二日酔いのときにサウナに入ってもいい?効果や危険性を徹底解説
飲み過ぎた翌朝、頭が重く、体もだるい。そんなとき、「サウナで汗を流せば楽になるのでは」と考えたことはありませんか?
確かに、サウナにはリフレッシュ効果があり、体調が整うというイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、二日酔いの体は想像以上に弱っています。その状態でのサウナは、回復を早めるどころか、かえって症状を悪化させる可能性もあるのです。
では、二日酔いのとき、サウナとはどのように向き合うべきなのでしょうか。
そもそも体の中では何が起きており、なぜ注意が必要なのでしょうか。
今回は、二日酔いの仕組みを整理したうえで、サウナが体に与える影響や注意点、回復を早めるための適切な過ごし方について解説していきます。
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目次
そもそも二日酔いとは?
二日酔いとは、お酒を飲み過ぎた翌日に生じる、頭痛や吐き気、倦怠感といった不快な症状の総称です。医学的に厳密な定義はありませんが、体内でアルコールが分解される過程で生じる有害物質や、脱水症状などが複雑に絡み合って引き起こされます。
「サウナで汗を流せばスッキリ治る」と安易に考えがちですが、その俗説を検証する前に、まずは私たちの体の中で一体何が起きているのか、そのメカニズムと具体的な症状について、正しく理解しておきましょう。
体内でアルコールが分解される仕組み
体内に入ったアルコールは、胃や小腸で吸収され、血液に乗って肝臓へと運ばれます。肝臓ではまず「アルコール脱水素酵素(ADH)」などの働きにより、アセトアルデヒドという物質に分解されます。実は、このアセトアルデヒドは毒性が非常に強く、顔が赤くなったり、激しい頭痛や吐き気を引き起こしたりする元凶なのです。通常であれば、さらに「アルデヒド脱水素酵素(ALDH)」によって無害な酢酸へと分解され、最終的には水と二酸化炭素になって尿や呼気として体外へ排出されます。
しかし、肝臓が一定時間に処理できるアルコール量には限界があります。その能力を超えて大量に飲酒すると、毒性のあるアセトアルデヒドの分解が追いつかず、体内に長時間滞留してしまいます。その結果、翌朝になっても毒素が体内を巡り続け、つらい二日酔いの症状として体に現れるのです。つまり、二日酔いとは「体が毒素と戦っている状態」なのです。
以下の記事では、飲み過ぎによる体への影響や上手な飲み方について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【お酒を飲み過ぎるとどうなる?体への影響と上手な飲み方を解説】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/28463/
二日酔いによる主な症状
二日酔いの症状は、分解しきれなかったアセトアルデヒドの毒性作用や、アルコールの利尿作用による脱水、さらには低血糖などが複合的に絡み合って現れます。その日の体調や、飲んだお酒の種類によっても異なりますが、多くの人が経験する代表的な症状は、以下のとおりです。
・ズキズキとする頭痛
・吐き気や胃のむかつき
・全身が重くなる倦怠感や脱力感
・激しい喉の渇き
・光や音に対する過敏反応 など
これらは、アセトアルデヒドが血管を拡張させたり、神経を刺激したりすることで引き起こされます。特に頭痛や倦怠感は、脱水によって血液が濃縮され、血流が悪化していることの現れでもあります。また、胃酸過多による胃の不快感や、自律神経の乱れによる動悸、発汗も見逃せません。
単なる飲みすぎと軽視せず、体が危険信号を出している状態であることを認識しましょう。
飲酒後のサウナはNG?

