塩分を摂り過ぎた時はどうしたらいい?飲み物や食べ物による対処法や注意点を解説
外食や飲み会の翌朝、鏡を見て顔のむくみに驚いた経験はありませんか?
それは単なる美容上の問題ではなく、体が発する「塩分過多」の危険信号かもしれません。
塩分は体にとって必要不可欠な物質ですが、過剰摂取は高血圧を招き、気づかぬうちに血管を傷つけ、動脈硬化などの重大な病気を引き起こす原因になります。大切なのは、塩分に関する正しい知識を持つこと、塩分量を適切にコントロールすること、過剰摂取後のリカバリー方法を知ることです。
今回は、塩分過多が体に及ぼす影響や、無理なく続けられる予防策、食事や飲み物を使ったケア方法などについて解説していきます。
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目次
塩分を摂り過ぎるとどうなる?
塩は味噌や醤油などの調味料だけではなく、ハムやソーセージ、竹輪やハンペンといった食品そのものにもナトリウムとして含まれています。このナトリウムは体内で、カリウムとともに細胞の浸透圧を維持し、細胞内外の水分調節をしています。
体内に塩分を含むものがたくさん入ってくると、血液中のナトリウム濃度が上昇します。体は血液の濃度を常に一定に保とうとしますので、これを薄めるために水を引き寄せます。
しょっぱいものを食べたあと、私たちは水やお茶がほしくなりますが、それはこういった作用によるものです。そして、塩分を摂り過ぎた後の水分摂取は余計な塩分を排出するメリットもありますが、一時的に体内の血液量が増え、血管に圧力がかかることになります。しかし、このような状態を慢性的に続けると高血圧になるため、塩分の摂り過ぎには特に注意が必要です。
高血圧の原因は「肥満・運動不足・ストレス・過度の飲酒・喫煙・睡眠不足」など様々なものが挙げられますが、「塩分の過剰摂取」も原因の一つと言われています。
高血圧が引き起こす重篤な疾病

高血圧になっても、ほとんどの場合は自覚症状がありません。しかし体内では、徐々に血管の内側の壁が傷つけられ、硬くもろくなっていっているのです。これがいわゆる「動脈硬化」と呼ばれるものです。
本来「動脈硬化」とは、血液中のコレステロールなどが血管の内側の壁にこびりつき、血管の直径(内腔)を小さくしたり、血管を硬くすることで、血流が悪くなる状態をいいます。これはいわば「血管の老化現象」で、誰でも年齢とともにある程度の進行は認められています。
しかし高血圧になると、血管の内側の壁がより傷つきやすくなり、その傷からコレステロールなどが入り込みやすくなります。その結果、動脈硬化の進行が一気に加速してしまうのです。
血管が狭くなり、血流が悪くなると、心臓はさらに強い圧力で血液を押し出さなければならなくなり、ますます血圧はあがります。つまり、「血圧が高い→動脈硬化が早まる→血圧がより高まる」といった負のスパイラルが生じるのです。
この負のスパイラルの回転が続くうちに、次のような重篤な疾病が合併してしまう恐れがあります。
・脳卒中(脳出血、脳梗塞)
・心筋梗塞、心肥大
・慢性腎臓病、腎不全
また、高血圧の人は糖尿病を合併しやすいとも言われています。糖尿病は血糖値を下げるインスリンの分泌や働きが悪くなり、慢性的に血糖値が高くなる病気です。この糖尿病にも血圧を上げる有害メカニズムがあり、それが「血圧が高い→糖尿病を合併→血圧がより高まる」といった新たな負のスパイラルを生じさせてしまうのです。
他にも「塩分の過剰摂取」は、食道がんや胃がんのリスクも高めるといわれています。毎日の食事では、摂取量をオーバーしないように心がけましょう。
塩分の摂取目標量

それでは、塩分の摂取目標量について見ていきましょう。
ただし、塩分に対する感受性は一人ひとり異なりますので、あくまで目安程度に捉えておきましょう。
| 厚生労働省「日本人の食事摂取基準の目標量」 (2020 年版) |
男性(18~49歳):7.5g未満 / 日 女性(18~49歳):6.5g未満 / 日 |
| 世界保健機関「ガイドラインの推奨量」 (2012年版) |
男性(18~49歳):5.0g未満 / 日 女性(18~49歳):5.0g未満 / 日 |
塩分の摂り過ぎを防ぐには?
