腸内環境ってどんなもの?悪化する原因や腸内環境を整える方法について
腸内環境が乱れると、便秘や下痢といったお腹の不調が起こりやすくなります。
さらには、肌トラブルやアレルギー、また生活習慣病といった厄介な病気に繋がるリスクも高まります。腸内環境の良し悪しは、健康状態の良し悪しに強く関係するのです。
では、私たちの健康を大きく左右する腸内環境とは、一体どのようなものなのでしょうか?
今回は、腸内環境の基礎知識をはじめ、悪化する原因や整える方法などについて解説します。
目次
腸内環境ってどんなもの?

腸内環境は、私たちの心身の健康に深く関係しています。その影響は、体の内側(体調・病気)と外側(髪・肌・体型)、さらには気分や思考といった脳の働きにまで及びます。それほど重要な存在でありながら、腸内環境について詳しく理解している人は意外と多くありません。
腸内環境について学ぶことは、心身の健康を学ぶことに直結します。
まずは、腸内環境の基礎知識について学んでいきましょう。
免疫細胞の7割が存在
腸には、口から侵入してくる細菌やウイルスと戦う免疫器官としての役割があります。私たちの体に存在する免疫細胞のおよそ7割は腸に集中しており、外から侵入してくる異物と日々戦っているのです。
腸内環境と免疫システムは密接な関係があり、腸内環境が悪化すると免疫力が低下し、風邪やインフルエンザにかかりやすくなると言われています。また、免疫システムの異常は花粉症やアトピーなどのアレルギー性疾患にも繋がります。さらに最近の研究では、肥満や糖尿病などの生活習慣病にも腸内環境が大きく関係していることが明らかになってきました。
膨大な数の腸内細菌が存在
腸内には、多種多様な細菌が存在しています。その数は諸説ありますが、以下の見方が有力視されています。
種類数:1000種類以上
数 量:1000兆個以上
お母さんのお腹にいるときの赤ちゃんは無菌状態ですが、産道を通る際にお母さんの細菌に触れることから始まり、外界のさまざまな菌を取り込んでいくのです。こうして増殖した菌は、同じ種類ごとに集まって腸内に群生しています。この様子がまるで花畑(フローラ)のようであることから、「腸内フローラ(腸内細菌叢⦅ちょうないさいきんそう⦆)」という呼び名が付けられました。
腸内フローラの状態は、誰一人として同じということはありません。一般的には3歳頃までにその人の腸内フローラが形作られると言われますが、その後も加齢や生活習慣などによって少しずつ変化していきます。
腸内細菌は3つに大別される
腸内に生息している細菌は、大きく3つのグループに分けられます。理想的な腸内細菌のバランスは、善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%と言われています。しかし、何らかの原因で悪玉菌が優勢になると、腸内環境が悪くなり、さまざまなトラブルが起こりやすくなるのです。
腸内環境が悪化する原因

腸内細菌のバランスが崩れ、腸内環境が悪化してしまう主な原因には、以下のものが挙げられます。
加齢
母乳やミルクのみを口にしている赤ちゃんの腸内細菌は、ほとんどがビフィズス菌(善玉菌)です。しかし、離乳食を始めた頃から少しずつ悪玉菌が増えていき、善玉菌と勢力争いをするようになります。そして多くの人は、50~60代頃にはウェルシュ菌などの悪玉菌が善玉菌の数を上回るようになると言われています。
加齢による腸内環境の変化はやむを得ない面もありますが、生活習慣に気を付けて、悪化をできるだけ防ぐことが大切です。
食生活
日本人はもともと野菜や穀類を中心とした食生活を行っていましたが、食の欧米化により、悪玉菌のエサとなるたんぱく質や脂質の摂取量が増え、腸内環境が乱れやすくなったと言われます。肉類中心の食生活や、インスタント食品の摂り過ぎに気を付けましょう。
また、お酒の飲みすぎも腸内環境に悪影響を及ぼします。
適量の飲酒は、楽しい気分や食欲を増大させるなどのよい効果が期待できますが、飲み過ぎると腸内で毒素が増加し、腸内細菌のバランスが崩れると言われています。
ストレス
腸の働きには自律神経が大きく関係しています。自律神経には、リラックス時に優位になる副交感神経と、活動時に優位になる交感神経があります。このうち、胃腸の働きを活発にするのは副交感神経です。食後に眠くなるのも、胃腸が働いて副交感神経が優位になるためと考えられています。
一方、ストレスや緊張を感じているときには交感神経が優位になり、胃腸の働きが低下して便秘や下痢などのトラブルが起こりやすくなります。こうした状態が続くと、腸内環境の悪化に繋がると言われています。
便秘
便秘によって腸内に滞留した便は、次第に腐敗し、悪玉菌のエサとなってその増殖を促すと言われています。腸内環境が悪化することでさらに便秘を引き起こすという悪循環に陥ることも多いため、注意が必要です。
便秘の原因としては、加齢や運動不足によって腸の緊張や蠕動(ぜんどう)運動が低下することや、便意を感じても我慢してしまうことなどが挙げられます。
薬剤
使用する薬剤の種類によっては、腸内細菌のバランスを崩してしまうおそれがあります。
以下の3つは、腸内細菌のバランスを崩すおそれがある薬剤の例です(影響の強い順)。
①消化器疾患治療薬(胃薬、便秘薬など)
②糖尿病薬
③抗生物質
抗生物質が腸内細菌に影響することは知られていますが、抗生物質よりも消化器疾患治療薬や糖尿病薬の方が、影響は強くでると言われています。
腸内環境が悪化するとどうなる?