結論から言いますと、お酒を飲んだ直後や、酔いがまだ強く残っている状態でのサウナ利用は「絶対NG」です。これはマナーの問題ではなく、命に関わる危険な行為だからです。
アルコールには、血管を広げて一時的に血圧を下げる作用がありますが、サウナの温熱効果も同様に血管を拡張させます。この二つの作用が重なることで、急激な血圧低下を招き、意識を失って転倒したり、最悪の場合は心臓に過度な負担をかけたりする恐れがあります。
また、アルコールで判断力が鈍った状態でサウナに入ると、熱さを正しく感じ取れず、長時間入りすぎてしまうリスクもあります。
「酔い覚ましにサウナ」という昔ながらの考えは、非常に危険な誤りですので、絶対に避けましょう。
サウナが二日酔いに与える影響
飲酒直後の危険性は前述のとおりですが、一晩経った翌日、いわゆる「二日酔い」の状態であれば、サウナを利用しても良いのでしょうか。
実際、早く症状を改善したいという思いから「汗をかけばアルコールが抜ける」と考え、重い体を起こしてサウナへ向かう方は少なくありません。
確かに、サウナのリフレッシュ効果で一時的に気分が晴れることはあるかもしれませんが、体内では複雑な反応が起きています。
ここでは、サウナが二日酔いの体に及ぼす作用について、期待できる効果と、決して無視できないリスクの双方から具体的に解説をしていきます。
一時的に爽快感が得られる
まずは、ポジティブな側面から見ていきましょう。
二日酔いの時にサウナに入ると、「なんとなく体が軽くなった」と感じる方がいるのは、決して気のせいだけではありません。その最大の理由は、温熱効果による「血行促進」にあります。
サウナで体が温まると、血管が広がり、滞っていた血液の流れがスムーズになります。これにより、体内の代謝機能が一時的に高まり、疲労物質の排出が促されることが期待できます。また、大量に汗をかくという行為自体が持つ精神的なリフレッシュ効果や、自律神経への刺激によって、重だるい倦怠感が感覚的に和らぐこともあるでしょう。
しかし、これはあくまで「一時的な爽快感」であり、根本的な解決策ではありません。また、このメリットを享受できるのは、二日酔いの症状が極めて軽く、脱水状態がない場合に限られます。ご利用にあたっては自身の体調をしっかりと見極め、十分な注意が必要です。
二日酔いの症状を悪化させるリスクが多い
「スッキリするかもしれない」という期待とは裏腹に、多くの医師が二日酔い時のサウナを推奨しないのには、明確な医学的根拠があります。
それは、一時的な爽快感よりも、身体への負担や症状悪化のリスクの方が、圧倒的に大きいからです。
二日酔いの体は、毒素であるアセトアルデヒドを分解するために全力で働いています。そのような過酷な状況下で、高温のサウナという強い負荷をかけると、体内でどのような反応が起きるのでしょうか。特に深刻な影響を及ぼす2つの要因について、詳しく見ていきましょう。
①血液が分散することで症状が長引く
サウナに入ると、体は上昇した体温を調節しようとして、皮膚の表面にある血管を広げ、熱を放出しようとします。これ自体は正常な生理反応ですが、二日酔いの体にとっては大きなマイナス要因となります。なぜなら、血液が体の表面に集まることで、相対的に内臓への血流量が減ってしまうからです。
特に問題となるのが「肝臓」への血流不足です。二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドを分解するには、肝臓がフル稼働する必要があり、それには酸素や栄養を運ぶ十分な血液が不可欠です。しかし、サウナによって血液が全身に分散してしまうと、肝臓への供給量が減少し、分解処理のスピードが落ちてしまいます。
早くお酒を抜きたいと思ってサウナに入ったはずが、肝臓の働きを邪魔してしまい、かえって二日酔いの苦しい時間を引き延ばしてしまうという皮肉な結果を招くことになるのです。
②脱水症状になりやすい
アルコールの強力な利尿作用により、二日酔いの体は、本人が自覚している以上に深刻な「水不足」の状態に陥っています。ただでさえ水分が枯渇している状態で、高温のサウナに入り強制的に大量の汗をかけば、身体が危険な状態になることは想像に難くないでしょう。
そもそも、アセトアルデヒドの分解には大量の水が必要です。しかし、サウナでの発汗によって水分がさらに奪われると、分解プロセスが停滞するだけでなく、脱水症状が急速に悪化します。その結果、血液中の水分が減って粘度が増し、血栓ができやすい、いわゆる「血液ドロドロ」の状態を招きます。
「汗と一緒にアルコールを出す」というのは大きな誤解です。汗として排出されるアルコールはごく微量であり、失われるのは生命維持に必要な水分とミネラルばかりです。結果として、頭痛や吐き気が激化し、最悪の場合は浴室での失神や、脳梗塞などの重大な事故につながる危険性さえあるのです。
二日酔いのときはサウナは控えて!症状軽減のための適切な対処法は?

