疲労回復におすすめの飲み物6選 | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

疲労回復におすすめの飲み物6選

「しっかり睡眠をとったのに、疲れが抜けない」
「日中の疲れで、家事や仕事、勉強が一向にはかどらない」
そんな慢性的な疲労に悩まされていませんか?

疲労回復のためには、十分な休養とともに“適切な栄養補給”が欠かせません。

今回は、疲労回復をサポートしてくれる飲み物をご紹介します。
あわせて、疲れの原因や慢性疲労のリスク、さらに疲労回復に役立つ成分とその働きについても解説します。
疲労感にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

疲れとは

疲れとは、心身の活動によってエネルギーを消耗し、回復が追いついていない状態を指します。また、疲れは心身からの警告信号でもあり、適切な休息や栄養補給を求めているサインと考えられています。

現代社会では、多くの人が疲れを慢性的に抱えており、生活の質を大きく低下させる要因となっているようです。疲れの症状は体だけでなく心にも現れることがあり、期間も一時的なものから、長期にわたって続くものまで様々です。

また、「疲労感」は主観的な体感として個人差が大きく、同じ負荷でも感じ方は人それぞれです。

疲れを回復させるには、まずはその原因を特定することが重要です。

疲れの原因

疲れの原因は単一である場合もありますが、多くは複数の要因が重なって起こると考えられています。それらの要因は、次の4つに大別することができます。

【身体的要因】
過度な運動や長時間労働による筋肉疲労、睡眠不足による回復の遅れなどが挙げられます。

【精神的要因】
仕事や人間関係のストレス、不安や緊張状態の継続が脳に負担をかけます。

【栄養的要因】
偏った食事による栄養不足、特にビタミンB群や鉄分の不足が疲労感を大きくします。

【環境的要因】
気温や湿度の変化、騒音や光の刺激なども疲労を蓄積させる要因になります。

疲労に対しては、多面的な視点を持ち、場合によっては包括的なアプローチも検討する必要があるでしょう。

慢性疲労のリスク

疲労を放置すると、様々な健康リスクにつながります。
代表的なものの一つが免疫機能の低下で、感染症にかかりやすくなり、回復も遅れがちになります。また、集中力や判断力が低下して、仕事や勉強に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。さらに、自律神経のバランスが乱れることで、不眠や食欲不振、頭痛、めまいといった症状が現れることもあります。

生活に支障が出るほどの疲労が6か月以上続いた場合、慢性疲労症候群の可能性が疑われ、うつ病などの精神的な不調を招く恐れもあるのです。つまり、疲労は早めの対処が大切なのです。

疲労回復に効果的な成分

疲労回復には様々な成分が関わっています。その中でも特に重要な成分を4つ取り上げ、体内でどのように作用するのかを解説します。

成分の作用を知ることで、疲労回復のメカニズムがより理解しやすくなるでしょう。

1. ビタミンB1、フルスルチアミン

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する際に必要不可欠な栄養素で、不足すると糖質からのエネルギー産生が滞り、疲労感や倦怠感が生じやすくなります。つまり、ビタミンB1は疲労回復に直結する成分と言ってもよいでしょう。

しかし、ビタミンB1は水に溶けやすく熱にも弱いため、食材から摂取する場合、調理(水洗い・加熱など)によって失われやすいと言われています。また、一度に多く摂っても、腸から吸収できる量には限界があります。

そういったビタミンB1の弱点を改良して作られたのが、「フルスルチアミン」です。フルスルチアミンは、ビタミンB1の構造を変えて、腸から吸収しやすい形にしているため、吸収率がアップしています。

2. BCAA

BCAAは「バリン・ロイシン・イソロイシン」という3つの必須アミノ酸の総称です。これらはたんぱく質の合成を促し、運動で傷んだ筋肉の修復をスムーズにします。さらに、筋肉で直接エネルギー源としても使われ、カタボリック(筋肉分解)を防ぐ働きもあります。

また、運動中に体内で増えるトリプトファンは、脳内に入るとセロトニンに変わり疲労感を強めますが、BCAAはこのトリプトファンの脳への移行を抑える作用があり、運動時の疲労軽減に役立ちます。