上記でご紹介した目標量は、健康を守るために最終的に目指すべき重要な指標です。
ただ、長年親しんできた食生活を急に変えようとすると、どうしても食事に不満を感じてしまいます。そうした無理な減塩はストレスになり、結果として長続きしないことが多いようです。
大切なのは、無理に我慢をするのではなく、少しずつ塩分量を減らしていくための工夫やテクニックです。
ここでは、日々の食事の中でストレスなく実践でき、かつ効果の高い減塩のポイントを4つに絞ってご紹介します。
酸味や旨味・香りを活用する
減塩を成功させるための最初のステップは、塩味以外の「味の要素」を上手に活用することです。
塩を減らすと味が薄く感じられがちですが、酸味や旨味を補うことで、満足感を維持したまま塩分をカットできます。具体的には、以下のような食材や調味料を積極的に取り入れてみましょう。
塩分の代わりになる味付けの工夫
・お酢やレモン、スダチなどの酸味を加える
・昆布やカツオなどの出汁を濃いめにとる
・カレー粉、胡椒、唐辛子などのスパイスを効かせる
・シソやミョウガ、ネギなどの香味野菜を多めに使う
このように、舌への刺激や香りをプラスすることで、脳は十分に美味しさを感じることができます。
まずは、いつもの醤油を減らして、レモン汁やお酢を数滴垂らすところから始めてみてはいかがでしょうか。素材本来の味が引き立ち、新しい美味しさに出会えるはずです。
麺類のスープは飲み干さない
日本人の食生活において、無意識のうちに大量の塩分を摂取してしまう最大の要因が「麺類のスープ」です。
実は、ラーメンやうどんの汁をすべて飲み干してしまうと、それだけで1日の塩分摂取目標量に匹敵してしまうケースも少なくありません。逆に言えば、ここを控えるだけで劇的な減塩が可能になるのです。
麺類を食べる際は、以下のルールを徹底してみてください。
麺類を食べる際のルール
・スープはどんなに美味しくても、一口か二口までにする
・一口か二口飲んだ後は、レンゲをさげて、物理的に飲めないようにする
・食後はすぐに水を飲み、口内をリセットしてスープへの未練を断つ
人によっては「出されたものを残すのはマナー違反」と感じる方もいるかもしれません。しかし、血管への負担を減らすためには、勇気を持って残す選択も必要です。
「スープは飲み物ではなく、麺を味わうためのソースである」という意識に変えるだけで、数グラム単位の塩分を確実にカットできます。
調味料はスプレーでかける
みなさんは食卓で醤油やソースを使う際、食材の上から無造作にかけてはいませんか?
実はその一瞬の動作で、小さじ1杯分以上の調味料を使ってしまうこともあります(※醤油の場合、これだけで約1g近い塩分を摂取することになります)。
そこでお勧めしたいのが、スプレーボトル(100円ショップのものでOK)に調味料を詰め替えて使用する方法です。
スプレーボトルを使うメリット
・ワンプッシュが約0.1mlとごく微量で、かけ過ぎを物理的に防げる
・霧状の粒子が広範囲に付着するため、香り立ちが良くなる
・食材の表面全体に味がつくので、舌が塩気を敏感にキャッチできる
醤油差しなどを使って「点」や「線」のようなかけ方をすると、味が濃い部分と薄い部分ができ、物足りなさからつい追加でかけてしまいがちです。しかし、スプレーなら「面」で味付けができるため、少ない量でも脳は「しっかり味がついている」と錯覚し、強い満足感を得られるのです。
「食塩相当量」を確認する
スーパーやコンビニで食品を手に取った際、パッケージの裏側を見る習慣はありますか?