これまでお伝えしたリスクを踏まえると、やはり体調が優れないうちは、サウナに行くのは控えるのが賢明でしょう。無理に汗をかこうとする行動は、回復を早めるどころか、弱っている体にさらにムチを打つことになりかねません。では、辛い状態から少しでも早く抜け出すためには、どう過ごすのが良いのでしょうか?
大切なのは、アルコールの分解作業で疲れている肝臓をいたわり、不足してしまった水分や栄養をしっかりと補ってあげることです。ここからは、誰でも無理なく実践できる、身体にやさしいリカバリー方法をご紹介します。
なお、以下の記事では、二日酔いの予防や解消について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【二日酔いの予防と解消 3つの基礎知識と、水分補給のススメ】
https://www.nihon-trim.co.jp/media/2382/
まずは水分とミネラルの補給
最も優先すべきことは、水分をしっかりと補給することです。アルコールの利尿作用によって、体内の水分は予想以上に失われており、体はまさに砂漠のような状態になっています。まずはこの脱水状態を解消し、有害物質を尿として排出しやすくする体内環境を整えることが重要です。
その際、ただの水を飲むだけでも効果はありますが、尿や汗と一緒にナトリウムやカリウムといった電解質(ミネラル)も失われているため、これらを効率よく補える飲み物を選ぶのがポイントです。
特におすすめしたい飲み物は以下のとおりです。
・体に負担の少ない常温の水やミネラルウォーター
・失われた電解質をスムーズに補給できるスポーツドリンク
・「飲む点滴」とも呼ばれ、吸収率に優れた経口補水液
このように、真水よりも体内への吸収スピードが速く、体液に近い成分のものを選ぶことで、辛い症状からの回復をサポートしてくれます。ただし、一度に大量に飲むと弱った胃に負担がかかるため、コップ一杯程度を少しずつ、こまめに飲むように心がけましょう。
消耗したエネルギーと栄養をチャージ
水分補給と合わせて行いたいのが、アルコールの分解で大量に消費された糖分やビタミンの補給です。二日酔いの体は一時的な低血糖状態に陥っていることが多く、これが酷いだるさや頭痛の一因となっています。弱った胃腸に負担をかけず、効率よく栄養を摂れるものを選びましょう。
特におすすめなのは、以下の食品や飲み物です。
・果糖とビタミンCが豊富な100%フルーツジュース(オレンジジュースなど)
・消化が良く、カリウムが豊富に含まれているバナナなどの果物
・肝臓の働きを助ける成分(オルニチンやタウリン)を含むしじみのお味噌汁
このように、ビタミンやミネラル、そしてエネルギー源となる糖質をバランスよく摂ることで、肝臓の働きをサポートし、回復を早めることができます。食欲がない時は無理に固形物を食べる必要はありませんが、温かいお味噌汁を一口飲むだけでも、体と心がホッと落ち着くはずです。
無理に動かず、体を横にして休息をとる
水分や栄養を補給したら、あとは無理に動かず、できるだけ安静にして過ごすことが回復への近道です。二日酔いの特効薬はなく、最終的には肝臓がアセトアルデヒドを分解し終えるのを待つしかありません。「動いて汗をかけば治る」というのは間違いで、運動などで筋肉を使うと、血液が筋肉の方へ流れてしまい、肝臓への血流が減って分解処理が遅れてしまいます。
もし横になれる環境であれば、迷わずベッドやソファに横になりましょう。体を水平にすることで、重力の影響を受けずに血液が内臓へ戻りやすくなり、肝臓への血流量が増えるというメリットがあります。
この他、以下のような環境作りも効果的です。
・部屋の明るさを落として光の刺激を避ける
・締め付けの少ない楽な服装に着替える
・短時間でも良いので睡眠をとる
このように、体と脳を休めるモードに切り替えることで、身体のエネルギーをアルコールの分解だけに集中させてあげましょう。
サウナの代わりに「ぬるめのシャワー」でリフレッシュ
サウナは控えるべきだとしても、寝汗でベタつく体をさっぱりさせたい、あるいは気分を変えてシャキッとしたいという時もあるでしょう。そんな時は、サウナや熱いお風呂ではなく、身体への負担が少ない「ぬるめのシャワー」や「半身浴」で優しくリフレッシュするのがおすすめです。
38~40度程度のぬるいお湯であれば、血圧の急激な変動や、過度な発汗による脱水のリスクを抑えつつ、皮膚の汚れを落とすことができます。適度な温熱刺激は、乱れた自律神経を整え、不快感を和らげる助けにもなります。
入浴の際は、以下の点に注意してください。
・熱すぎるお湯は避ける(サウナ同様、心臓への負担になるため)
・長湯はせず、短時間で済ませる
・浴室での立ちくらみに十分注意する
