朝起きたら乾いてる!? 目・喉・肌の“乾燥ストレス”対策術 | 水と健康の情報メディア|トリム・ミズラボ - 日本トリム

朝起きたら乾いてる!? 目・喉・肌の“乾燥ストレス”対策術

朝起きると、目がシブシブ、喉がカラカラ、肌がカサカサ。こういった起床直後の「乾燥ストレス」に、お悩みではありませんか?

乾燥ストレスは、寝室の室内環境や、就寝中の身体状態などが大きく影響しています。放置していると、風邪をひきやすくなったり、肌荒れが悪化したりすることもあるため、注意が必要です。

しかし、原因を正しく理解し、適切な対策を取ることで、朝の不快感は驚くほど改善できます。今日から始められる簡単な習慣で、快適な目覚めを手に入れましょう。

朝イチに乾燥ストレスが起きる理由

朝イチに乾燥ストレスが起きる理由

朝イチの乾燥ストレスには、複数の要因が関わっています。例えば、寝ている間の呼吸の変化、寝室の環境、就寝前の水分状態などが挙げられます。これらの要因を一つずつ理解し、それぞれに合った対策を取ることが、朝の乾燥ストレスから解放される第一歩となります。

それぞれの要因について、詳しく見ていきましょう。

睡眠中の呼吸で乾燥することも

睡眠中、私たちは7〜8時間という長い時間にわたり呼吸を続けています。この間、口や鼻から呼気とともに水蒸気が排出され続けるため、喉や鼻の粘膜が乾燥しやすくなります。

特に注意したいのが「口呼吸」です。鼻づまりやいびきがある人は、無意識のうちに口呼吸に切り替わることが多く、口腔内や喉の粘膜が外気に直接さらされることで、起床時に喉がカラカラになったり、痛みを感じることもあります。

さらに注意が必要なのが、飲酒後の睡眠です。アルコールを分解する際に身体は大量の酸素を必要とし、また血管拡張により体温が上昇するため、呼吸数が増加します。その結果、呼気によって通常よりも多くの水分が失われ、朝の乾燥ストレスが強くなる傾向があります。

暖房や乾燥した室内環境も影響

冬場は暖房を使って部屋を暖めますが、暖房は空気の温度を上げる一方で、空気中の水蒸気量は増えないため、相対湿度が低下します。相対湿度が低い空気は水分を奪いやすい性質があるため、喉や肌から水分が蒸発しやすくなり、乾燥が進んでしまいます。

また、窓に結露が生じることで室内の水蒸気が水滴になり、空気中の湿度がさらに低下するという悪循環も起こります。
秋口には大陸からの移動性高気圧の影響で、もともと空気が乾いた状態になりやすく、自然と室内も乾燥しがちです。

寝ている間は室内環境の変化に対応しにくく、気づかないうちに乾燥した空気を吸い続けることになるため、朝起きたときの不快感が増してしまうのです。

水分補給が足りないことも要因

睡眠中には呼吸や発汗によって、約500mLの水分が体から失われます [※1]。そのため、就寝前に十分な水分を摂取していないと、起床時に乾燥ストレスを感じやすくなるのです。

特に、夜にアルコールやカフェインを多く摂取した場合には、利尿作用によって水分の喪失が進み、起床時に強い乾燥ストレスを受けることがあります。

起床時に乾燥ストレスを感じることが多い人は、就寝前に適量の水分を補給し[※2]、念のため枕元にコップ一杯の水を用意しておくとよいでしょう。特に、中高年の方は加齢とともに「喉の渇き」を感じにくくなるため、その点を考慮した水分補給が大切です。

※1. 大塚製薬佐賀栄養製品研究所の2000年のデータ。室内温度29℃、約8時間の睡眠の場合
※2. 飲み過ぎは夜間頻尿の原因になるので、目安としてコップ一杯程度の水を、少量ずつ何回かに分けて飲むとよいでしょう。

就寝中の加湿・温度管理のポイント

就寝中の加湿・温度管理のポイント

私たちは一晩のうち約7〜8時間を寝室で過ごすため、その間の湿度や温度が身体に与える影響は決して小さくありません。適切な環境を作ることで、喉や肌、目の乾燥を軽減し、快適な目覚めを迎えることができるでしょう。

ここでは、就寝中の室内環境を最適に保つためのポイントについてご紹介します。

室内湿度40〜60%が理想的

快適な睡眠と健康維持のためには、寝室の湿度を40〜60%[※]に保つことが推奨されています。湿度が40%を大きく下回ると、喉の粘膜が乾燥してウイルスが活発になり、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。朝起きたときの喉の痛みや、肌のカサつきも、この湿度不足が大きな原因です。