3. クエン酸

クエン酸は、筋肉内の乳酸濃度を低くして、疲労回復を促します。
たとえば、運動後に体が疲労する一因は、体内に乳酸が溜まることとされますが、クエン酸はその乳酸の代謝(エネルギーとして再利用)をサポートすると考えられています。また、クエン酸のキレート作用によって、ミネラル類の吸収も促進されます。

4. 糖質

糖質も疲労回復には欠かせません。特に脳は、糖質を主なエネルギー源としているため、不足すると思考や精神の疲労が生じます。

長時間の運動や作業の後には、筋肉や肝臓のグリコーゲン貯蔵量が減少するため、適切な糖質補給が必要になります。ただし、急激な血糖値上昇を避けるため、吸収の緩やかな糖質を選ぶことが重要です。

疲れた時はどんな飲み物を選ぶのがいい?

疲労時の飲み物選びでは、まず自分の疲れの種類を把握することが重要です。

運動による身体的疲労なのか、仕事や勉強による精神的疲労なのかによって、必要な成分が異なります。たとえば、脱水が原因の疲労には水分と電解質の補給が効果的ですし、血糖値の低下による疲労には糖質の摂取が有効です。

市販の飲み物を利用する場合は、購入前にパッケージに記載されている成分表示を確認し、自分の疲労状態に適した栄養素が含まれているかをチェックしておきましょう。

疲労回復におすすめの飲み物

疲労回復に役立つ飲み物は、意外と身近に多く、比較的安価で購入できます。ただし、それらの飲み物の中には、糖分やカフェインが多く含まれているものもありますので、飲む量やタイミングには注意しましょう。

エナジードリンク

エナジードリンク

エナジードリンクは、疲労回復に役立つ成分を総合的に配合した代表的な飲み物です。多くの商品にはビタミンB群やタウリン、カフェインなどが含まれており、疲労感を軽減する効果が期待できます。

大きなメリットとしては、精神的疲労と身体的疲労の両方に対応できる点が挙げられます。ただし、多くのエナジードリンクは糖分やカフェインを多く含むため、飲みすぎには注意が必要です。目安として1日1本程度にとどめ、連日の飲用は避けるようにしましょう。

また、夜遅い時間の摂取は、睡眠の質を低下させる恐れがあるため、極力避けた方がよいでしょう。

スポーツドリンク

スポーツドリンク

スポーツドリンクは浸透圧の違いによって、アイソトニックとハイポトニックの二つに大別されます。

アイソトニックは、体液とほぼ同じ濃さで作られており、水分だけでなく糖やミネラルをバランスよく補給できるため、運動前などの水分補給に適しています。一方のハイポトニックは、体液より薄いため吸収が速く、激しい運動中や大量に汗をかいた後の素早い水分補給に効果的です。

さらに疲労回復を意識するなら、BCAAを配合したスポーツドリンクを選ぶとよいでしょう。BCAAは筋肉の分解を抑えて修復を助けるだけでなく、脳の疲労感を和らげる働きも期待でき、効率的な疲労対策に役立ちます。

100%果汁ジュース

果汁100ジュース

100%果汁ジュースは、天然のビタミンCやクエン酸を豊富に含み、自然な疲労軽減作用が期待できます。

クエン酸は乳酸の分解や再利用を促進し、ビタミンCは抗酸化作用により活性酸素を除去し、細胞の疲労ダメージを軽減してくれます。特に、オレンジジュースやグレープフルーツジュースには、それらの成分が多く含まれているため、おすすめです。

また、手作りのものであれば、人工甘味料や添加物の心配がないため、安心して摂取できるでしょう。ただし、果糖の過剰摂取は血糖値の急上昇を招く可能性があるため、飲み過ぎには注意が必要です。

緑茶

緑茶

緑茶は、疲労感の軽減や回復をサポートする天然の健康ドリンクです。その働きを支える成分として、「テアニン、カテキン、カフェイン」の三つが知られています。[※] 

・テアニン
リラックス効果をもたらし、集中力を高める作用が期待される

・カテキン
抗酸化作用により疲労の原因となる活性酸素を除去、また血流改善効果も期待できる

・カフェイン
覚醒作用により精神的疲労を緩和する

※. 各成分の含有量は、緑茶を淹れる際のお湯の温度によって変化します。 

甘酒

甘酒

甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれ、疲労回復に必要な栄養素を豊富に含む伝統的な日本の発酵飲料です。

