーツですが、相手に与える印象は良くも悪くも大きいと言えます。
女性の場合、日常的にメイクをすることもあって、男性よりも唇ケアの重要性を実感している人は多いようです。
しかし中には誤ったケア方法によって、逆に唇が乾燥したり、状態が悪くなっている人もいるようです。

そこで、今回は「唇の乾燥やダメージ」の原因、症状、予防方法などについてまとめました。
女性はもちろん、男性でも日々の唇ケアにあまり効果を感じていない人は、ぜひ参考にしてみて下さい。

唇の乾燥やダメージの原因とは?

唇が乾燥しやすいのは主に冬ですが、冬の乾燥した空気だけが唇を乾燥させているわけではありません。
どのようなものが原因になっているのか、それぞれ見ていきましょう。

原因①:エアコンの暖房・冷房

エアコンで暖房をかけると、室内の湿度は下がり、空気が乾燥します。
そして肌や喉が乾燥するように、唇も乾燥してしまいます。
また、唇は他の肌(皮膚)とは構造が異なっており、もともと水分が蒸発しやすい部位であるため、エアコンの影響を受けやすいのです。

【他の肌との主な構造の違い】
・角層が薄い ── 水分をためにくい
・皮脂膜(皮脂腺や汗腺)がない ── 肌のバリア機能が低い  

エアコンによる乾燥は冬の暖房だけではなく、夏の冷房によっても生じますので、どちらの季節であってもエアコンを使用する際には室内を加湿する必要があります。

原因②:マスク

人によっては「マスクをつけると唇が潤う」と考えている人もいるようです。
しかし、そのような状態は、ただマスクの内側が蒸れているだけであって、唇が水分を保持しながら潤っているわけではありません。
それどころか、マスクを外すと蒸れていた唇の水分が蒸発して、逆に乾燥を引き起こすことがあります。
また、マスクをつけて会話をしたり、マスクを何度も着脱したりすると、摩擦(こすれ)が生じて唇がカサつくこともあります。

原因③:紫外線

紫外線も唇にダメージを与え、乾燥の引き金になることがあります。
紫外線は一年を通して地上に降り注いでいますが、特に夏は太陽の高度や日照時間の関係で、大量の紫外線が長く降り注ぐため、唇のダメージも大きくなりがちです。(4月頃から紫外線が増え始めます)。
その上、唇は他の肌(皮膚)よりも「メラノサイト[※1]」が極端に少なく、紫外線がほぼダイレクトに真皮[※2]にまで届いてしまうため、大きなダメージを負いやすいといった特徴があります。
夏の紫外線や室内環境(冷房)のことなどを考えると、唇のケアは「夏」も必要だということがお分かり頂けるのではないでしょうか。

※1. メラニンを作って紫外線から肌を守る細胞
※2. 皮膚表面にある「表皮」の下層にある肌組織   

原因④:食べ物や食事のしかた

たとえば、激辛カレーや激辛ラーメンなど、商品名に「激辛●●」という記載があるものの多くは刺激(ダメージ)が強く、唇にとっては良くない食べ物です。七味やカラシ、ワサビなど、辛味のある香辛料をたくさん使用している料理は、唇にとっては刺激が強いためオススメできません。

「食事のしかた」においては、食べカスや摩擦に注意をする必要があります。
たとえば、食後の唇に食べカスが長く残っていると、その食べカスが唇にダメージを与えて、唇が乾燥したり荒れたりすることがあります。
また、そういった食べカスを唇から取り除く際に、カサカサのティッシュやナプキンなどで力強く拭うと、唇は大きな摩擦ダメージを負うことになります。
ティッシュやナプキンを使用しても構いませんが、それらは比較的摩擦が大きく、食べカスも拭いきれないことが多いので、できればウェットティッシュで優しく拭ってあげると良いでしょう。    

