浄水器を使う5つのメリットとは?注意点も理解して導入しよう | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

浄水器を使う5つのメリットとは?注意点も理解して導入しよう

美味しく安全な水をいつでも飲むことができる浄水器。自宅や職場などに設置しようと考えている人も多いのではないでしょうか。

しかし、人によっては「わざわざ浄水器を設置しなくてもよいのでは?」「浄水器を使うとどのようなメリットがあるのだろう?」と疑問に思うかもしれません。この記事では、浄水器の仕組みやメリット、使用時の注意点について説明します。

そもそも浄水器とは?

浄水器を使用するメリットを知る前に、まずは浄水器がどのようなものかを理解することが大切です。

以下では、浄水器の仕組みや普及した背景、整水器との違いについて説明します。

浄水器の仕組み

浄水器とは、活性炭やろ過膜などの「ろ材」に水道水を通すことで、水に含まれている不純物を取り除く機器のことです。

日本の水道水は、世界の基準からみても非常に安全性が高いといわれています。しかし、消毒のために使われる塩素が水分中のアンモニアなどと結びつくと、発がん性の懸念がある「トリハロメタン」という物質や、カルキ臭が発生してしまいます。浄水器を使えば、それらの成分を気にせずに手軽においしい水を飲めるのです。

なお、実際に除去できる物質は浄水器のフィルターによって異なります。どの物質を除去できるかは「家庭用品品質表示法」によって表示が義務付けられているので、購入時にチェックするようにしましょう。

浄水器が普及した背景

「一般社団法人 浄水器協会」によると、浄水器が初めて発売されたのが、1965年となっています。1970年代には、年間販売台数が100万台を超えました。その後ブームが落ち着きますが、1975年前半に水環境が悪化したことで再び浄水器の需要が増え、1984年には年間販売台数が135万台を突破したのです。

1985年を過ぎると、空梅雨・水不足に伴う水源の水質悪化で「水がまずい」という声が広まり、浄水器の需要はさらに高まりました。それまで浄水器に関する明確な基準が設けられていませんでしたが、 1990年になると日本水道協会が「給水器具型式審査基準」を制定し、浄水器の公的基準が初めて確立したのです。

その後も1999年に日本工業規格(JIS)家庭用浄水器の試験方法が制定されたり、2002年に「家庭用品品質表示法」の指定品目になったりするなど、より消費者が安心して浄水器を使える基準の制定が進みました。現在ではこれらの基準のもと、多くの家庭や事業所に浄水器が使われています。

浄水器と整水器の違い

また、浄水器と似た機器に「整水器」があります。言葉自体も似ているので「浄水器と整水器の違いがわからない」という人も多いのではないでしょうか。

すでに説明したように、浄水器は「水道水に含まれている不純物を取り除く」ことを目的としたものです。

一方の整水器とは、浄化した水をさらに電気分解して「電解水素水(飲用アルカリ性電解水)」を生成する機器になります。整水器は、医薬品医療機器等法(旧薬事法)で「胃腸症状の改善」効果が認められた家庭用医療機器であることが浄水器との大きな違いです。

また、電解水素水はカルシウムやマグネシウム、ナトリウムといったミネラル類を、原水の5%~20%多く含んでいるという特長もあります。飲用はもちろん、料理に使うことで素材の持ち味を引き立ててくれるので、より美味しい食事を楽しめるといわれています。

浄水器を使うメリットとは

浄水器についての知識が身に付いたら、次は浄水器を使うメリットを知っておきましょう。浄水器を使うメリットには、上の3つが挙げられます。

手間がかかりにくい

浄水器は、最初に設置する作業が生じるものの、一度設置すれば水道水と同じ感覚で手軽に使えます。また、カートリッジの種類にもよりますが、フィルター交換の頻度は半年から1年となっており、そこまで頻繁にメンテナンスする必要がありません。フィルター交換の手間も大きくないので、一度覚えればスムーズに交換できるでしょう。

「ミネラルウォーターやウォーターサーバーであれば、フィルター交換の必要がないので、より手間がかからないのでは?」と思うかもしれません。しかし、ミネラルウォーターの場合は、店舗で購入して自宅まで持ち運ばなければならなかったり、空き容器を処分したりする必要があります。ウォーターサーバーを設置する場合は、配達ボトルの受け渡し作業、ボトルの交換作業が発生します。