腸内環境が悪化すると、以下のようなことが起きやすくなります。
【体の内側】
不調:便秘や下痢など消化機能が乱れやすくなる
感染症:免疫力が低下して風邪や感染症にかかりやすくなる
重度の病気:大腸がんや生活習慣病のリスクが高まる
【体の外側】
髪:細く弱くなり、抜けやすくなる
肌:吹き出物や乾燥などの肌トラブルが起こりやすくなる
体型:太りやすくなる(痩せにくくなる)
【脳】
気分:イライラや不安感が強まり、気分が落ち込みやすくなる
思考:集中力や記憶力が低下し、思考が鈍くなる
腸内環境を整える方法
善玉菌を増やして腸内環境を整えるためには、何をすべきなのでしょうか?
有効な方法として、以下のものが挙げられます。
・食生活の改善
・生活習慣の改善
・腸を温める
・腸によい水を飲む
それぞれについて、見ていきましょう。
食生活の改善
腸内環境を整える方法の中で、もっとも重要なものは「食生活の改善」です。これをおろそかにすると、他の取り組みがすべて台無しになってしまうと言っても過言ではありません。
食事の摂り方に注意する
食生活において、特に注意すべきは「食事の摂り方」です。
まずは、朝昼晩の三食を規則正しく摂りましょう。
朝食を抜いたり、夜遅い時間に食事を摂ったり、間食を頻繁に摂ったりすると、腸に負担がかかって腸内環境が乱れやすくなります。
また、バランスよく食べることも大切です。たとえば、肉類中心の食生活は悪玉菌を増やす原因になりますので、野菜類や海藻類もしっかり食べ、バランスを取るようにしてください。
その他、以下の摂り方も、腸の負担を減らすため、腸内環境の改善に繋がります。
・よく噛んでゆっくり食べる
・腹八分目を心掛ける
・間食を控えめにする など
善玉菌を直接摂取する
善玉菌を直接摂取して、腸内の善玉菌の数を増やすという方法があります。たとえば、食品パッケージなどでよく目にするビフィズス菌や乳酸菌などは、善玉菌の一種になります。
「ヨーグルト、チーズ、納豆、味噌」などの発酵食品を積極的に取り入れるほか、整腸剤を活用するのもおすすめです。
なお、摂取した善玉菌は腸内に長く定着できないため、なるべく毎日継続して摂取しましょう。
善玉菌のエサになるものを摂取する
善玉菌のエサになるものを摂取して、その増殖を促すという方法もあります。たとえば、オリゴ糖や食物繊維などは、善玉菌のエサになります。
オリゴ糖は「大豆、ごぼう、たまねぎ、アスパラガス、バナナ」などに多く含まれていますので、それらを積極的に摂取するとよいでしょう。
一方、食物繊維は野菜や海藻などから摂れますが、善玉菌のエサとして摂取するのであれば、水溶性食物繊維を多く含んでいるものを摂るとよいでしょう [※]。「ごぼう、オクラ、りんご、みかん、わかめ、ひじき」などに多く含まれます。
※. 食物繊維は水溶性と不溶性に大別され、不溶性食物繊維は便のカサを増やして排便を促すなど、別のアプローチで腸内環境を改善してくれます。
生活習慣の改善
普段何気なく行っている生活習慣が、腸内環境を左右します。
次のような点に注意して、腸内環境の改善に努めましょう。
適度な運動を行う
日本人の便秘のタイプとして特に多いのは「弛緩性便秘」と呼ばれるものです。これは、腹筋力が低下することで腸の緊張が緩み、蠕動(ぜんどう)運動が行われにくくなることで、便が滞留してしまうものです。
弛緩性便秘を予防・解消するためには、腹筋運動を行って下腹部の筋力を鍛えることが大切です。これによって腸が刺激されるのに加え、排便の際に必要となる”いきむ”力が付くと言われています。
ウォーキングのように全身を動かす運動も、腹筋力の強化や、腸の蠕動運動促進に役立ちます。このような運動には、ストレスを解消して副交感神経を活性化させる効果も期待されています。
質のよい睡眠を取る
副交感神経を活性化させて腸の働きを促進するためには、質のよい睡眠を取ることが大切です。太陽の光と共に目覚め、暗くなったら眠るという規則的な生活を心がけましょう。
寝る前にスマホやパソコンを見すぎると睡眠の質が低下します。
ぬるめのお風呂に浸かるなど、良質な睡眠を取れるような工夫をしてみてください。
ストレス解消法を見つける
ストレスを溜めないようにすることも腸内環境改善のために大切なことです。運動や睡眠のほか、旅行、人と会うなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
ストレスの原因や症状、対処法について知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
【ストレスとは何か?原因や症状、対処法について解説】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/30913/
腸を温める
腸内細菌を増やす条件はいくつかありますが、その一つに「腸内温度」が挙げられます。
善玉菌:腸内温度が高いと増える
悪玉菌:腸内温度が高くても低くても増える
どちらの菌も「腸内温度が高いと増える」ため、一見すると腸を温めても腸内環境は改善されないように思えます。しかし、腸を温めることと、健康的な食生活を送ることをセットで行うことで、徐々に腸内環境が整っていき、最終的には善玉菌が優位になると言われています。
腸内温度は、血の巡りを良くすることで高められるので、その意味でも習慣的な運動は重要です。
腸によい水を飲む
毎日飲むだけで手軽に「腸活」ができる、腸によい水があることをご存じですか?それは、整水器によって作られる電解水素水です。
整水器とは胃腸症状の改善に効果が認められた医療機器のことで、胃腸の働きを助け、お通じを良好にする為のものです。ご家庭に整水器を取り付けるだけで、電解水素水が水道水と同じように使えますので、誰でも簡単に腸活が始められます。毎日使う水だからこそ、無理なく自然に腸活を継続できるところが電解水素水の魅力です。
便の状態を確認する