一方で、湿度が60%を大きく超えると、カビやダニが繁殖しやすい環境になってしまいます。カビの胞子を吸い込むと肺の病気を引き起こす可能性があり、ダニはアレルギー性鼻炎や皮膚のかゆみの原因となります。

就寝中に理想的な湿度帯を維持するには、自動湿度調整機能がついた加湿器や暖房機を活用すると便利です。

※.一年を通しての目安の湿度です。この範囲内で、冬はやや高め、夏はやや低めの湿度設定をするとよいでしょう。

加湿器の活用や濡れタオルを使う方法

湿度を保つ手段として、代表的なのが加湿器です。

超音波式の加湿器は、静音で電気代が安い反面、雑菌が繁殖しやすい性質があります。一方、スチーム式の加湿器は、強力ですが消費電力が高めです。どちらのタイプを使うにしても、重要なのは「こまめな水の交換」と「タンクの清掃」です。これを怠ると、加湿どころか空気中に雑菌を撒き散らすリスクがあります。

また、加湿器がない場合も、濡れタオルを干したり洗面器にお湯を張ったりといった簡易的な加湿法で、一定の効果が得られるでしょう。

観葉植物も天然の加湿効果があり、寝室に取り入れると乾燥を和らげられます。

寝室の温度は20℃前後を目安に

乾燥ストレス対策を行う上で、寝室の温度管理も大切です。一般的に、寝室の快適な室内温度は夏で28℃以下、冬で18℃以上と言われています。室温が高すぎると発汗が増えて水分が奪われ、逆に低すぎると体が冷えて血流が滞り、肌や粘膜に水分が行き渡りにくくなるのです。

エアコンを使う際は風が直接体に当たらないようにし、加湿機能付きのタイプを活用すれば乾燥を抑えられるでしょう。

また、寝具も重要です。厚すぎる布団は汗をかきやすく、乾燥を助長する場合があります。季節や体質に合わせて掛け布団や毛布を調整し、体温と室温のバランスをとることが大切です。

起床後の目・喉・肌ケア習慣

起床後の目・喉・肌ケア習慣

どれだけ就寝中の環境を整えても、朝起きたときに多少の乾燥を感じることはあります。そんなときは、起床後すぐに適切なケアをすることで、不快感を和らげ、一日を気持ちよくスタートさせることができます。

ここでは、起床直後にできる簡単で効果的なケア習慣をご紹介します。

目のまわりを優しく温める

起床直後に目の乾燥やかすみを感じるのは、夜間に涙の分泌が減り、角膜表面の潤いが不足しているためです。そんなときは、まず目のまわりを優しく温める習慣を取り入れると効果的です。

蒸しタオルや、ホットアイマスク(蒸気が出るアイマスクなど)を使って目元をじっくりと温めると、血流が改善され、涙腺やマイボーム腺(まぶたの脂腺)が活発になり、涙の質や量が整いやすくなります[※]。これにより、ドライアイの改善や目の疲労回復にもつながります。また、温めると副交感神経が優位になり、朝の緊張した体をリラックスさせる効果も期待できます。

パソコンやスマホを長時間使う人は、朝のケアを習慣化することで目の疲労蓄積を軽減できます。

※. まぶたを38℃くらいで5分程度温めると効果的だと言われています。

うがいやのど飴で喉を保湿

起床時に喉が乾燥して痛いと感じたら、まずはうがいをして喉を潤しましょう。常温の水か、少し温かいぬるま湯でうがいをすることで、乾燥した喉の粘膜に水分を与え、不快感を和らげることができます。

うがいは、喉に付着したウイルスや細菌を洗い流す効果もあるため、風邪予防にも役立ちます。ガラガラと音を立てる「喉うがい」だけでなく、口の中をすすぐ「口うがい」も合わせて行うと、口腔内の乾燥や口臭の改善にもつながります。

うがいの後は、のど飴を活用するのもおすすめです。のど飴をゆっくりと舐めることで唾液の分泌が促され、喉が自然に潤います。特に、はちみつやハーブ成分が含まれたのど飴は、喉の粘膜を保護する効果が期待できます。

保湿クリームやローションの適切な使い方

起床時の肌のつっぱり感や乾燥は、睡眠中に失われた水分と、夜のスキンケアの効果が切れてきたことが原因です。起床後すぐに保湿ケアをすることで、肌の乾燥を防ぎ、一日中潤いをキープできます。洗顔後は特に肌が乾燥しやすいため、できるだけ早く化粧水や保湿ローションで水分を補給しましょう。

化粧水は手のひらに適量を取り、優しく肌に押し込むようになじませるのがポイントです。その後、乳液やクリームで水分が逃げないように蓋をします。特に乾燥が気になる目元や口元には、重点的に保湿クリームを塗りましょう。また、顔の肌だけでなく、体の肌も同様に乾燥ストレスを受けている場合がありますので、体の保湿も忘れずに行うようにしましょう。