原因⑤:口元の癖

無意識に行っている「口元の癖」が、唇を乾燥させたりダメージを与えたりしている場合があります。
口元の癖というのは、たとえば「唇を舐める・唇を噛む・唇を触る」といったものが挙げられます。
 「噛む」や「触る」という癖は、唇に物理的なダメージを与えるため、唇にとって悪い癖であることを皆さんもきっと納得頂けることでしょう。
しかし「舐める」という癖に関しては、唇が唾液(水分)で濡れるので、唇にとっては良い癖(行動)なのではないかと思う人もいるかもしれません。
唇を唾液で濡らすと、マスクで蒸れたときと同様に唇が潤ったように見えますが、唇についた水分が蒸発する際に、もともと唇にあった水分も一緒に引き連れて蒸発する(蒸発しやすくなる)ため、逆に乾燥が進むことになります。つまり、逆効果というわけです。

無意識に唇を舐めてしまう癖を持っている人はもちろんのこと、意図的に唇を水で濡らして潤わせている人も改める必要があるでしょう。

唇の乾燥やダメージによって起きる症状

唇の乾燥やダメージによって起きる症状は、一般的には「唇荒れ」と呼ばれています。
ただ、ひとくちに唇荒れといっても症状や程度はさまざまです。
唇荒れの主な症状とはどのようなものなのでしょうか。
それぞれ簡単に見ていきましょう。

ひび割れや皮むけ

いわゆる「唇荒れ」と呼ばれる症状です。
唇荒れにはいろいろな種類がありますが、一般的なものとしては「ひび割れ」や「皮むけ」が挙げられます。
ひび割れは口を開けて笑ったり、食べ物をほおばったりすると、ひび(亀裂)が広がって出血する場合があります。
また、皮むけもマスクの内面にひっかかったり、手で無意識に触ったりしていると、皮がちぎれて出血する場合があります。
どちらも紙で手指を切った時のような、ヒリヒリとした痛みを伴います。 

口角炎

唇が乾燥すると、口角(こうかく)が炎症する場合があります。
口角というのは口の両端(唇の両端)のことで、ここが炎症すると、赤く腫れるだけではなく、ひどい場合には裂け目が生じることもあります。この裂け目は、笑ったり食べたりするとさらに広がり、そこから出血することもあるのです。
また、ひび割れや皮むけの時と同様に、ヒリヒリとした痛みを伴います。 

ただれ

あまり見られないケースですが、まれに唇がただれてしまうこともあるようです。
たとえば、水疱(水ぶくれ)ができたり、かさぶたができてしまうこともあると言われています。
ここまでくると、ひび割れや皮むけのような症状よりも見た目が悪くなるため、場合によってはマスクで隠さなくてはいけない状況もあるかもしれません。 

唇の乾燥やダメージの予防方法

上記のような症状を起こさないようにするためには、まず「唇は他の肌よりも弱い」ということをしっかりと認識しておく必要があるでしょう。そして肌と同様、きちんとケア(乾燥予防)を行ってあげることが大切です。
唇の乾燥を防ぐ方法について、それぞれ見ていきましょう。

加湿をする

上記でも説明しましたが、唇が乾燥する原因の一つには「エアコンの暖房・冷房」が挙げられます。
暖房にせよ、冷房にせよ、エアコンを使用するときには「加湿」も一緒に行って、室内の湿度を適正に保つようにしましょう。
加湿器をたくのが効率的ですが、他にも部屋干しをしたり、入浴後に浴室のドア(湯船のフタ)を開けておいたりする方法などもあります。           

加湿を行うと、唇以外にも肌(皮膚)や頭皮、喉などの乾燥も一緒に防いでくれますので、全身の乾燥予防としてもオススメです。       

リップクリームを塗る

唇は「ダメージに弱く水分も蒸発しやすい」といった特徴がありますが、その主な理由は「皮脂膜」がないことによります。
リップクリームをつけると、含有されている油分が「皮脂膜」の代わりとなり、唇をダメージや乾燥から守ってくれるのです。

口紅を塗る場合には、先にリップクリームを唇に塗り、十分になじませてから、口紅を塗るようにして下さい。
そうすることによって乾燥が防げますし、唇の縦じわがリップクリームによって「パテ埋め(充填)」されるため、口紅ノリが良くなります。
ただし、リップクリームや口紅を塗る際には「塗り方」に注意しましょう。
唇の端から端を「横一文字」に塗ってしまうと、摩擦が生じて唇が荒れる原因になります。
逆に、「縦」に塗ると摩擦が少なくなるだけではなく、リップクリームが縦じわの奥にまで入り込むため、保湿効果が高まり、縦シワも目立ちにくくなります。

