浄水器を上手に活用するために知っておきたい7つのポイント | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

浄水器を上手に活用するために知っておきたい7つのポイント

浄水器を設置している家庭が増えています。飲み水や料理、ミルク作りによりおいしい水を楽しむために欠かせないのが、浄水器。でもそもそも浄水器ってどのようなものなのでしょうか。

メリットやデメリットは?どんな種類がある?浄水器を使う前に知っておきたい浄水器の基礎知識をまとめました。

水道水の現状と浄水器の必要性

浄水器を使う前に、そもそも浄水器は本当に必要なの?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

浄水器を設置するかどうか決める上では、水道水について知っておくことが大切。日本の水道水はどのような水なのでしょうか。

水道水は安全か

日本の水道水は、蛇口をひねるだけで簡単に利用でき、水質も非常に優れていることが知られています。

日本の水道水質は水道法によって「水質基準51項目」というものが定められており、これに適合するものであることが義務付けられています。

例えば大腸菌に関しては検出されることが許されていませんし、摂取することで発癌性が疑われる総トリハロメタンについても0.1mg/L以下となっています。

これによって、日本の水道水は飲み続けても人体には問題がなく、しかも味わいも良いものとなっています。

水道水の課題

では水道水に何の不満もないかと言えば、そうとも言えないのではないでしょうか。

まず通常の浄水処理では、すべての不純物を完全に取り除くことが難しいと言われています。

例えば水中に残ってしまった植物プランクトンが、生臭いような臭いの原因となることもしばしば。プランクトンが発生しやすい夏などは、実際にこのような臭いを感じたこともある方が多いかもしれませんね。(こうした問題を解決するために、近年では高度浄水処理を行っているところも増えています。)

もう一つは、塩素です。塩素は水道水の消毒のためには欠かせないものであり、実際に蛇口時点での残留量が0.1mg/Lになるように定められています。しかしこの塩素が、カルキ臭と呼ばれる、プールのような独特の消毒臭の原因にもなってしまうのです。

水道水中に含まれる塩素の量というのは摂取しても人体に問題のないレベルと言われていますが、その影響が気になるという人も多いようです。

また、地域やマンションなどの住宅条件によっては、原水や処理方法、配水方法などの問題から、特に臭いなどが生じやすいケースもあるようです。

浄水器の必要性

浄水器を使う上では、このような水道水の現状を踏まえて、浄水器の必要性をきちんと再検討してみることも必要です。
特に以下のような点に当てはまる場合には浄水器の設置を考えてみても良いかもしれません。

  • 飲み物や料理においしい水を使いたい
  • 赤ちゃんのミルクなど、特に水の安全性にこだわりたい

浄水器のメリット・デメリット

浄水器を使う上では、そのメリットとデメリットの両方を知っておく必要があります。

浄水器のメリットとデメリットはどのようなものなのでしょうか。

メリット

  • 安心でおいしい水を手軽に利用できる
  • その都度ボトル入りの水などを購入する手間が省ける
  • ゴミが出ない

浄水器を使うメリットというのは当然おいしい水を利用できるようになるということ。

また、ペットボトル入りの水を購入するのと比べて簡単で、ゴミが出ないというのもメリットです。

デメリット

一方浄水器のデメリットや、使用する上で気を付けなければならないこととして、次のようなものが挙げられます。

  • 設置場所が必要
  • 初期費用がかかる
  • 定期的なお手入れが必要
  • 塩素を除去するため、長期間の保存はできない

浄水器はシンクなどに設置スペースが必要になるほか、イニシャルコストが大きいという面があります。

また、安心しておいしい水を楽しむために、浄水器本体のお手入れや、浄水器を通した水の取り扱い方にも注意が必要です。

浄水器の種類

近年では様々な種類の浄水器が販売されるようになっています。ろ材・形状にはどのようなものがあり、それぞれどのような特徴があるのでしょうか?自分に合ったものを見つけて、上手に活用したいですね。

ろ材(カートリッジ)