ハムやソーセージ、練り物といった加工食品には、保存性を高めるために多くの塩分が使われています。しかし、これらは舌で感じる塩気と実際の塩分量が一致しない「隠れ塩分」であることが多く、知らず知らずのうちに過剰摂取してしまう危険性があります。
その正体を見破る唯一の方法が、栄養成分表示にある「食塩相当量」の確認です。
実際に数字を見てみると、「想像以上に塩分が高い」という事実に驚き、購入を思いとどまる良いきっかけになります。
また、同じような商品でも、メーカーによって塩分量に差があることにも気づけるはずです。
「数字を見て、より塩分の少ない方を選ぶ」
この小さな選択の積み重ねが、1日の摂取総量を適正にコントロールし、ご自身の血管を守ることにつながるでしょう。
塩分を摂り過ぎた時に摂取したい飲み物とは?
塩分を摂り過ぎてしまった場合、飲み物を使って体外に排出する方法もあります。どのような飲み物があるのかを見ていきましょう。
①水

水分をしっかり摂ると尿量は増加するため、それだけ塩分の排出を促進することになります。しかし、糖分を多く含んだ炭酸ジュースなどで水分摂取をした場合、尿量はたしかに増加しますが、含まれている不要な成分によって体に悪い影響が出ることも考えられます。そういった意味では、水はどの飲み物よりも万人向きと言えるでしょう。
②コーヒー

コーヒーにはカフェインが豊富に含まれています。このカフェインには利尿作用があり、体に溜まった余分な水分や老廃物を尿として排出してくれるため、むくみの解消にも役立ちます。また、その際に過剰に摂取された塩分も尿から排出されるため、塩分を摂り過ぎてしまった時にはおすすめです。
③りんごジュース

りんごにはカリウムが豊富に含まれています。このカリウムには余分な塩分を体外へ排出する働きがあります。カリウムには他にも、血圧を上げる原因となるホルモンのノルアドレナリンや、酵素のレニンの分泌を抑える働きもあります。そうした点からも、りんごジュースはおすすめの飲み物です。
塩分を摂り過ぎた時に試したいその他の排出方法
塩分の排出方法として「飲み物」の活用は、手軽さの観点からもオススメですが、他にも塩分を排出する方法はいくつかあります。それぞれ見ていきましょう。
①カリウムを多く含む食品を摂る
上記でも少し触れましたが、カリウムには余分な塩分を体外へ排出する働きがありますので、飲み物だけでなく、食べ物からも摂取するとよいでしょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によりますと、男性のカリウム摂取目安量は「2500mg/日」、女性は「2000mg/日」となっていますので、これらを目安にして摂取するようにしましょう。
| カリウムを多く含む食品 (数値は100gあたりの目安) |
納豆 ── 660mg 里芋 ── 640mg 小松菜 ── 500mg 水菜 ── 480mg |
②カルシウムを多く含む食品を摂る
骨や歯の材料であるカルシウムは、カリウムと同じく塩分を体外へ排出する働きをもっています。カリウムを含む食品とあわせて、カルシウムを含む食品も積極的に摂取すると良いでしょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によりますと、成人男性(18~49歳)のカルシウム摂取推奨量は「約760mg/日」、成人女性(18~49歳)は「約660mg/日」となっていますので、これらを参考にして摂取するようにしましょう。
| カルシウムを多く含む食品 (数値は100gあたりの目安) |
ヨーグルト ── 120mg 厚揚げ ── 240mg モロヘイヤ ── 260mg サバ缶(汁を除く)── 260mg |
③お風呂に入って汗をかく
汗にはナトリウムなどのミネラル成分が含まれています。つまり、発汗することによって塩分を体外へ排出していることになるのです。
発汗量を多くするためには半身浴よりも全身浴の方が良いと言われていますが、心臓への負担などを考慮すると半身浴の方が安全です。その場合、40度前後のぬるま湯に10分ほど入浴すればOKです。
さいごに

血圧の高い状態を放置しておくと、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞で命を落とすといった事態になるかもしれません。また、病院や健康診断で高血圧を指摘されてから生活習慣の改善を行っても、そういった重篤な病気の罹患を免れないケースも多くあります。こういった状態に陥らないためには、毎日血圧計で測定するなどして、きちんと血圧管理をしておくことが重要です。オムロンヘルスケア株式会社が2021年に行った意識調査(50~60代高血圧患者1000人に調査)では、約4割の人が「もっと早くから家庭での血圧測定を始めておけばよかった」と回答したそうです。「後悔先に立たず」ですね。気をつけましょう。
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参考文献
練馬桜台クリニック「「天然塩なら多く摂っても血圧は上がらない」は本当か?」