浄水器を設置すれば、そうした手間がかかりません。高齢者や女性でも簡単に管理できるので、設置するメリットは大きいでしょう。

ランニングコストを抑えやすい

浄水器の種類によっては、導入コストが高くなるものもあります。しかし、浄水器を一度導入してしまえば水道水と同じ感覚で使い続けられるので、導入後のランニングコストを抑えやすいです。

一方、ミネラルウォーターやウォーターサーバーでは、水を使えば使うほどコストが高くなります。「家族で美味しい水を楽しみたい」、「料理にも美味しい水を使いたい」という人は、コストを気にして水を使いづらくなるかもしれません。浄水器を導入すれば、ランニングコストを抑えて美味しい水をたくさん使えます。

お風呂やシャワーに使えるものもある

浄水器は飲用や料理用として使うものだと思われがちですが、種類によってはお風呂やシャワーに使えるものもあります。

先述したように、浄水器は水道水に含まれる残留塩素の濃度を抑えられます。お風呂やシャワーで使えば、やわらかいお湯の感覚を楽しめるでしょう。また、浄水器は、水道水に含まれている残留塩素以外の不純物も取り除くことが可能です。沐浴で使えば、デリケートな赤ちゃんの肌にも安心でしょう。

浄水器を使う注意点とは?

ここまでは、浄水器を使うメリットについて説明しました。浄水器にはたくさんのメリットがありますが、利用する際にはいくつかの注意点があります。

常温の水にしか使えないものもある

先述したように、浄水器の中にはお風呂やシャワーに使えるものもあります。しかし浄水器には、35度以上のお湯を使えないものも多いです。

もし、決められた温度以外の水やお湯を通すと、水道水をろ過するためのろ材の劣化を早めたり、ろ材の中の有害物質が流れたりする可能性があります。ろ材の劣化が早まれば、それだけカートリッジの交換時期が短くなり、ランニングコストが高くなります。浄水器は、決められた温度の範囲内で使いましょう。

フィルターによっては水道水との違いを感じられない場合がある

浄水は水道水がろ過されたものなので、人によっては普通の水道水と違いを感じられない場合があります。

特に、目の粗いフィルターは残留塩素が多い傾向があり、そうした事が起こりやすいです。価格が安いからといって品質の良くないフィルターを選ぶと、塩素が十分取り除けず、独特の臭いが残りかねません。水の味にこだわりたい場合、ろ過性能も確認して選ぶようにしましょう。

取り付けにコストがかかるタイプもある

浄水器にはいくつかの種類がありますが、取り付けにコストがかかるタイプもあります。
たとえば、蛇口(水栓)そのものが浄水器になった「蛇口直結タイプ」は、水栓の交換や工事が必要なため、価格は数万円程度のものが多いです。また、浄水器の本体をシンク下に設置する「アンダーシンクタイプ」は、ほかの浄水器と比べて大型でろ過能力が大きいので、価格は5~20万円程度になります。場合によっては業者による取り付け工事が必要になり、本体価格に加えて工事費用が発生するケースもあります。

もちろん、コストがかかるだけ大きなメリットを受けられますが、予算に応じて適切な浄水器を選ぶことも大切です。

まとめ

ここでは、浄水器の概要やメリット、導入する際の注意点について説明しました。

浄水器を使えば、水道水よりも美味しく安全に水を飲めるでしょう。しかし、浄水器のメリットを活かすためには、注意点を知っておくことも大切です。ここで説明した内容を参考にして、浄水器を導入する必要性を判断しましょう。


参考文献

「浄水器ってどんなもの?」一般社団法人 浄水器協会

http://www.jwpa.or.jp/aq_jo.html

「浄水器協会年表」一般社団法人 浄水器協会

http://www.jwpa.or.jp/nenpyo.htm

「浄水器水栓の浄水はお湯が使えますか?また、浄水通水温度はどれくらいですか?」LIXIL

https://faq.lixil.co.jp/print/faq/5724