排便の仕組みとは?便秘解消のために正しい排便について知ろう

毎日の排便、スムーズに行われていますか?きちんと便を出すことは、心身ともに健やかに過ごすためには大切なことです。

では、そもそも正しい排便ってどのようなものなのでしょうか?私たちが口にした食べ物は、どのようにして消化・吸収され、また便として排出されていくのでしょうか?

便秘を予防・解消するためにも、正しい排便のメカニズムを知っておくことが大切です。ここでは、排便の意味やその仕組みについて詳しく見ていきます。

排便とは

排便とは文字通り、便(大便)を出すことを指します。「便=食べ物のカス」と思っている方も多いかもしれませんが、便にはそのほかにも水分や腸内細菌、毒素なども含まれます。割合的には70%ほどが水分であり、食べ物のカスは10%ほどと言われています。また便が茶褐色をしているのは、消化の過程で胆汁などの分泌液が混ざるためだそうです。

便は私たちの体の状態を計るバロメーターです。食生活はもちろんのこと、水分補給、また運動やストレスなども便の出方に大きく影響を与えます。

排便は私たちが心身ともに健康に過ごすために欠かせないもの。便の状態をきちんとチェックすることで、自分の生活を見直す機会にもなるのです。

ちなみに、理想の便とは一般的に次のようなものだと言われています。

バナナ形
茶褐色
1回200g程度
出方 便意を感じたときにスムーズに出る

便が軟らかいまたは硬い、少ない、赤や黒い色をしているなどといった場合には、排便のメカニズムや体調に何らかの不調が生じている可能性もあります。毎日の排便で、自分の体の状態をチェックしてみてはいかがでしょうか。

<参考>

「薬事情報センター 6.便でわかる体の調子」一般社団法人愛知県薬剤師会

https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3543.html

排便のメカニズム

では、食べ物は私たちの体でどのように消化され、排便されていくのでしょうか?各器官の役割とともに、消化・排便の流れをみていきます。

口に入った食べ物はまず歯で細かく砕かれ、唾液と混ぜ合わされることで、消化しやすい形になります。

胃では蠕動運動と胃液の分泌によって、食べ物をドロドロの粥状にします。

十二指腸

十二指腸では、腸液や、膵臓から送られる膵液によって本格的な消化が行われます。また胆のうから送られる胆汁に含まれる成分が便を褐色にすると言われています。

小腸

空腸と回腸を合わせた小腸部分では、主に栄養素の吸収が行われ、残りを大腸へ送ります。

大腸・結腸

小腸から運ばれてきたものは、大腸で水分が吸収され、残りカスが便として形成されていきます。

そして腸内で“くびれ”を移動させる「蠕動運動」と、同じ場所を伸縮させる「分節運動」を起こすことによって、便を直腸へと運びます。

大腸・直腸

直腸とは、肛門とつながった大腸の末端20センチほどの部分。ここに便が到達すると直腸壁が伸び、直腸が便を出しやすい形になると同時に、脳に信号が送られ便意を感じさせます。

肛門

肛門には、自分の意思では動かすことのできない内肛門括約筋と、自分の意思で締めたり緩めたりできる外肛門括約筋とがあります。便意を感じた段階で内肛門括約筋は緩みますが、外肛門括約筋は締まった状態になっており、便を出そうといきむことによって、両方の括約筋が緩んで便が外に出されます。

このように、消化と排便にはさまざまな器官が関わっています。「便秘=腸のトラブル」と思われがちですが、実は胃や十二指腸などそのほかの器官のトラブルが便秘の原因になっている場合もあります。

歯が痛くてものが噛めない、胃痛がするなど、便秘のほかにも思い当たる症状がある方は、それらも合わせて調べてもらうことが大切かもしれません。

<参考>

「栄養に関する基礎知識」国立研究開発法人国立循環器病研究センター

http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diet/diet01.html#-1-2

排便と反射の仕組み

排便においては、欠かすことのできない2つの「反射」があります。

胃・大腸反射

まず、私たちの胃に食べ物が入った段階で、脳から信号が送られることによって腸が蠕動運動を始めます。これが「胃・大腸反射」です。これによって食べ物のカスや腸内細菌などが便として形成され、直腸に向けて運ばれていくのです。

この反射は胃が空っぽのときほど強く起こりやすいとされています。朝食後に排便が起こりやすいのもこのためです。

ですから朝ご飯を抜きがちという方は、胃・大腸反射からの排便のタイミングを逃してしまい、便秘になりやすいと言われています。

排便反射

胃・大腸反射が起き、腸内に溜まったものが直腸に送られます。すると脳に信号が送られ、私たちの意思とは関係なく「排便したい」という感覚がもたらされます。同時に肛門を締めている括約筋が緩み、排便しやすい態勢が整います。これが「排便反射」の仕組みです。

このとき、せっかくサインが送られているにも関わらず排便を行わないでいると、直腸に便が滞留する「直腸性便秘」になりやすくなります。

便意を感じたのに、外出先であったために排便を我慢してしまった…。排便したくなったのに、時間がなくて我慢してしまった…。このような方は直腸性便秘になりやすく、注意が必要です。

またこのような「反射」には、自律神経のうち、リラックスしているときに強く作用する副交感神経が 大きく関係していると言われています。食事をしてリラックスしているときや、帰宅して落ち着いたときなどに排便が起こりやすいのも、この副交感神経の働きと言われています。

スムーズな排便のためには、1日のうちでリラックスして排便を行える時間を作ることが大切です。

まとめ

それでは最後に、排便の仕組みをまとめておきます。

  • 便の70%ほどは水分であり、そのほか食べ物のカスや腸内細菌などでできている
  • 便の形や色、また排便の様子などによって、体の状態がわかることも多い
  • 口、胃、十二指腸、小腸、大腸でそれぞれ消化や吸収が行われ、残りが便として形成されていく
  • 胃にものが入ると腸が運動を始める「胃・大腸反射」、直腸に便が到達すると便意を感じる「排便反射」によって排便が促される

<参考文献>

一般社団法人愛知県薬剤師会 https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3543.html

国立研究開発法人国立循環器病研究センター http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diet/diet01.html#-1-2

厚生労働省 e-ヘルスネット

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-010.html