このように、あくまで「汚れを落としてさっぱりする」程度に留めるのが鉄則です。ここでも「汗をかいて治す」という意識は捨て、リラックスすることを最優先に考えましょう。
まとめ
さいごに「二日酔いとサウナの関係」について、重要なポイントを整理します。
- 二日酔いは、毒性の強いアセトアルデヒドの滞留と脱水などが重なって起きる状態
- 飲酒直後や酔いが残る状態でのサウナ利用は、急激な血圧低下や失神のリスクがある
- 翌日の二日酔いでも、サウナは根本的な回復手段にはなりにくく、症状が悪化するリスクがある
- サウナによる血流分散は、肝臓への血流を減らし、アルコール分解を遅らせるリスクがある
- 大量発汗は脱水を進め、頭痛や吐き気などの症状を強めるリスクがある
- 回復を早めるために重要なのは、水分と電解質の補給、栄養補給、十分な休息
- リフレッシュ目的なら、サウナではなく、ぬるめのシャワーや短時間の入浴が現実的な選択
二日酔いのときは無理に汗をかこうとせず、水分補給と休息を優先して過ごしましょう。
- 監修者のご紹介 -
参考文献
株式会社ライフドリンク カンパニー「LIFEDRINKオンラインストア|二日酔いを効果的に治す方法は?サウナは有効?飲みすぎた時の対処法を解説」
https://www.lifedrink.co.jp/column/column/column-2408-5/
アサヒビール株式会社「アルコール代謝のしくみ」
https://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/health/action.html
厚生労働省「健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~|二日酔いのメカニズム」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-03-005
株式会社バリューメディカル「メディカルブレイン|お酒の時間をもっと楽しむために。今一度見直したい「二日酔い」について」
http://medical-b.jp/topics/topics-20241209/
クリニックプラス「アルコール(飲酒)が高血圧の原因に?健康に配慮した飲み方も解説」
https://clinicplus.health/hypertension/0t0q4gnp/
一般社団法人 日本循環器病予防学会「日循予防誌 第55巻 第2号|飲酒と循環器疾患」
https://www.jacd.info/library/jjcdp/review/55-2_01_kawano.pdf
サワイ健康推進課「サウナー必見! サウナのメリット、デメリットとは」
https://kenko.sawai.co.jp/healthy/202307.html
三和酒類株式会社「いいちこスタイル|飲酒後に入浴しても大丈夫? サウナと飲酒についても医師が解説!〈お酒と健康の基礎知識⑧〉」
https://style.iichiko.co.jp/howto-drink/20240315/0303/
アリナミン製薬「健康サイト|二日酔いの予防や症状緩和におすすめの食べ物・飲み物は?摂るべき栄養素を知ってしっかり二日酔い対策を!」
https://alinamin-kenko.jp/navi/navi_kizi_hutsukayoitabemono.html
アリナミン製薬「健康サイト|二日酔い」
https://alinamin-kenko.jp/navi/navi_futsukayoi.html
ニューオータニ健康保険組合「「お酒」との距離感を考えよう|健保だより」
https://www.newotani-kenpo.or.jp/imfine/2024/05/14/distance_from_alcohol/index.html
ヨガジャーナルオンライン「しじみ汁とオレンジジュース、つらい二日酔いに効くのはどっち?」
https://yogajournal.jp/26287
さいとう内科クリニック「「知って得する」食後の「ごろ寝」は肝臓に最高の薬!肝臓を休ませる習慣と、サプリメントが肝臓に与える「毒」のリスク」
https://saito-cl-liver-regeneration.com/blog/post-911/
エスクァイア日本版「二日酔いからあなたを救うおすすめの食べ物6つ ― 次の飲み会までに知っておきたい」
https://www.esquire.com/jp/menshealth/wellness/g30333625/6-foods-that-will-give-you-life-during-your-next-hangover/