朝の水分補給で内側から潤すコツ

朝の水分補給で内側から潤すコツ

起床直後の水分補給は、睡眠中に失われた水分を補給し、身体を内側から潤すために欠かせない習慣です。

この習慣は、喉や肌の乾燥対策だけでなく、血液の流れを良くして代謝を促進し、一日の身体のコンディションを整える効果もあります。しかし、ただ水を飲めば良いというわけではありません。飲むものの種類や温度、タイミングによって、身体への効果は大きく変わります。

ここでは、朝の水分補給を最大限に活かすためのコツをお伝えします。

常温の水や白湯でゆっくりと

起床直後は体温がまだ上がりきっておらず、胃腸の働きも完全には整っていません。その状態で冷たい水を一気に飲むと内臓が驚き、消化機能や血流に負担をかけることがあります。

そこでおすすめなのが、常温の水や白湯をゆっくり飲む方法です。白湯は体をじんわり温め、血流や代謝を促進しながら内側から潤いを与えます。また、消化器官にやさしく働きかけるため、便秘の解消や胃腸の活性化にも役立ちます。

さらに、朝の一杯は体に「水分が入った」というサインを送り、自律神経の切り替えをスムーズにしてくれます。ゆっくり時間をかけて飲むことで、吸収が安定し、必要な水分が全身に行き渡りやすくなるのも利点です。

すぐにカフェインや冷たい飲み物は避ける

朝にコーヒーや緑茶を飲む習慣がある人はたくさんいますが、起床直後の飲用には注意が必要です。これらの飲み物に含まれているカフェインには利尿作用があるため、水分を摂ったつもりでも体外に排出されやすく、結果的に乾燥を悪化させてしまうことがあります。また、冷たい飲み物は内臓を急激に冷やし、血流を滞らせることで肌や粘膜への水分供給を妨げる可能性があります。

もちろん、カフェイン自体は集中力を高めるなどのメリットもありますが、それは朝食後やある程度体が目覚めてから取り入れるのが理想的です。起床直後は、常温水や白湯で体を目覚めさせ、その後にコーヒーなどを楽しむことで、乾燥を悪化させずにメリハリのある朝を過ごせます。

ミネラル含有の飲料も効果的

朝の水分補給をさらに効果的にするなら、ミネラルを含んだ飲み物を選ぶのもおすすめです。

睡眠中の発汗によって、身体からは水分だけでなく、ナトリウムやカリウム、マグネシウムといったミネラルも失われています。これらのミネラルは、身体の水分バランスを調整したり、細胞の働きを正常に保ったりするために欠かせない成分です。

ミネラルウォーターや、薄めたスポーツドリンク、経口補水液などは、水分とミネラルを同時に補給できるため、朝の水分補給に適しています。特に、夏場や発汗量が多い時期、お酒を飲んだ翌朝などは、ミネラル不足になりやすいため、こうした飲み物が効果的です。

さいごに

さいごに

乾燥ストレスは、多くの人が「季節のせい」や「年齢のせい」と考えて、諦めがちです。しかし、実際には環境や生活習慣を少し見直すだけで、大きく改善できるものです。

就寝中の湿度・温度の管理、起床後の目・喉・肌への丁寧なケアを行い、さらに、適切な水分補給も行うことで、翌朝の乾燥ストレスはかなり改善されるでしょう。

重要なのは「特別な対策を一度だけ行う」ことではなく、毎日の習慣として続けることです。習慣化することで、乾燥に悩まされる朝から解放され、より快適で健康的な一日を送ることができるでしょう。


- 監修者のご紹介 -

参考文献

大塚製薬「起床時や就寝前に」

https://pocarisweat.jp/scene/sleep/

株式会社エムール「寝室の湿度は50%前後がベスト!高すぎ・低すぎるとどうなるかも解説」

https://emoor.jp/blogs/media/20230525-2/

株式会社ダイオーズ「人が快適に感じる最適な湿度と温度は?湿度を快適に保つポイントや赤ちゃん・犬が快適に感じる湿度・温度をご紹介」

https://www.daiohs.co.jp/clean/airclean/article/archives/2663/

株式会社栗本建築「人が快適に過ごせる温度とは?快適に過ごせる温度とその影響についてご紹介します!」

https://kuriken.jp/人が快適に過ごせる温度とは?快適に過ごせる温/

フランスベッド株式会社「快眠のための寝室の温度と最適なエアコン設定とは」

https://interior.francebed.co.jp/nemurinavi/faq/sleep/bedroom-temperature.html

津田眼科医院「目を温める治療について(ホットパック)」

https://motoyawata-ganka.com/news/hotpack/