浄水器のランニングコストはどのくらい?タイプごとにコストを比較! | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

浄水器のランニングコストはどのくらい?タイプごとにコストを比較!

水道水をより安全で美味しく飲む方法として、「浄水器の設置」があります。しかし、浄水器は、設備を導入しなければならなかったり、定期的なメンテナンスの必要があったりするため、ある程度のランニングコストがかかります。

費用によっては家計の負担が大きくなるので、浄水器導入後のランニングコストをイメージしておくことは大切です。そこで今回は、浄水器の種類ごとにかかるランニングコストや、ランニングコストを比較する際のポイントを説明します。

浄水器のランニングコストとは?

そもそも、「ランニングコスト」とは何でしょうか。ランニングコストは、ある設備などを維持していくためにかかる費用のことです。

これに対し、設備の導入にかかる初期費用のことを「イニシャルコスト」といいます。浄水器を購入する際、イニシャルコスト(本体費用)を気にする人は多いかもしれません。しかし同時に、維持にかかるランニングコストも頭に入れておく必要があります。

浄水器にかかるランニングコストは主に、カートリッジの交換費用です。浄水器を使い続けるとカートリッジに不純物が蓄積するため、定期的に交換する必要があります。カートリッジの費用や交換頻度によってランニングコストは変わるので、あらかじめ確認しておきましょう。

浄水器のランニングコストを把握していますか?

まずは、浄水器を使用している人がランニングコストを把握しているかどうかを見ていきましょう。2021年1月にミズラボ編集部が行った調査では、浄水器の年間ランニングコストを把握している人の割合は、全体の72.4%となっています。

一方、ランニングコストを把握していない人の割合は全体の27.6%でした。必ずしも、浄水器を導入したすべての人がランニングコストを把握しているわけではないようです。

それでは、浄水器のランニングコストはどの程度になっているのでしょうか。また、浄水器のランニングコストを把握できていない理由も気になるところです。以下では、「浄水器のランニングコストはどれくらいなのか」、「ランニングコストを把握できていない理由」を見てみましょう。

(「はい」と答えた人)年間でどれくらいのコストがかかっていますか?

先ほどのアンケートで「はい」と回答した人に、浄水器の年間ランニングコストを聴いてみると、最も多いのは「5,000円~1万円未満」で43.8%でした。次いで多いのが「5,000円未満」で全体の32.4%です。中にはランニングコストに1万円以上かかっている人もいますが、7割程度の人は1万円以内に収まっているようです。

(「いいえ」と答えた人)ランニングコストを把握できていない理由は?

一方、浄水器の年間ランニングコストを把握していない人の声を聴いてみると、「意識したことがなかったから」、「あまり高くなさそうなので特に管理していないから」、「替えるのを忘れていることが多く、買い替えのタイミングがいつもバラバラであるため」と考えていることが分かりました。

人によっては、浄水器のランニングコストはそこまで家計に大きな影響を及ぼさないため、把握する必要性を感じていないようです。また、フィルターを交換するタイミングが一定でないことも、ランニングコストを把握していない(できない)理由となっています。

浄水器の種類ごとのランニングコスト

一般的な浄水器のランニングコストは分かりました。しかし実際は、浄水器の種類によってランニングコストは変わります。浄水器の種類は、次の6つが代表的です。

  • 蛇口直結型
  • 蛇口一体型
  • 据え置き型
  • アンダーシンク型
  • セントラル型
  • ポット型

以下では、浄水器の種類ごとにランニングコストを見ていきます。

蛇口直結型

蛇口直結型は、蛇口に直接取り付けるタイプの浄水器です。

本体価格が比較的安いことや、取り付けに工事が必要ないことから、導入費用を抑えやすいのがメリットです。また、浄水器を置くスペースもいらないので、水回りで場所を取りません。

蛇口直結型浄水器のランニングコストは、年間で数百円から3,000円程度が目安です。フィルター交換は2~6か月に1回程度でよいので、メンテナンスの手間もかかりません。

蛇口一体型

蛇口一体型は、蛇口と浄水器が一体になった浄水器です。こちらも浄水器を置くスペースがいらないので、場所を取りません。また、浄水と原水の切り替えをワンプッシュでできたり、シャワー機能が使えたりするのも蛇口一体型のメリットです。

蛇口一体型の年間ランニングコストは、2,000~5,000円程度となっており、2~4か月に1回程度フィルター交換する必要があります。また、導入する際に蛇口そものもを交換しなければならないので、機種によっては導入コストが高くなる場合があります。

据え置き型

据え置き型は、シンク周辺に設置して使うタイプの浄水器です。浄水器から浄水を出すものや、浄水を水道管に戻して蛇口から出すものがあります。

これまで紹介した浄水器よりもサイズが大きいため、置くスペースを確保しなければなりません。しかし、浄水能力が高いものが多いことから、不純物をしっかり除去できるというメリットがあります。