簡単ラップパック
リップクリームを塗った後にラップで覆う方法もあります。
密閉させた状態で時間をおくので、奥からほぐれて皮膚が柔らかくなります。

【ラップパックの手順】
①唇を温める
ホットタオル(蒸しタオル)を唇に3分ほど当てて、角質をふやかし柔らかくします。

②リップクリームを塗る
唇全体にリップクリームを塗り、上下にやさしくマッサージします。

③ラップをして5分おく
その後、唇をラップで覆います。この時、空気が入り込まないようにピッタリと密着させます。
5分程おいたらラップを外しましょう。  

水分補給

先ほど唇の乾燥予防には「加湿」が大切だとお話ししましたが、それと同じくらい大切なのは、体の内側を潤わせること、つまり「水分補給」です。

夏は汗をかく機会が多いため、体内水分量の減少に対して意識が向きますが、冬はそのような機会が少ないため、体内水分量の減少に気づきにくいと言われています。
冬であっても、忘れずこまめに水分補給を行い、体内水分量とともに唇の水分量もしっかりとキープするようにしましょう。

※下記の記事では、「上手な水分補給の仕方」については解説しています。
ぜひ参考にしてみて下さい。
【乾燥肌には水分補給!乾燥を防ぐ上手な水分補給の仕方とは】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/28407/

唇の乾燥・唇荒れの対処方法

唇がカサカサになってひどく炎症しているような場合には、皮膚科に行って診てもらうのが一番です(慢性的な症状の場合、病気の初期症状として表れている可能性もあります)。

ただし、原因が「乾燥」にあって、あきらかに症状が軽い場合には、セルフケアという選択肢もあります。
セルフケアは、上記で説明した「予防方法」も含めて、たくさんの種類があります。
その中でも、特に簡単で効果的なものと考えられるのが「医薬品のリップクリーム」を使う方法です。

リップクリームの主な役割は「唇に油分を与える」ことにありますが、商品によってはそれ以外の役割(効能)を併せ持っているものもあります。

・乾燥改善用(配合成分例:ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリンなど)
・炎症改善用(配合成分例:グリチルリチン酸、グリチルレチン酸ステアリルなど)
・ひび割れ改善用(配合成分例:アラントインなど)など

リップクリームは「化粧品・医薬部外品・医薬品」の3つに大別され、そのうち上記のような症状(乾燥や炎症、ひび割れなど)の治療には「医薬品のリップクリーム」が適しています。

さいごに

唇がひび割れたり、口角に裂け目ができたりすると、その傷口を広げないようにするため、あまり口を開かなくなります。
そうなると、会話や返事が淡泊になり、笑顔も不自然でぎこちないものになります。
このような状態では、親しい友人や大切な人とのコミュニケーションがうまく取れなくなってしまいます。
また、学校の面接や会社の商談などでは、感情表現がうまく伝わらず、相手に不愛想な印象を与えてしまうことにもなりかねません。

唇は小さなパーツ(部位)ではありますが、コミュニケーションや感情表現をする際には、欠かすことのできない重要なキーパーツとも言えます。「加湿・リップクリーム・水分補給」といった乾燥予防をしっかりと行い、唇の潤いをキープするように心掛けましょう。


参考文献

肌育研究所「唇の乾燥対策!乾燥する原因とリップケアの方法を紹介」

https://www.yuskin.co.jp/hadaiku/detail.html?pdid=65

資生堂「春の紫外線量は真夏と同じ!-おすすめUVカットアイテム&選び方のポイント」

https://www.shiseido.co.jp/sw/beautyinfo/DB008858/

再春館製薬「荒れた唇とサヨナラ! 乾燥、荒れの原因と正しいリップケア方法」

https://www.saishunkan.co.jp/domo/column/skin-troubles/tips-for-lip-care/

埼玉県皮膚科医会「口唇炎・口角炎」

http://saitamahifuka.org/public/dermatosis/口唇炎・口角炎-2/

ミナカラ「リップクリームの選び方|医薬品と薬用の違いは?【唇の荒れ・乾燥のケア】」

https://minacolor.com/blogs/articles/6877

美的.com「タイプで、違う!リップパックおすすめ【美容賢者の効果的な使い方】」

https://www.biteki.com/skin-care/trouble/278091