腸内環境を確認するもっとも簡単な方法は、便の状態をチェックすることです。
腸内環境がよいときの便は黄色~黄褐色で、軟らかいバナナ状です。腸内で善玉菌が優勢の状態だと、便の匂いも抑えられます。悪玉菌が優勢の場合、便の色は黒っぽく、匂いもきつくなると言われています。
便の回数には個人差があるため、毎日必ず排便がなければならないというわけではありません。2~3日に1回であっても、スムーズに出て残便感がない状態が理想です。逆に毎日排便があっても、痛みや残便感、腹部の膨満感などがある場合には腸内環境が悪化している可能性があります。
便は腸内環境、そして健康のバロメーター。ぜひ意識してチェックしてみてください。
排便記録アプリ「ウンログ」
便の状態をチェックしたら、「ウンログ」というアプリに記録しておくとよいでしょう[※]。
ウンログは、便の状態(色・形・量など)を日々記録でき、そのデータから排便に関する改善提案を行ってくれる便利なアプリです。医師監修の情報も取り入れられており、腸内環境を意識するきっかけづくりとして活用しやすい設計です。
アプリ内ではキャラクターが登場し、毎日の排便記録をゲーム感覚で行えるようになっています。排便管理に関する機能もしっかりしていて、快便までの道のりを効果的に分かりやすくサポートしてくれます。公式情報では、このアプリを2週間使用したユーザーのうち、便の状態が改善した人の割合は「91.3%」にものぼるそうです。ウンログは無料ですので、まずは一度、お試しで使ってみてはいかがでしょうか?
ウンログの詳細やダウンロードについては、以下のURLよりご確認いただけます。
ウンログ App URL:https://unlog.co.jp/services/unlog/
※.ウンログは、国内最大級115万人が利用している「№1腸活サポートアプリ」です。
さいごに

今回は、腸内環境を決める腸内細菌の種類や、悪化の原因、腸内環境を整える方法などを見てきました。
腸内環境はお腹の調子だけではなく、全身の健康状態にも関係する重要なものです。毎日の生活習慣を見直して、理想的な腸内環境を目指しましょう。
また、自分の腸内環境を知るために、毎日の便の様子をチェックすることも大切です。
- 監修者のご紹介 -
参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp
「腸内細菌叢(腸内フローラ)とは」公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenko-cho/chonai-saikin.html
「腸内フローラのバランスは崩れやすい」ビオフェルミン製薬
https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/chonaiflora/environment/
「毎日の食事から腸内環境を整える方法」ビオスリー
https://bio-three.jp/contents/cont09.html
「腸活と生活リズム」文部科学省後援 健康管理能力検定
https://kentei.healthcare/info/column/?p=4698
「腸内環境を整えよう!便は身体のバロメーター【栄養だより2020年2月号】」日本調剤
https://www.nicho.co.jp/column/20200203_c1/
たまプラーザ南口胃腸内科クリニック「腸内環境を悪化させる要因はこれだ!胃腸のプロが徹底解説」
https://www.tamapla-ichounaika.com/knowledge/category/post-41988/?utm_source=chatgpt.com
東海渡井クリニック「認知症、ライム病、ブレインフォグに有効な治療法」
https://tokai-clinic.com/2025/05/08/認知症、ライム病、ブレインフォグに有効な治療/?utm_source=chatgpt.com
Google Play「ウンログ-うんち記録と腸活で健康管理と便秘対策」
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mynew.unlog
ウンログ株式会社「ロイヤル顧客育成型マーケティング支援」
https://unlog.co.jp/
ウンログ株式会社「ウントピ!|自分にあった腸活見つかる」
https://unlog.me/
PR TIMES「株式会社日本トリムのプレスリリース|100万DL突破の腸活サポートアプリ「ウンログ」と業務提携」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000023574.html
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書籍「腸内フローラが生み出す究極の健康物質「醍醐(第五段階発酵物質)」とは?」田中保郎 著