据え置き型浄水器のランニングコストは、3,000円~1万円程度が目安です。フィルター交換は1年に1回程度なので、長い目で見ると蛇口直結型や蛇口一体型よりもランニングコストを抑えられます。

また、設置工事が不要なものが多いのも、据え置き型浄水器の良いところです。ただし、本体価格は2~8万円程度かかるので、機種によっては導入費用が高くなります。

アンダーシンク型

アンダーシンク型は、シンク下に埋め込むタイプの浄水器です。本体は据え置き型より大きいですが、シンク周りに浄水器を設置しなくて良いので、水回りをきれいに整えられます。ほかの浄水器よりもろ材が大きいので、ろ過能力が高いものが多いのもメリットです。

アンダーシンク型浄水器の年間ランニングコストの目安は、5,000円~1万円程度となっています。フィルター交換は1年に1回程度のものが多いですが、ろ材が大きいぶんフィルターの価格は高くなりやすいです。

また、本体価格は5~20万円程度と、ほかの浄水器と比べると高めです。また、本体とは別に、取付工事費用が発生する場合もあります。長期的にはランニングコストを抑えられますが、導入費用だけで数十万円の支出になる可能性があるので、予算を考えて導入を検討しましょう。

セントラル型

セントラル型は「元栓直結型浄水器」とも呼ばれ、室外の水道メーター付近に設置するタイプの浄水器です。一般的な量販店などでは販売されていないので、「あまり馴染みがない」という人は多いでしょう。

このタイプの浄水器は水道管の大元に設置されるため、浄水範囲が広くなっています。キッチンだけでなくほかの蛇口からも浄水が出るので、家庭だけでなく施設や店舗でも導入されているのが特徴です。

セントラル型浄水器の年間ランニングコストの目安は5~20万円程度と、浄水器の中で最も高いです。フィルターが大きいだけでなく水の処理量も多いので、それだけ多くのランニングコストがかかる場合があります。

フィルター交換は、据え置き型やアンダーシンク型と同様、1年に1回程度のものがほとんどです。専門的な機材の購入や取り付け工事が必要なので、導入費用はアンダーシンク型よりもさらに高くなる傾向があります。

ポット型

ポット型は、その名の通りポットの形をしたタイプの浄水器で、ポットの内部にろ材が組み込まれているのが特長です。ほかの浄水器のように取り付け作業が不要なので、手軽に安全で美味しい水を使えます。

また、ポットをそのまま冷蔵庫に入れられるのもメリットです。冷蔵庫から取り出すだけですぐにきれいな水を使えるので、暑い日の水分補給や料理で浄水を使うときなどに便利です。

ポット型浄水器の年間ランニングコストは、1,000~3,000円程度が目安となっています。本体価格はそこまで高くないですが、フィルターを2~4か月に1回程度交換しなければならないので、長期間使用するほどランニングコストは高くなるでしょう。

浄水器のランニングコストを比較する際のポイント

ここまでは、浄水器の種類ごとにランニングコストを紹介しました。浄水器のランニングコストを比較する際には、上記2つのポイントを意識することも大切です。

ランニングコストをうまく比較して、家計の負担を考えながら浄水器を選びましょう。

本体価格とのバランスを考えて比較する

適切な浄水器を選ぶためには本体価格とのバランスを考えることも大切です。

たとえば、蛇口直結型は本体価格を抑えやすいですが、小型なカートリッジが多いためフィルターの寿命は短くなりがちです。頻繁にカートリッジを交換しなければならないので、結果的にランニングコストが高くなってしまいます。

一方、据え置き型の場合、蛇口直結型よりも初期費用は高くなりますが、フィルター寿命が1年程度と長いので、長期的に見るとランニングコストを抑えやすいです。浄水器を何年使うかは人によって異なりますが、長く使うのであれば据え置き型やアンダーシンク型などのタイプを選んだほうがよいでしょう。

自分の目的に合うフィルターを選ぶ

浄水器にはフィルターを複数のタイプから選べるものもあるため、選び方によってランニングコストが変わります。

たとえば、浄水能力の高いフィルターを選ぶと、それだけ除去できる不純物の種類や量が増えるので価格は高くなります。一方、手頃な価格で手に入るフィルターを選ぶと、ランニングコストを抑えられるものの、浄水能力は限定的になってしまうでしょう。

ランニングコストでフィルターを選ぶのも大切です。しかし、理想とする水を使い続けるためには、浄水器を利用する目的も同時に考えましょう。

まとめ

ここでは、浄水器のランニングコストを種類ごとに紹介するとともに、ランニングコストを比較する際のポイントについても説明しました。

ここで説明した内容を参考にして、費用対効果の高い浄水器を導入しましょう。


参考文献

一般社団法人 浄水器協会

http://www.jwpa.or.jp/