トリム・ミズラボ 清涼飲料水の糖分量と表示の見方 清涼飲料水ケトーシスについて | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム
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コンビニや自動販売機などでよく見かける清涼飲料水。種類が多く、それぞれとてもおいしそうです。

しかし、これらの内いくつかの商品には、糖分がかなり含まれていることをご存知でしょうか。商品によっては、500mlのペットボトル飲料を1本飲んだだけで、1日の摂取目安量をオーバーするものもあります。

糖分は疲労回復には役立ちますが、過剰に摂取すると、肥満や虫歯のリスクを高めることになります。また、糖尿病を誘発する「清涼飲料水ケトーシス(ペットボトル症候群)」に陥る可能性もあり、注意が必要です。

今回は「清涼飲料水に含まれる糖分」と、「清涼飲料水ケトーシス」について解説をしていきます。

清涼飲料水について

清涼飲料水という名称は「爽快感」や「のど越しのよさ」を連想させます。そのため、ジュースやスポーツドリンクだけを指した名称だと勘違いされることがあります。しかし、清涼飲料水のカテゴリーには、意外に多くの飲料が含まれています。

食品衛生法の定義によると、清涼飲料水とは「乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料」のことを指しています。つまり、乳製品ならびにアルコール飲料を除くすべての飲料が清涼飲料水ということになります。

清涼飲料水の中には、ジュースやスポーツドリンクのほか、野菜飲料やコーヒー飲料、甘酒なども含まれています。

清涼飲料水に含まれる糖分

WHO(世界保健機関)は、一日の食事以外での糖分摂取量は、一日の総カロリーの5%未満に抑えるのが望ましいと発表しています(2015年)。これは平均的な成人の場合、「約25g未満」に抑えることを意味しており、1本3gのスティックシュガーで換算するとだいたい「8本分」にあたります。

では、清涼飲料水の糖分量はどのくらいなのでしょうか?

上記に述べた通り、清涼飲料水のカテゴリー範囲はとても広いため、一概に言うことはできませんが、それらの内のいくつかの飲料には驚くほど大量の糖分が使用されており、500mlのペットボトル飲料を1本飲むだけで、すでにWHOの指針基準をオーバーするものもあります。

【糖分を多く含む清涼飲料水の例】

ペプシコーラ500ml── 59.5g

コカ・コーラ500ml── 56.5g

三ツ矢サイダー 500ml── 55.0g

ファンタグレープ 500ml── 50.0g

ポカリスエット 500ml── 31.0g

「無糖」「低糖」「微糖」という表示

糖分を気にされる方にとっては、コーヒー飲料などの容器に付されている「無糖」「低糖」「微糖」といった表示類もとても気になるのではないでしょうか。それぞれの表示の定義や違いについて見ていきましょう。

まず、各表示に冠されている「無」「低」「微」という言葉は「強調表示」と呼ばれ、食品衛生法の栄養成分表示において使用が規定されています。

清涼飲料水の場合、100mlあたりの糖類が0.5g未満の場合は「無糖」と表示できることになっています。そして、100mlあたりの糖類が2.5g未満の場合は、「低糖」や「微糖」と表示することができます。また、似たような表示として「甘さひかえめ」といった表示などもしばしば見受けられますが、このような表示については個人差があるため、特に法律で定められた基準はないようです。

無糖 ────── 100mlあたりの糖類が0.5g未満

低糖・微糖 ─── 100mlあたりの糖類が2.5g未満

甘さひかえめ ── 法律の定めなし

意外かもしれませんが、「無糖」という表示がされてある飲料であっても、若干量の糖分が使用されている場合があります。そのため、「無糖」「低糖」「微糖」といった表示だからといって沢山飲みすぎてしまうと、気がつかない内に糖分の取りすぎになってしまうことがありますので、気をつけましょう。

糖分含有量の表示の見方

清涼飲料水に含有される糖分量を知るには、パッケージに印字されてある栄養成分表示の「炭水化物」の項目を見ます。炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものですが、清涼飲料水の場合は、ほぼ「炭水化物=糖質」という解釈になります(※一部、食物繊維の量が極端に多い清涼飲料水の場合はこの限りではありません)。

具体的に含有量を計算するにあたり、チェックすべき項目は「①内容量」「②単位量」「③単位量当たりの炭水化物量」の3つです。

【パッケージ表示の例】

栄養成分表示(100ml当たり) ②単位量

──────────────

エネルギー      54kcal

ナトリウム      2mg

炭水化物        13.5g  ③単位量当たりの炭水化物量

──────────────

ペットボトル1本=500ml  ①内容量

【計算式】

内容量 ÷ 単位量 × 単位量当たりの炭水化物量

「炭水化物」の項目だけをチラッとみて判断すると、含有されている糖分量は少ないと思いがちです。しかし、上記の場合「13.5g」というのは、あくまでも100mlあたりの糖分の含有量になります。

この例ではペットボトルの内容量は5倍の500mlですので、実際の糖分の含有量は「67.5g」になります。

もし皆さんの身近に何らかの清涼飲料水があれば、上記の計算式を使って糖分含有量を計算してみて下さい。

そして、できることなら、実際にその量の砂糖を目の当たりにしてみて下さい。きっと清涼飲料水への見方が変わることでしょう。

「清涼飲料水ケトーシス」の危険性

皆さんは「清涼飲料水ケトーシス」という言葉を聞いたことがありますか?清涼飲料水に含まれる糖分の話題において、まず外せないのが、この「清涼飲料水ケトーシス」という言葉です。