https://ehope-med.jp/column/「天然塩なら多く摂っても血圧は上がらない」は/
健康長寿ネット「カリウムの働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-k.html
ひまわり医院(内科・皮膚科)「血圧が高いとどうなる?高血圧の原因・治療や対処法について【食べ物の塩分量も】」
https://soujinkai.or.jp/himawariNaiHifu/hypertension/
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会「動脈硬化 - 生活習慣病」
https://www.japa.org/lifestyle_diseases/main/arteriosclerosis/
全国健康保険協会「【動脈硬化】 メタボが血管の老化現象を加速する」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat450/sb4502/p011/
血液・血管の総合サイト クラシエ「動脈硬化になる仕組みと対処法について」
https://www.kracie.co.jp/ph/k-suisinkai/ketsueki-kekkan/symptom/arteriosclerosis.html
NHK健康チャンネル「血管の石灰化が脳卒中や心不全の原因に 慢性腎臓病のリスクとは」
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_878.html
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社「糖尿病で高血圧のある方へ」
https://www.club-dm.jp/novocare_circle/academy/academy17.html
社会医療法人愛仁会 高槻病院「食道がん」
https://takatsuki.aijinkai.or.jp/feature/cure-esophagus.html
新潟ウェルネス「がん予防 食生活を見直しましょう ~がんになるリスクを減らすために~」
https://www.niwell.or.jp/news/health/000361.html
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)ミネラル(多量ミネラル)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586565.pdf
農林水産省「大切な栄養素カルシウム」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics1_05.html
森永製菓「カルシウムの摂取目安量とカルシウムを多く含む食品を紹介」
https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=189&category=health
ユーグレナ・マイヘルス「塩分と高血圧 - 減塩の為の塩分バランスチェック(食塩摂取量検査キット)」
https://myhealth.euglena.jp/products/salt/article/4
MFSメディカルフードサービス「サバ缶は生のサバより栄養豊富?サバの栄養について徹底解説!」
https://www.medifoods.jp/blog/post-759.html
スーツウーマン「半身浴と全身浴、どちらが汗をかく?」
https://suits-woman.jp/beauty_health/128573/
Medicalook「「塩分の取りすぎで太る」のはなぜ?対処法は?コーヒーがいいって本当?」
https://epark.jp/medicalook/salt-get-fat/
オムロン ヘルスケア「【50~60代高血圧患者1000人に調査】「もっと早くから家庭での血圧測定を始めておけばよかった」と回答した人が4割に」
https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2021/1028.html
スーツウーマン「半身浴と全身浴、どちらが汗をかく?」
https://suits-woman.jp/beauty_health/128573/
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書籍「NHKきょうの料理 高血圧の食事」島田和幸 監修
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https://health2sync.com/ja/blog/soysause-salt-content/
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https://macaro-ni.jp/81808