浄水器になくてはならないのが、不純物を取り除くためのろ材です。ろ材によって除去可能な物質や寿命が変わりますので、浄水器を選ぶ際の大きなポイントだと思います。

カートリッジは一定期間ごとに交換が必要となります。

・活性炭

表面に無数の微孔があり、ここに不純物(特に有機物やカビ臭のもととなるものなど)が吸着します。さらに残留塩素を分解します。

浄水器のろ材としては一般的で、ろ過膜と組み合わせて使われることが多いです。

・ろ過膜

非常に小さな穴を持つ膜で、一般細菌類などをブロックします。

中でも多く使われるのが、0.1ミクロンほどの穴が空いた糸を束ねた「中空糸膜」と呼ばれるものです。

・セラミック

ろ過膜と同じく微細な孔によって不純物を除去します。

熱湯や薬品に強いというメリットがある一方、表面積を大きくすることができないため目詰まりが起こりやすいというのが難点です。

・イオン交換樹脂

水中に含まれるイオンを吸着し、代わりに無害のイオンを放出するという仕組みで、主に鉛イオンなどの除去に役立ちます。

・逆浸透膜

RO膜とも呼ばれるもので、半透膜で仕切りをして圧力をかけることで、水分子だけを通過させるという仕組みです。

ほとんどすべての物質を除去することができると言われていますが、家庭用浄水器としてはまだそれほど普及していません。

タイプ

浄水器には、タイプ(形状)による違いというのもあります。大きさやデザインはもちろんですが、浄水能力やコストについてもよく考えて選ぶ必要があります。

・蛇口直結型

蛇口に取り付ける簡易タイプで、スーパーなどでも購入でき、値段も数百円程度からと手頃です。

ただしコンパクトなだけにろ過能力は小さく、カートリッジの交換回数も多くなります。

・据え置き型

本体をシンク脇に置き、ホースで蛇口と連結して使用するタイプで、現在の浄水器の中ではもっとも一般的なものとなっています。

数万円から数十万円と価格帯は広く、種類も豊富です。当然ながら本体の設置スペースは必要になります。

・アンダーシンク型

蛇口ではなくシンク下の配管部分に設置するタイプの浄水器で、ろ過能力も大きく、シンク周りがすっきりするのがメリット。

取り付け工事が必要となる場合も多く、新築や改築の際に取り入れる人も多いようです。

・ポット型

ポットや水差しのような形をしたもので、蛇口などに連結せずに独立して使用できるタイプ。

一度に浄水できる量は少ないですが、持ち運びできるという点がメリットです。

・元栓直結型(セントラル型)

水道メーター以降の水道管に設置するタイプで、キッチンだけではなく、お風呂や洗面所など家中の水全てを浄水することが可能となります。

工事は大規模なものとなりますが、新築等の際には検討する価値があるかもしれません。

・携帯用

水道水ではなく、河川の水や雨水、プールの水などを浄水するもので、災害時やアウトドアの際に役立つとして注目が集まっています。ドリップ式やストロー式など様々なものがあります。

・蛇口一体型

蛇口そのものが浄水器となったタイプで、シンク周りがスッキリします。

浄水シャワー

浄水器というと、キッチンで使うものというイメージをお持ちの方も多いと思います。一方近年普及しているのが、お風呂で使う浄水シャワーです。

水道水に含まれる塩素は髪や肌にも良くない影響を与えることがあると心配されており、それを除去するために浄水シャワーが使われているのです。

浄水シャワーには次のようなタイプがあります。

  • シャワーヘッドタイプ
  • ヘッドとホースの間に取り付けるタイプ
  • 固定据え置きタイプ

自宅のシャワーに設置可能かどうかを確認してから購入するようにしましょう。

浄水シャワーはお湯を通すこと、塩素の除去を最大の目的としていることなどから、一般的な浄水器とはろ材が異なる場合が多いようです。

価格は数百円から数千円程度のものが多く、どんなものか試してみたいという方も気軽に始めてみることができそうです。

まとめ

それでは最後に、浄水器についてまとめておきます。

  • 日本の水道水はそのまま飲んでも問題ないが、よりおいしい水を楽しむために浄水器を設置する人もいる
  • 浄水器を使う前に、メリットとデメリットの両方を知っておくことが大切
  • 浄水器にはろ材や形状に様々な違いがあるほか、お風呂で使う浄水シャワーも人気を集めている

<参考文献>
「水道水水質基準」厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/suishitsu/01.html)
一般社団法人浄水器協会
(http://www.jwpa.or.jp)