米麹から作られる甘酒には、ブドウ糖、ビタミンB群、アミノ酸(BCAA含む)、オリゴ糖などが、自然な形で含まれています。

・ブドウ糖
摂取後すぐに脳や体のエネルギー源となり、疲労感を素早く軽減する

・ビタミンB群
糖質や脂質の代謝を促進し、効率的なエネルギー産生をサポートする

・オリゴ糖
腸内環境を整えて栄養吸収をスムーズにするなど、間接的に疲労の回復をサポートする

ハーブティー

ハーブティー

ハーブティーは、自然由来の成分によって心身をやさしく癒す飲み物です。

ほとんどがノンカフェインで作用も穏やかなため、寝る前にも安心して取り入れられます。

・カモミールティー
神経を鎮める作用があり、ストレス性の疲労や不眠を和らげてリラックスを促す

・ペパーミントティー
メントールの清涼感で精神的リフレッシュ効果をもたらし、集中力の回復に役立つ

・レモンバームティー
抗酸化作用があり、細胞を酸化ストレスから守ることで疲労回復をサポートする

・ローズヒップティー
豊富なビタミンCによって活性酸素を除去し、細胞のダメージを防ぐ 

さいごに

今回の記事のまとめは、以下のとおりです。

  • 疲れの原因には「身体的、精神的、栄養的、環境的」な要因がある
  • 疲れが慢性化すると、免疫機能が低下し、うつ病のリスクも高まる
  • 疲労回復には、ビタミンB群、フルスルチアミン、BCAA、クエン酸、糖質などの摂取が有効
  • 疲労時には、エナジードリンク、スポーツドリンク、100%果汁ジュース、緑茶、甘酒、ハーブティーなどの飲み物がおすすめ

上記の飲み物の効果を最大限に活かすには、栄養吸収の主要な臓器である「腸の健康状態」が重要です。まずは、食生活の改善を図り、腸を整えることから始めてみてはいかがでしょうか。


- 監修者のご紹介 -

参考文献

アリナミン製薬「「疲れやすい」の原因は? 4つの栄養素の不足と疲れやすさにつながる行動」

https://alinamin.jp/tired/get-tired-easily.html

アリナミン製薬「疲れや痛みから守り、意欲向上にも役立つ!- 知られざるフルスルチアミンの効能・効果」

https://alinamin-kenko.jp/fursultiamine/fact/fursultiamine.html

アリナミン製薬「疲労の回復が期待できる!疲れたときにおすすめの飲み物6選」

https://alinamin.jp/tired/fatigue-recovery-drink.html

大正製薬「慢性疲労症候群とは?」

https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/250/

大正製薬「疲労をためない手軽な工夫?疲労回復に役立つクエン酸を上手に取りましょう」

https://brand.taisho.co.jp/contents/sports/529/

大塚製薬「必須アミノ酸BCAAとは」

https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/bcaa/about/

日経バイオテクONLINE「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」

https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/011900001/16/11/17/00072/

日経Gooday「ストレスや不眠に役立つお茶成分「テアニン」って? (2ページ目)」

https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/15/101600042/030200017/?P=2

アストリション「ハイポトニック飲料とアイソトニック飲料の違い&代表的な商品一覧」

https://athtrition.com/160718/

毎日が発見ネット「血流改善やストレス緩和など! 毎日飲めば健康増進効果が得られる「緑茶の効能」を解説!」

https://mainichigahakken.net/life/article/post-3182.php

麹専門店MURO「甘酒の基礎知識その2|甘酒に含まれる栄養」

https://kojidrink.jp/pages/column02

AuB株式会社「「トレーニング後は甘酒でリカバリー!?」疲労回復効果を検証してみた」

https://goodcho.aub.co.jp/amazake_recovery/

養命酒製造株式会社「カモミールの効果・効能とは?ハーブティーでの楽しみ方も紹介」

https://www.yomeishu.co.jp/health/3448/

札幌HERB GARDEN「ペパーミント・ハーブの作用、成分、効果、適応」

https://www2.j-herbgarden.jp/15579946617547

日本メディカルハーブ協会「2型糖尿病患者におけるうつ病および不安症に対するレモンバームの効果」

https://www.medicalherb.or.jp/archives/269916