清涼飲料水ケトーシスとは、清涼飲料水に含まれる「糖分」の取り過ぎによって引き起こされる病態です。病態のレベルによっては倦怠感や嘔吐などの軽症で済む場合もありますが、最悪の場合には意識障害なども引き起こす非常に危険な病態です。

通常、私たちの体の中の糖分は、膵臓から分泌されるインスリンによって分解され、エネルギー源となります。しかし、糖分を過剰に摂取することによってインスリンの働きが相対的に低下し、糖分がエネルギー源として使えなくなります。

そのような状態になると、糖分の代わりに脂肪やたんぱく質がエネルギー源として使われるようになります。そして、その際に「ケトン体」と呼ばれる物質が副産物として発生し、それが体内に多く蓄積することで「ケトーシス」という状態に陥るのです。

このケトーシス状態の原因が「清涼飲料水の多飲」によるものであれば、「清涼飲料水ケトーシス」という名称で一般的には呼ばれることになります。

この「清涼飲料水ケトーシス」という名称は、1993年に久留米大学の山田研太郎らの論文「ケトーシスを伴って急性発症する肥満NIDDM症例 清涼飲料水ケトーシス」によってはじめて発表された名称で、別名「ペットボトル症候群」とも呼ばれています。

この論文では、NIDDM(インスリンを必要としない糖尿病、2型糖尿病)の素質をもっている人が、血糖が高くなっているのに気づかないで清涼飲料水を多飲することの危険性を発表しています。

また、論文では清涼飲料水ケトーシスの発症は、男性が女性の4倍多かったと報告されています。そして、症状の外見的特徴については「急激な体重の減少」がみられ、減少前の平均体重は「男性97.5kg」「女性76.2kg」と肥満の人が多かったとも報告されています。さらに、清涼飲料水ケトーシスを起こした人で、以前に糖尿病と診断されていた人は少なく、ほとんどが清涼飲料水ケトーシスを起こして、初めて糖尿病と診断されていたといいます。

成人病にならないよう気をつけている中高年の方は、清涼飲料水の常飲・多飲を控えるよう注意が必要です。しかし、実は清涼飲料水ケトーシスは、たとえ子供であっても大人同様に注意が必要と言えます。

「子供は風の子」という諺にもある通り、子供は大人と比べて水分代謝が非常に高く暑がりです。そのため水分に対する要求がとても強く、冷えた飲み物には目がありません。

ジュースやスポーツドリンクのように冷たい飲料は甘さを感じにくいため、子供たちは飽きることなくいくらでも飲んでしまいます。その結果、清涼飲料水ケトーシスに陥る危険性が非常に高いのです。現代、増えつつある小児肥満も清涼飲料水の多飲が大きく影響していると考えられています。こういった成人病因子を未然に防ぐには、ご両親の対策や協力が必要と言えるでしょう。

さいごに

水分補給を効果的に行うためにスポーツドリンクを多飲する人も多くいるようですが、糖分の過剰摂取というリスクがあることを忘れてはいけません。また、健康に良いからといって果汁ドリンクを多飲することも、同様のリスクがあります。こういったリスクのない自然な水分補給を行うには、やはり「お水」が最適と言えます。ジュースや炭酸飲料は、嗜好品の一つとして、適量の範囲内で楽しむようにしましょう。

                                                   《参考文献》
厚生労働省「品目コード(飲料(H))」
(https://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tetsuzuki-fains/2-10h.html)
食品安全委員会「食品安全関係情報詳細」
(https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu04220570294)
厚生労働省 e-ヘルスネット「嗜好飲料(アルコール飲料を除く)」
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-014.html)
全国清涼飲料連合会「清涼飲料水Q&A」
(http://www.j-sda.or.jp/sp/qa_view.php?id=55&cat=1#:~:text=飲料100mlあたり、糖類2.5,糖」と表示できます。)
CASIO keisan 生活や実務に役立つ計算サイト「清涼飲料水に含まれる糖質の量の計算」
(https://keisan.casio.jp/exec/system/1542350598)
CiNii「ケトーシスを伴って急性発症する肥満NIDDM症例 清涼飲料水ケトーシス」
(https://ci.nii.ac.jp/naid/130004338062/)
サントリー「ペプシコーラ 商品情報(カロリー・原材料)」
(https://products.suntory.co.jp/d/4901777351431/?_ga=2.228760341.881163674.1644288185-571888783.1644288185)
日本コカ・コーラ「コカ・コーラ|製品情報」
(https://www.cocacola.co.jp/brands/coca-cola)
アサヒ飲料「三ツ矢サイダー PET500ml|炭酸飲料|商品情報」
(https://www.asahiinryo.co.jp/products/carbonated/mitsuya_cider/)
日本コカ・コーラ「ファンタ|製品情報」
(https://www.cocacola.co.jp/brands/fanta)
大塚製薬「ポカリスエット基本情報|ポカリスエット公式サイト」
(https://pocarisweat.jp/products/pocarisweat/)
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